寒くなってくると風邪をひいてティッシュがほしくなることがありますが、駅前に行けばいくらでも無料でもらうことができます。
最近では小箱入りティッシュまで無料で配っているという大盤振る舞いで、私もついつい受け取ってしまいました。
一見、古典的に見える『ティッシュ配り』という広告手法。なぜこの手法は現代も続けられているのか。またどのような秘密があるのでしょうか。
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もらって損はない存在
普段は無くてもまったく気にならないティッシュですが、花粉症の人や 風邪をひいている人にとっては、今すぐほしいアイテムの一つになります。しかも、何かをこぼしてしまったとかに突然必要になったりして、あのときもらって おけばよかったと悔しい思いをする事がありますよね。実際にまわりの人に聞いてみても、多くの女性のバックにポケットティッシュが1つは入っていました。 軽くて小さいので、バックに入れても気にならないようです。
ただのチラシなら邪魔になるので、なかなか手にとってはもらえませんが、 ティッシュならもらっておいて損はないので、手にしてもらえる可能性も高いでしょう。
ティッシュに加えてこんなものも
以前は社名や連絡先だけが書かれたものが多かったのですが、競 争が激しいためか実際にもらってみると、ちょっとしたクーポン券、さらには無料体験チケット、変り種では、女性がよく使っているあぶらとり紙がセットに なっていることすらあります。広告が入ったティッシュかと思いきや、サンプリングの要素もあるようですね。
この不景気なご時勢、効果のな い広告なんて一瞬で予算が止められてしまいます。しかし、ティッシュ配りは毎日毎日続けられています。今ではかなり減ってしまったダイレクトメールや、折 り込みチラシ、ポスティング。同じように見えて、続けられている。これには何か理由があるのでしょうか。
1個3円のティッシュがお客を呼ぶ
ティッシュ配りといえば消費者金融業界。もらった人は使うときに広告 の文字が目に入ります。「キャンペーンをやっているようだし、ちょっとだけ」という方が1000人の中に数人いただけで統計上確実に大儲けできる仕組みが 構築できているのです。
ティッシュの原価は一般的に1つ3~8円程度です。
例えば、
ティッシュ配りのアルバ イトの時給を、1000円
1時間あたりに配ることができる量が200個
広告の内容がよければ、人件費を加えても、8000円 程度で一人のお客さんを集めることすらできてしまうのです。仮に50万円を借りるお客さんを一人見つけることができれば、年利15%だとしても年間 67000円の利益に。そのうち何人かは数年間にわたって借り続ける可能性もありますので、きちんと返済さえしてもらえれば大儲けは確実です。駅前の一等 地にお店や看板を出すことができる秘密がココにあります。
狙い目の業界はこんなと ころ
会計の原則は、コストをできるだけ下げて、売り上げをできるだけ大きくするということ。うまくいっている方法には、なにかしら利益 を生み出すヒントが隠されています。商材やサービス、業界によって数字にぶれはありますが、参考までに他媒体の転換率と比較してみると、平均で以下のよう になっているようです。
・新聞折込 約0.03%
・ポスティング 約0.2%
・ネット広告 約3.3~5.5%
・ティッシュ配り 約4.0%
なんと、ネット広告なみの効果があるんですね。
ティッシュ配りは、商圏が限られていて、ターゲットが明確になっている業界、例えば、飲食業界、学習塾をはじめとした教育ビジネス、美容関係やスポーツク ラブなどの業態でも、大きな効果が期待できるようです。さらに、継続的なリピートがある業界であれば、ポスティング、新聞の折り込み広告、クーポン雑誌へ の掲載などよりもかなり高い効果が期待できるかもしれません。風邪で鼻をかみたくなるこれからの季節はティッシュ配りが狙い目ですね。
ま た、こんな背景もあります。近年、さまざまなところで問題となっている個人情報保護の問題です。自社で集めていない名簿を専門業者から購入したりということは 会社の信用問題にも関わってきます。以前ならばリアルビジネスの集客術として、見込客となる消費者の自宅にダイレクトメールを郵送するのが一般的でした が、現在では本人の承諾なしに見込客リストを作ることはできません。つまり、未知の顧客に対する個人情報を収集して、そこに広告を打つことができなくなっ てしまったために、古典的な、個人を特定しない広告宣伝が見直されてきているともいえるのです。
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会計上、きちんと儲けを生み出すことができる法則を見つけてしまえば、あっという間に 大もうけする事ができるかもしれません。当たり前すぎて気にもとめなくなってしまった光景の裏に大きなチャンスが眠っていることも多いのです。