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5000万円以上の資金がないと、立ち上がらない事業……
「業界の価格破壊を目指した料金体系を導入し、従来比較で最大約5割安となる、まったく新しい運輸事業を立ち上げたい!」。2008年にAさんから相談を受けた時点では、首都圏で同じようなアイデアを事業化している会社はなく、他地域でも1社のみ。本事業を開始するに当たっては、最低でも5000万円以上のスタートアップ資金が必要でしたが、Aさんの自己資金は少なく、資金調達が最大の課題です。また、許認可が必要な事業であるため、認可取得も同時に進める必要がありました。
事業計画の実現可能性が、資金調達のうえでの最大のポイントです。また、実際の許認可を得るまでは投資家の反応も鈍いだろうことが予測できました。そこで、ビジネスプランコンテストへの出場や投資ファンドへの説明に参加することで、ビジネスプランの課題点を洗い出し、少しずつ事業計画をブラッシュアップさせていく活動を勧めました。
エンジェル税制を活用した資金調達を提案!
それにより、現実味のある数値目標と、具体的なサービスの魅力の訴求方法を得ることができ、相談前に比べて、かなりの魅力が伝わる事業計画書を完成させることに成功。また、事業内容自体に社会貢献の要素が高く、幸い、Aさんの経歴をくわしくお聞きすると、多くの知人、友人を有しています。そこでエンジェル税制を活用した資金調達と、さらに綿密な事業計画の作成を通じた融資獲得を提案しました。
Aさんも、エンジェル税制を活用した資金調達については念頭になかったらしく、目からウロコだったようです。出資者への節税効果が高まった税制改正の後だったこともあり、株式を実質的に割安に入手できるメリットも相まって、合計で5000万円を超える出資を集めることに成功したのです。
約半年で、合計8500万円の資金調達に成功!
これにより、スムーズに許認可を取得できただけではなく、公的金融機関の創業支援融資から3500万円の融資を受けることもできました。結果的に、絵に描いたようなP・D・C・Aの好循環サイクルが実現し、1年間の準備期間を経て、2009年11月に同事業をスタート。順調に売り上げを増やしており、サービスの認知も高まっているようです。
「八木橋さんと出会っていなかったら、きっと事業化には至らなかったと思う。資金調達の難しさに悩んでいたが、エンジェル税制を活用した資金調達法を提案してくれたことで、そのハードルがいっきに下がった。本当に感謝している」と、Aさんから感謝の言葉をいただいています。エンジェル税制で出資者を募ることは可能です。ただし、Aさんの事業のように、本当に魅力があればの話ですが。