企業会計 Vol.2 「絶対に儲かる仕事が2つ」社長、どうしますか?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
この仕事は絶対に 儲かるという話が複数きたとき、どのように判断していますか。会社が小さいうちはちょっとした判断ミスが、大きな損失になって返ってきます。今回はそんな 事例を見ていきましょう。

ふとしたことからチャンス到来

 友人の社長と飲 みに行っているときに、たまたま紹介されただけのA社と取引が決まり、とんとん拍子に商談がまとまるということもあるものだなと考えているところに、中学 校の同級生から突然の電話。懐かしんでいる間もなく、取引先を探しているとの話しでした。しかも、なんと大手企業のB社と取り引きのチャンス到来です。

 

うれしいなかにも悩みが一つ

 起業して以来5年、こつこつと頑張る性格のため少 しずつ売り上げを増加させてきましたが、こんなにチャンスに恵まれたのは初めてです。A社の場合、もともと利益率も高めですし、何度か取り引きを重ねるう ちに発注量を増やしてもらえそうです。一方、B社は大手企業ということもあり利益率は最初から低めですが、もともと発注量が非常に多いので、利益の額自体 は大きくなりそうです。

 しかし、もともと小規模な取り引きしかしたことのない会社ですので、ここまで大きな取り引きをするには、運転資金 が足りません。製品の製造元からも、「この量ですと、前金でいただかないと無理です」という返事が来てしまう始末。

 

銀行借入に挑戦

 そこで、起業して以来借金がゼロでしたが、初めて銀行に借り入れ の申し込みをしてみることにしました。銀行の方からはB社の発注書があれば大丈夫ですよ、というよい返事が。

 

発注書をもらってみると

 B社から仮発注書が届きました。しかし、内容を見てみて びっくり。納品月の2カ月後に入金する条件で、社内規定上どうしても動かせないということです。続いてA社からも仮発注書が届きましたが、こちらは、半分 は翌月末に、残り半分は手形だというのです。もともと翌月末の決済でぎりぎりの資金準備しかできないというのに、これではせっかくの儲かる取り引きも受注 できません。支払期日について交渉してみると、B社はどうしてもだめ、A社は少し安くしてもらえれば翌月末に振り込むということで条件の変更をOKしても らえました。しかし、今度は銀行の方が信用面を理由に、どうしてもOKを出してくれないのです。

 結局、残念なことに両社とも取引できない という結果になってしまいました。きちんと日頃から準備しておかないと、せっかくのチャンスもものにできないと学んだ1カ月でした。

 その 後、1年たった頃にA社が倒産したという知らせが入ってきました。もし取り引きをしていたとしたら、こちらも倒産を免れなかったことでしょう。もともと信 用調査すらしていなかったのですから自業自得です。まさか直感で取り引きを決定している社長はいないでしょうね。

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