企業会計 Vol.10 急遽継いだ会社には、なんと2億円もの借金が!さて、どうする?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
先代の社長が急に 倒れて、その後を後継者が継いでいくということがあります。特にそのときまで社外の会社で働いていて、急遽退職して経営を引き継ぐような場合、大きな苦労 をすることがあります。ある会社の例を見ながら考えてみましょう。

経理に社長の愛人が

 まずは会社の概要を把握しようと、経理か ら数字の説明を受けようとすると、なぜか周りがざわついています。実際に経理の担当者に話を聞いてもよくわからないことが多く、先代社長のワンマンぶりが 徐々に明らかになってきます。しかも、経理担当者から「最近は出社していませんが、私の他に、先代の愛人だった方が経理にいます」との一言が。

 

貸借対照表に知らない子会社が

 さらに調査を進めていくと、よくわからない子会社が存在してい ることが判明。経理担当者も「先代しかわかりません」とのこと。幸い申告を担当していた税理士に概要を聞くことができた。どうも接待交際費をつけ込むため だけに使っていた会社のようだ。外部から売り上げがあがっている形跡もないし、ほとんど存在価値のない会社のようだ。

 

とどめに2億円の貸し付けが発覚

 なんと、子会社から先代の社長へ2億円の貸付がなされているこ とが発覚。よく調べもせず損はしないだろうと相続してしまったため、とんだ借金を背負うはめに。税理士の話によると、どうも例の愛人にお金を渡していたよ うだ。

 

一度きれいにしなければ!

 このままだと会社自体が傾き かねないと判断し、早急な対応を検討した。まず、愛人には出ていってもらい、不要な子会社は清算することにした。その他、個人的な経費のつけ込みや銀行対 策として売り上げの水増しも発覚したので、適正な会計処理を行えるように経理部門や管理部門を強化した。そのようななかでも、愛人に出ていってもらうのに はとりわけ苦労した。所有していた株を仕方なく高値で買い取り、高額の退職金を支払ってようやく出ていってもらうことに成功。せっかく受け取った生命保険 金も会社の整理と借金の返済で手元にはほとんど残らなかった。

 すでに銀行借入の連帯保証人になっているため、もう会社と運命をともにするし かない。これだったら自分で起業したのとたいして変わらないと思いつつも、もう先に進むしか道がないのです。

 

 後継者に会 社を継がせたい場合、このような苦労をかけないように、きちんとした会社をつくっていくことが重要になってきます。会社を継がせるということは、それだけ 多くの準備をしなければいけないです。ただし、これらの準備は一般的に長い時間がかかるのが特徴です。あなたは、いったいあと何年責任を持って社長を続け られますか。

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