いよいよ7/11にi Phone3Gが発売されます。ipodをもっている方ならついほしくなってしまうこのi Phone3Gについて、マーケティングの専門家、セミナーズの鳥内浩一氏にインタビューを行いました。
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どうしてあんなに安くできるのでしょうか?
今回アッ プル社とソフトバンクモバイルが組むことになったわけですが、2007年冬あたりから携帯電話各社が取りやめていた販売奨励金をなんと4万円超に増額して 端末代金を低く抑えたのです。
携 帯電話各社が端末代金を割り引かない代わりに通話料や基本料を安く抑えるという手法に移行していた矢先の出来事であるため、他社にネット機能の強い携帯端 末でおくれを取っていたソフトバンクモバイルとしてはアップルとの提携を契機にして、一気に勝負に出たという印象を受けます。
機能面でもかなり特徴があるようですが
機能面では、タッチパネルを使った操作性の向上 が大きいと思います。i Podを内蔵しているだけでなく、ユーチューブで動画を見たり、共有したりできます。通信速度も2倍になり、無線LANも使えます。
さらには連絡 先や予定表の共有などビジネスに役立つ機能や、GPSや加速度センサーも付いているので、それを活用したアプリケーションもたくさん出てくると思います。 また、開発ツールも公開しているので、たくさんのアプリケーションが音楽コンテンツのように簡単に購入できるようになると思います。
いったいどこで儲けるつもりなのでしょうか
実はここにからくりがあるのです。ソフト バンクモバイルが提供する料金プランはホワイトナイトという1時~21時まではソフトバンクモバイルの端末同士は国内通話が無料というプランです。しかも 月額基本料も980円ですので、どこで儲けようとしているのかがわかりません。
しかし、きちんと調査してみると、通話の大部分は21時~1時に集 中しているため、それ以外の通話をタダにしても十分儲けが取れるのです。ここが利益を生み出すからくりです。
今後の携帯はどう変わっていくのでしょうか
販売奨励金を使って価格的にも機能的にも買 わない理由をなくす。また、同じ携帯電話会社同士の通話が無料というしくみを構築して一気にシェアを拡大し、データ通信を多用するような機能やコンテンツ をたくさん準備をする。
そして、他社より少しは高額に設定するデータ 定額通信料中心の収益構造に転換していくという流れが読み取れます。
近い将来、携帯電話という呼び名より、携帯端末という呼び名がふさわしくなる 時代がやってきそうな気配です。
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表面だけを見ていると 無謀とも思える安売りの裏には、きちんとマーケティングに裏打ちされた儲けのノウハウが隠されていました。みなさんのビジネスにもマーケティングと会計の センスをきちんと取り込めば成功確率が上がるかもしれません。