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はじめに理念ありき
一般に弁護士というとまだまだ敷居が高 く、身近な存在になりきれていない。テレビの影響もあり弁護士がどういった業務を行っているのかについてわからないという人は少ないものの、実際に相談す るところまではいかないという方も多いようである。そして、いざ弁護士を探そうとしても一般の人には気軽に探せる環境がないのも事実であり、特にインター ネットで検索しようとするとかなりの苦戦を強いられる。「何とかこの状況を打破できないだろうか」このようなディスカッションがついに「理念」というひと つの形にまとまった。
資本を集めるのではなく人を集める
もともと、独立して自らの力で稼ぐ者たちにとって時間についてはある程度の自由がきくはずであり、そして何よりも自己実現の場を探しているはずである。そ うであれば共通の「理念」のもとに人を集めればよい。お金に頼るのではなく、理念に賛同した人たちの手で新たな「しくみ」を作り上げていこう。手弁当で 「理念」のもとに集まった組織は強い。弁護士などの専門家やIT技術者、協力者などが続々と集まり始めた。もはや、優秀な人材はひとつの会社で働き続ける 時代から、プロジェクトごとに集まる時代に変わったのである。
弁護士法 72条の壁
しかし、この事業には大きな問題があった。通常専門家の紹介を行うサイトでは専門家から広告宣伝費を徴収することによって運 営されているが、実は弁護士については弁護士72条という法律上の規制により「仲介料を徴収する形での有料マッチング事業」ができないのである。この弁護 士法72条に適合した形での運営を実現するために、広告宣伝費を徴収しないしくみに変更せざるを得なかった。
WEBサイトができ、相談者 や弁護士がたくさん集まってくると、数多くの取材を受けるようになる。その影響もあり、多くの案件を安定的に紹介できるようになるまであまり時間がかから なかった。もともと競争がない分野だけにある意味一人勝ちである。
儲 かったお金を再投資
そのうち、日本初の弁護士サービスのオークションサイトである「弁 護士ドットコム」の運営者という創造性・先見性や経営者の視点をあわせ持つビジネス感覚が評価されたせいか、予想外の展開として、 自らの法律事務所への顧問弁護士その他の案件依頼が急速に増えてきた。 そこで、弁護士のみならず、他の専門家についても相談の敷居を下げ、一般の人に気 軽に相談してほしいという共通の理念から、司法書士や税理士についても、弁護士事務所で獲得した収益を積極的に再投資し、現在も急速に拡大中である。特に「税 理士ドットコム」に力を入れつつ「サイト自体の収益を一早く軌道に乗せて協力してくれた方々に恩返ししたい」ということである。
必要なお金を集めなければ事業は始められないと考えている方、少し立ち止まっ
て考えてみてほしい。あなたの行おうとしている事業の理念は、お金だけでなく人
を惹きつけることができる理念ですか有能な人材が理念のもとに集まってくれば、
お金はどんどんとついてくるのです。
