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在庫の状態を知る重要性
商品を販売しているような会社では、棚卸(たなおろし)が不可欠でしょう。
棚卸とは、期末の在庫がどれだけあるのかを把握する作業です。
デパートなどでときどき「本日棚卸のため…」といった貼紙がしてあるのを見たことはありませんか?
商品や材料などが残っている場合、その分の購入代金は経費にはできません。そのため、在庫がどれだけあるのかを、実際に数えなくてはならないのです。
しかし、棚卸は単に数えればよいというものではありません。在庫の状態を見極めることが大切です。
在庫の状態とは、要するに「売り物としての価値があるのか」ということ。
時代遅れの商品となって価値が低下することもあれば、倉庫内での保存状態が悪く不良品となってしまうこともあります。このような場合や、もう売り物にならないような場合には、何らかの処分方法を考える必要があります。
備品も棚卸をしよう
また、会社内の備品についても、棚卸をしましょう。
パソコンをはじめとするOA機器や社用車などは、帳簿と一致しているでしょうか。私物との区別がつくようになっているでしょうか。
また、もう使えなくなっている機器を放置してはいないでしょうか。リースしている機材には、リースだとわかるように、シールなどが添付してあるでしょうか。
備品をはじめとする会社の固定資産もしっかりと内容を確認し、資産の所在を明らかにしておくことが大切です。
使えなくなってしまったものについては、処分を検討する必要があります。
なお、これらをきちんと管理するためにも、また、決算書作成や税務の手続きのためにも、「固定資産台帳」などを作成しておくとよいでしょう。
切手や印紙も見逃せない
切手や印紙を会社にストックしている場合には、その残額も把握することが望ましいでしょう。
多額の切手や印紙が残っている場合、経費とせずに「貯蔵品」といった資産にする必要があります。なお、これらをきちんと管理するためにも、切手や印紙の管理台帳を作成しておくとよいでしょう。
文房具などは、そこまで厳密に考える必要はありませんが、小さな会社にとっては、文房具代のムダさえ馬鹿にできない金額になる可能性もあります。
そのため、文房具の購入などについて、担当者をきちんと定めて一括で発注するなどのルールを決めておくことは重要でしょう。
業務内容を見直す
棚卸作業によって、普段あまり目に付かなかった業務上の問題点が浮き彫りになることもあります。
壊れた機器をそのままにする、文房具を私的に自由に使えるという状況があれば、会社として望ましい姿とはいえません。
決算の準備作業を通じて会社の業務を見直すことで、業務や経費のムダを発見できることもあり、それを次期以降の経営に生かしていくという視点が大切になります。