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ビジネスプランコンテストの受賞を目指し、打ち合わせを重ねる
島根県の環境コンサルティング企業、株式会社ミライエの代表、島田義久さんから、
「ビジネスプランコンテストの環境部門にエントリーする。受賞を目指し、事業プランをブラッシュアップさせたいのでアドバイスしてほしい」
という相談を受けました。同社は家畜糞や汚泥、生ゴミなどを堆肥化する装置のメーカーであり、島根県畜産技術センターと共同開発した低コスト型の堆肥化装置を実用化した企業です。
打ち合わせを重ねる中で、製品・サービスが専門的であり、それを審査員に対していかにわかりやすく伝えるかが最優先事項ということが見えてきました。また、ビジネスモデルの適応範囲が非常に広く、事業の素晴らしさ、社会性がどこにあるのか、まだ焦点がぼやけています。さらに島田さん自身、効果的なプレゼンテーション・ノウハウを身につけているとはいえませんでした。
提案内容とプレゼン手法を二人三脚でブラッシュアップ
まず、「農業と環境」という、今の時代に即したテーマである点をきちんと理解してもらうため、事業の採算性よりもむしろ、いかに社会的メリットの大きな事業であるかを伝えるためのポイントを精査しました。専門的な用語や技術説明については、必要なものには注釈をつけ、図やグラフなどを多用し、視覚的に理解しやすくなるよう再構成。
プレゼンテーションに関しては、決められた制限時間に則って島田さんがプレゼンした動画を撮影してもらい、その動画を「YouTube」にアップして、話し方、間の取り方など、効果的な提案となるよう何度も練習。これを繰り返すことで、当初と比べて見違えるほど説得力あるプレゼンができるようになっていきました。
問い合わせ件数が3倍に!
そんな島田さんの努力が実を結び、見事、株式会社ミライエは環境部門の最優秀賞を受賞することができました。受賞後、メディアからの取材が増えたことで、会社としての技術力・信用力が向上し、製品への問い合わせ件数が受賞前に比べて3倍にアップ。今も、畜産農家、廃棄物処理業者、食品工場などからの引き合いが続いているそうです。
数百万~数千万円規模の案件がいくつか進捗中で、大手企業を中心とした提携話も進んでおり、現在、関東地区での営業拠点開設も計画中です。同社は昨年、第二創業のようなかたちで環境事業に特化した業務展開へと思い切った業態の転換を図ったばかり。島田さんは、「予想よりも早いタイミングで、ビジネスチャンスが急拡大した」と感謝してくれています。