間もなく、東京オリンピック/パラリンピックが開催される予定です。このコラムを書いている時点(2021年6月上旬)では、ネットや主要メディアでは、開催中止や延期、無観客開催を望む声が大きくなっています。第4波の東京の感染者数に関してはピークを越えた感がありますが、いまだ予断を許さない状況が続いています。
この一年、ビジネス環境は急速に変化しました。飲食店を始めとする「対面」「接触」が発生する業種は壊滅的な打撃を受けた一方で、過去最高益を叩き出す企業も続出しています。早急に元の状態に戻ることを祈りつつも、多くの事業主や企業は、新しいパンデミックの時代を生き残るべく、事業再構築に取り組んでいるところです。
皆さまこんにちは。私はドリームゲートアドバイザーの新井一(あらいはじめ)と申します。会社員のまま起業準備を進めることができるコミュニティサロン「起業18フォーラム」、個人事業主の集客を支援する「新井塾♪」を運営しています。
今回のコラムは、「2021年後半・伸びるビジネス/廃るビジネス」というテーマで書いてみたいと思います。変異株やワクチンの有効性により、一夜にして状況が一変する可能性もあるため大変難しい予測になりますが、多くの人が気になることと思います。今、私たちにできることを考えてみましょう。
- 目次 -
2021年後半、日本はまだコロナ禍・・・事業を最適化しよう!
日本でも急速にワクチン接種が進んでいます。先行しているイギリスでは、ついに死者数ゼロの日が出てくるようになり、ワクチンの短期的な有効性については実証されたように思われます。日本も早く落ち着いて欲しいですが、今の接種ペースですともう少し時間が掛かりそうです。
その間、私たち(小規模事業者)がやらなければならないことは「固定費の削減」そして「事業の最適化/再構築」です。簡単なことではありませんが、今回のような危機は今後も繰り返し起こる可能性があり、戦略を常にアップデートし、柔軟・迅速に対応していくことが、全ての事業者に求められるようになりました。
また、これから起業する人にとっても、新時代に求められるサービスを顧客が手にしやすい形で提供すること、スピード感をもって変化できる組織体制でスタートすることが、今まで以上に重要になってきたのです。
ではここからは、既に起業している人が、2021年後半から2022年にかけて事業を成長させるために、既存のビジネスをどのような方向に最適化/再構築するべきなのか、どのようなサービスを取り入れていくべきなのか、考えてみましょう。
2021年後半に伸びるビジネス【オンライン(非接触)】
海外では様々な制限が解除/緩和される国が出てきていますが、日本ではもうしばらく「オンライン化」「リモートワーク」を推奨する流れが維持されそうです。ですが、これには注意も必要です。
2021年6月4日(金)に「コロナ禍が終わると『リモートワーク』も終わり?アップルが従業員に宣告した『コロナ後の働き方』」というYahoo!ニュースが配信されました。
記事によれば米アップルは、9月以降は、月曜・火曜・木曜は出社を求める方針とのこと。これはアメリカでの話ですが、日本も感染が終息に向かえば、社会が一気に元に戻っていく可能性があります。変異株やそれに対するワクチンの有効性など不確定要素も多く、判断が難しいところですが、今からの「オンライン化」「リモートワーク」への過剰な投資、極端な事業転換は十分に精査し、需要の無いところに行ってしまわないように気を付ける必要があるでしょう。
2021年後半に伸びるビジネス【オンデマンド】
オンデマンドとは「要求に応じて」という意味の英語です。コロナ禍では、Amazon Prime、Netflixに代表される「オンデマンド配信」が大きく利用者数を伸ばしました。予備校のオンデマンド授業、印刷会社のオンデマンド印刷など、この「好きな時に好きなだけ」「在庫要らず」という流れは、今後も続いていくでしょう。
もちろん、物を扱うビジネスでは、スピードを重視すれば、完全無在庫化やオンデマンド化が難しい場合もあります。自社のビジネスにどのように取り入れられるか、可能性を探ってみましょう。飲食店などでも、たとえば食べ放題の焼肉店のように、お客様が食べたい分だけ取って自分で調理するようになれば、人件費などの固定費の上昇を抑えることができるかもしれません。
2021年後半に伸びるビジネス【サブスクリプション】
ここで言うサブスクリプションとは「継続課金」のことです。日本のみならず世界中で、この継続課金市場は成長し続けています。音楽や動画はもちろん、スポーツジム、最近ではお花屋さんやコーヒーショップなども、このサブスクビジネスに参入しています。
新規顧客の開拓が難しい今のようなタイミングでこそ、このサブスクリプションによる安定した収入源の確保には大きなメリットがあります。自動化し低コストで運用できるばかりでなく、予測可能な事業を持つことで、様々なコストを節約できるようになります。
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2021年後半、さらに注目度が高まるビジネスは?
さて、コラム前半では既存ビジネスをどのような方向に最適化/再構築するべきかについて考えてきましたが、ここからは「新規参入するならこの分野」についてまとめてみます。
2021年後半に伸びるジャンル【グリーン環境】
環境ビジネスと言えば、もはや世界政治と直結している公共事業のような雰囲気もありますが、SDGsに代表される「環境に優しい」商品/サービスの開発は、今後のビジネスに大きな影響を与えるでしょう。東京都の「2030年脱ガソリン車100%」には、業界からも様々な意見が上がっているようですが、方向としてはもう止められないのかもしれません。
大きな新規プロジェクト、コストを掛けての商品開発は大企業に任せておけば良いと思います。私たちにできることから始める「プチSDGs」で十分です。お客様の心理にちょっと影響を与える程度の「配慮と工夫」をし、それを発信することが「あなたが選ばれる理由」に育っていくはずです。
2021年後半に伸びるジャンル【健康・スポーツ】
「歴史は繰り返す」ではありませんが、昨年の第一波から今までを振り返ると、基礎疾患、ステイホームによる運動不足/コロナ太り等々、これほど多くの人が「健康」について考えた一年はなかったように思います。自宅で運動をテーマとしたYouTube動画が続々とアップされ、低価格化の波に皆さん苦しみながらも「オンラインフィットネス」がすっかり定着してきました。
感染症対策を万全にしたオリンピックが予定通り開催されれば、新たなスターが生まれ、世間の風向きは変わってくるでしょう。特定スポーツの新たなブームが来るかもしれません。そうなれば、大きなビジネスチャンスです。
2021年後半に伸びるジャンル【集客サポート】
ビジネスは「集客」が全て。商品/サービスを求めている人と企業のマッチングです。どのような角度からでも、そのサポートができる人/企業が圧倒的に強い。こんな時代ですから、それは当然のことです。
- 集客できる商品/コンテンツ/イベントを企画できる
- SNSでバズを発生させられる
- SEO/コピーライティングができる
この一年、自社が取り組んできたことで、著しい成果が出せたこと。その再現性を検証した上で、その経験を伝えることができれば・・・その苦労はすべて宝となります。皆が知りたい情報、受けたいサービスとなるでしょう。
2021年後半・廃るビジネスの特徴は?
「古本やアプリで買った中古品に触るのが怖い」「カーシェアを利用する時ちょっと勇気が要る」このパンデミックの最中、周囲からこんな声を聞くことがありました。「仕事がオンライン化されるので地方移住だ」「ビヨンド副業だ」という動きもありましたが、まだ一般化するには至っていません。そして、その間に社会は元の姿に戻ろうとしています。
今回のパンデミックは、今後も繰り返すかもしれませんが「短期的なショック」です。多くの事業主はこの経験に学び、新しいリスクマネジメント、固定費の削減、柔軟性/機動力の確保を意識した事業展開をするようになるでしょう。私たちはさらに強くなることができるはずです。
それでも、今後廃れてしまうビジネスがあるとすれば、それは、長期的に見て「時代の流れに逆らえない」ジャンルのものでしょう。AI、5G、少子高齢化、活字離れなど、パンデミックと異なり「じわじわと」迫ってくる時代の波に、私たちは抗うことはできません。生き残るためには、やはり変わり続けなくてはならないのです。
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2021年後半は「強み」を失わない事業主/企業が勝つ!
コロナ対応、事業再構築、今、多くの事業者が取り組んでいる課題です。私たちは確かに、変わり続けなければなりません。ですが上述のように、今は「短期的な危機」です。冷静になって、今するべきことを考えましょう。他社に倣うあまり、自社の強みを失ってしまえば元も子もありません。自分/自社が変えるべきもの、変えてはいけないものは何か、しっかりと向き合いながら進んでいきましょう。
また、2021年後半だからこそ参入すべきビジネスは、ここでご紹介した以外にも無数に存在します。今の社会状況から生まれるトレンドや課題、その解決策は互いに深く関係しています。直接その分野に参入せずとも、そこに関わる人たちの抱える問題、増えすぎた/減りすぎた物、そんな歪みの解消に多くのビジネスチャンスが存在するはずです。
既に事業をしている人も、これからスタートする人も、今、自分にできることがきっとあります!
起業18フォーラムでも、リスクに備えておかなければならない会社員の皆さまに向けた「起業準備セミナー」を、随時開催しています。(新井一のセミナーはこちら)
2021年の後半戦、チャレンジしていきましょう!
執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 新井 一
(パーソナルビジネスブレインズ・コンサルティング事務所 代表)
起業18フォーラムの代表を務められている新井アドバイザー。会社員時代に起業した経験をもとにしたアドバイスは多くの支持を得ております。
2007年から独自のマーケティング理論を基にした集客メソッドを公開。全国で1,000回を超えるセミナーや10,000件以上の相談に応じるなどの実績を豊富にお持ちです。
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