「募集家賃52万円の店舗を26万円で借りました」店舗・事務所の家賃を下げる3つの極意

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 井出 龍治(いでりゅうじ)

皆さんがお店や事務所の物件を賃貸で借りようとするとき、実は家賃は下げられるということをご存知ですか?

「嘘でしょ!?」「人気のない物件なんでしょ?」と思う方も多いと思います。

今回は、なぜ家賃が下がるのか、その仕組みをご説明いたします。

みなさん、こんにちは。ドリームゲート(以下、DG)アドバイザーの井出龍治(いでりゅうじ)と申します。簡単に自己紹介をさせてください。

https://profile.dreamgate.gr.jp/consul/pro/orie2013

DG内では不動産&多店舗化支援部会の部会長を務めております。私は不動産会社とコンサル会社を経営し、父が設計事務所を経営しています。

物件探しから店舗・事務所工事までをワンストップで行えます。

私自身、不動産会社とは別に飲食店を4店舗経営しています。

また、不動産を所有し賃貸業も営んでいます。ですので、借りる側・貸す側の立場に立って不動産管理や実務的なアドバイスができるのが強みです。

では、早速本題に入りたいと思います。

※より実務に沿った内容をみなさまに分かりやすくお伝えするため、法律とは異なった用語、見解やアドバイス、詳細の省略、業界内では使わない言い回し等があるかもしれませんがご理解いただきたく思います。

不動産営業マンの仕事と実績

まず、弊社が借主にご紹介した実績の中で大きく家賃を下げることに成功したケースをお伝えします。

【賃貸】 募集賃料 契約賃料 備考
店舗 52.5万円 26.7万円 駅徒歩1分 路面店
事務所 20万円 10万円 駅徒歩2分 事務所
店舗 38.5万円 24万円 駅徒歩2分 路面店

家賃の交渉をするためには、はじめに不動産業の仕組みを知る必要があります。

不動産業界では、「元付(もとづけ)」と「客付(きゃくづけ)」という言葉があります。

元付とは、貸主(大家)や売主側に立って入居者や買主を探す業者です。

客付とは、物件を探している方のお手伝いをする業者です。

不動産営業マンの仕事というと「物件を探して紹介してくれる人(客付)」というイメージが強いと思います。

しかし、メインとなる仕事は、貸主や売主様のコンサル業なんです。弁護士のように貸主と顧問契約を結ぶこともあります。

今回のタイトルは家賃交渉ですが、弊社も貸主や売主側についたとき(元付)「いかにして高く貸すか。高く売るか。」という方向で業務を進めます。

では、同じように客付業者も借主や買主のために一生懸命動いてくれるかというと、そうではありません。

なぜなら、お客様のために頑張れば頑張るほど業者は損をするからです。

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不動産業界の仕組みとお金の流れ

家賃の交渉を業者にお願いすると…

  • 「人気物件なので、難しいです。」
  • 「少し前に下げたばかりなので、これ以上はムリです。」
  • 「交渉したら、貸してもらえなくなりますよ。」

こんなことを言われた経験ある人も多いと思います。

お客様の物件探しをお手伝いする客付業者も、実は家賃や売買価格を下げたくないのです。

なぜなら、「仲介手数料が下がってしまうから」です。

不動産の法律で、仲介手数料の上限というのが決められています。

賃貸 家賃の1ヶ月分まで
売買 売買価格の3%まで(詳細省略)

客付業者は、入居者様から仲介手数料を、元付業者は、貸主様から手数料を受け取ります。

お客様のために、賃料や売買価格を下げると、仲介手数料も下がってしまうのです。

歩合制の営業マンも多いので、会社の売上だけでなく、自分の給与も下がってしまいます。

安く借りる為の手順と3つの極意

では、どうすればきちんと交渉ができて家賃を下げることができるのか…

特別なテクニックがあるわけではありません。

正確な情報を入手して、相手の立場に立って考えることが大切です。

その際のポイントは大きく分けて3つあります。

  1. 家主がどんな人(法人)か確認する。
  2. 不動産会社の担当者と仲良くなる。
  3. 礼金は原則交渉しない。

1.貸主がどんな人(法人)か確認する。

入居者を募集する前に、貸主と元付は「いくらで貸し出すか」という話し合いをします。

相場に合わせる場合もあれば、様々な事情で相場とは違う金額を設定することもあります。

直接貸主と交渉できればいいのですが、通常はそれはできません。

ですので、営業マンに「なぜその金額なのか」を確認することから始めます。

そこから、どのような条件であれば家賃を下げることができるか、貸主の立場に立って考えます。

【実際の例】

消費税が5%から8%に上がった時の賃貸借契約がありました。いずれ10%に上がるということも分かっていました。

弊社が仲介した物件は消費税を無し(賃料総額に含む)にしていただきました。さらに仮に消費税が10%になっても支払いは同額、実質家賃を下げるという賃貸契約書を結んでいただきました。

なぜこのような契約が可能になったか。

その大家さんの事業売上が1,000万円に満たなかったからです。

ですので、消費税を受け取っても納税する義務がなかったのです。であれば、消費税いらないですよね・・・という結果です。

※インボイス制度施行後はこの交渉は不可能です。

2.不動産会社の担当者と仲良くなる。

仲介手数料でご説明したように、不動産営業マンは自社利益や自己利益を優先する傾向があります。自社利益より自己利益を最優先にする方(会社に入るはずの手数料を個人で受け取るなど)もいらっしゃいます。

ですので、その営業マンは何を求めて仕事をしているのか…を考えてあげることが大切です。

  • 自社管理なので、少しでも早く空室を埋めたい。
  • 家賃交渉の協力をしてでも、AD付き物件(営業マンに臨時ボーナスがある物件)で決めてほしい。
  • トラブルの少ない事業者に貸したい。

などです。

これらを考慮した上で、こちらの協力者となってもらえるよう交渉を進めます。

3.礼金は原則交渉しない。

礼金は貸主に払っていると思われがちですが、その性質は違います。

仕組みとお金の流れで説明したように、貸主も不動産会社に手数料を払っています。

実はこの礼金がそっくりそのまま不動産会社にいくのです。

ですので、この礼金を下げてしまうと貸主は礼金分が持ちだしになります。これを嫌う貸主は非常に多いです。

そして、「礼金を下げるなら手数料を下げて」と元付に交渉する貸主もたまにいらっしゃるので、不動産会社もこれを嫌います。

また、「礼金2ヶ月」と記載されている場合もあると思います。

すると一般の方は真っ先に「他の物件は1ヶ月だから…」と交渉します。

しかし、これは大きな間違いです。

礼金が2ヶ月の物件には、その理由がきちんとあるのです。

  • 他の誰か(企画業者や無免許業者なども)が間に入っていて、その人の手数料になっている場合。
  • 相続の物件で所有者が2人(兄弟)いて、1ヶ月ずつ欲しいと主張している。相続でトラブルがあり、仲が悪くどちらも譲らない。ひとりが反対したら絶対にまとまらなくなる案件。

ですので、むやみに交渉をすると協力を得られなくなってしまいます。礼金が2ヶ月の場合も、その理由を確認できるまでは交渉しない方が得策です。

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今後は直接取引も可能に

一番確実なのは貸主と直接交渉することなのです。

しかし、それをよしとする不動産業者は少ないと思います。

ここからは少し宣伝になってしまうのですが、貸主と直接交渉が可能になるアプリがあります。

事業再構築補助金事業で作成され、弊社がシステム監修に携わらせていただきました。

不動産業者だけでなく、貸主や売主、入居者(撤退検討者)も自由に物件情報を掲載できるアプリです。

条件交渉は貸主と直接行い、契約の事務作業のみを不動産業者に依頼することが可能です。

  • 事務作業のみの依頼ですので、仲介手数料を割り引いてもらえる可能性があります。
  • 不動産業者としても、人件費や広告費をかけずに作業のみで手数料が入るのでメリットがあります。

今後は、このようなオープンな不動産取引が増えていく時代になると思います。

是非ご活用ください。

不動産フリマアプリ BUILMA(ビルマ)

【WEBサイト】

https://builma.com/

【アプリ iOS用】

https://apps.apple.com/ja/app/builma/id1634359761

【アプリ android用】

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.builma

ちなみに、ここまで読んでいただいた方の中には、

なぜオリエ不動産グループは仲介手数料が下がるのに、借主(買主)に協力するの?」と疑問に思った方も多いと思います。

ご興味ある方は是非お問合せください。弊社の事業をご説明させていただきます。

皆様の起業とご成功を心よりお祈り申し上げます。

【専門家 無料相談】こちらから個別の無料相談が受けられます。

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執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 井出 龍治 オリエ不動産グループ代表 / 宅地建物取引士

2014年、オリエ不動産を設立。「借主のメリットに特化した不動産業」として埼玉県から創業促進支援事業として認定される。出店業務のアウトソーシングという新たな分野で、業務委託や顧問契約を中心に活動範囲を拡大。
多くの賛同者と共に、クリーンな不動産業界を目指し活動中。

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