企業会計 Vol.8 価値の高いWebサイトとは？

　近年、WebサイトのM&Aが活発になってきています。Webサイトでも、思いのほか高い価格で取り引きされる ような事例も出てきているようです。今回は、「サイトレード」(http://www.site-trade.jp/) というWebサイトM&A事業を行っている株式会社ゼスタス(http://www.zestus.co.jp/) の和家 智也 社長にお話を聞きました。

サイトのM&Aは新しく始まっ たものではありません

　WebサイトのM&AやWebサイト売買というビジネスは、ここ1年でだいぶ認知されてきましたが、実は 以前からITベンチャー企業や優良サイト保有企業を丸ごと買収するという一般のM&Aと同じ方法で行われていました。しかし、近年は売買事例の増 加や専門仲介会社の増加とともに、サイト自体をひとつの事業ととらえ売買の対象としていく流れが定着してきました。

買い手側のニーズとメリット

　一からサイトを構築して行くことと比べると、すでにできあがってい てお客様がついているサイトを購入したほうが、時間の節約になります。このメリットはIT業界では非常に大きなものです。また、既存のサイトや事業とのシ ナジーを追求したり、マーケットシェアを拡大したりできることもメリットのひとつです。さらには、すでに収益を上げているサイトの場合、将来のキャッシュフ ローが読めるので、新たにサイトを開設して投資していくことと比べて事業リスクを大幅に回避できるという点があげられます。

売り手側のニーズとメリット

　実は、サイトの運営者やマーケティング人材が不足しているサイト が多く、成長が止まっていることがあります。また、本業が思わしくなく、サイト自体に換金価値があるなら積極的に売りたいという方も出てきています。閉鎖 してしまえば価値がなくなるだけですが、売却すれば現金を確保できるというメリットがあります。

こんなサイトが売れます

　既存の売買事例から、このようなサイトに高い価値が付くことがわかって います。

　・ すでに売り上げがあるサイト(月30万円で1000万円の価値がつくことも）
　・ アクセスがたくさんあるサイト(検 索エンジンで上位に表示されるサイト）
　・ 尖ったコンテンツを持っているサイト(他にないものや時流に乗っているもの）
　・ モバイル サイト(既存のサイトで成功していてもモバイルで出遅れている企業がある）

　最近は上場企業からの引き合いが増加していますので、売り手と 買い手のニーズをうまくマッチングしながら、お互いが満足できる成功事例をどんどんと増やしていきたいと思います。

　時代 の変化とともに、いままで誰も価値を見いださなかったものが、突然高値で取り引きされるということもあります。ただのWebサイトと侮らずに、どうやった ら資産価値を高めていけるかを真剣に考える時期に来ています。