企業会計 Vol.1 「気づけば預金残高6万円」売り上げは伸びているのになぜ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
会社ができたての ころは、一番の営業担当者が社長ということはよくある話かもしれません。しかし、このような会社では、営業に集中しすぎるあまり経営の方がおろそかになっ てしまっている例も多いようです。今回はそのような会社の事例を取り上げて、注意点を確認してみようと思います。

待ちに待った受注ラッシュ

 友達の社長に紹介さ れた新聞記者のおかけで、自社の新製品が新聞に載ることになりました。その新聞を見た方からたくさんの問い合わせをいただいたため、電話が鳴りやまずに社 内は大騒ぎです。資料の発送や営業担当者のアポイントなど、普通なら何の問題もない業務もこの日ばかりは大混乱です。事前に伝えていたとはいえ、まさかこ こまでの反響があるとは社長自身思ってもみませんでした。完全に予想外の、うれしい悲鳴です。

 

営業担当者も在庫も間に合いません

 まもなく、古くからいる社員から「営業担当者 も、在庫もこのままだと全然足りません」と言われ、わずかな不安がよぎりましたが、すぐに「採用と発注を進めてくれ」と即決しました。さらに「事務の派遣 とパンフレットや封筒の印刷も進めてくれ」と付け加えて、社長は上機嫌で営業に出て行きました。

 

大口の受注も取れ、順風満帆なはずなのに

 会社側から営業をかけるまでもなく、お 客様の方から電話があり、受注も訪問した時点でほぼ決まっています。徐々に大きな受注もとれるようになってきました。新しく採用した営業担当者もすぐに実 績が上がるので、ニコニコしながらどんどん受注を取ってきます。

 このようなときに、先日の社員から「社長、大変です。預金残高が6万円し かありません」との慌てた一言。まさに寝耳に水です。「こんなに売り上げがあがっているのになぜ?」慌てた社長は、個人の口座からお金を集めてきたり、銀 行に借り入れの申し込みに行ったり、親戚に頭を下げたりと、一転金策の日々になってしまいました。当面のお金は確保できたものの、どうしてこのようなこと になってしまったのでしょう。それが会社のためです。

 

急な売り上げアップ は危険がいっぱい

 売り上げが上がったからといって、お金がすぐに入ってくるとは限りません。商品の仕入れや人件費の支払いな ど、大きな支払いが売り上げの入金日の前にあるとすると、売り上げが上がればあがるほどお金がなくなっていきます。もし、売り上げの入金が遅れでもした ら、一発で倒産の危機です。運転資金の準備や決済条件の変更など、事前にきちんと対策を打っていない状態での急激な売り上げアップは即倒産の危機になって しまうのです。売り上げが急にアップしてただ喜んでいるだけの社長は今すぐ辞任た方がよいでしょう。

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