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比較的順調な滑り出しだったが、運転資金に不安あり……
2008年に海産物加工会社を起業したAさんから、「助成金は種類が多すぎるし、担当窓口も分かれているので、どこに相談に行けばいいのか分からない。そもそも当社が受給できる助成金があるのか教えてほしい」という相談を受けました。Aさんは新規でこの会社を立ち上げて、順調に仕事も入っていましたが、運転資金に少し不安があったようです。
Aさん自身も、助成金についてネットで調べたり、奥様がハローワークにヒアリングに行かれたりしたようですが、担当者から説明を受けても内容がなかなか理解できず、助成金受給の難易度は高いと諦めてしまっていたということでした。そこでまず、Aさんから事業内容や今後の方向性などをお聞きしてみたのです。
2種類の助成金の受給申請をアドバイス
新規設立会社の助成金と、従業員の雇い入れに伴う助成金の受給資格があるようです。どちらをメインとするかさまざまな角度から検討した結果、新規設立の助成金をメインとしたほうが、より多くの助成金が受給できそうです。そこで、「地域再生中小企業創業助成金」の申請をアドバイス。この助成金は、新規設立に伴う経費の3分の1が助成され、また、従業員の雇い入れ1人毎に30万円が助成されるというものです。そして、雇用した9人のうちの1人が「特定求職者雇用開発助成金」に該当していました。
その場合、1人当たり90万円が助成されるのです。ちなみに、「地域再生中小企業創業助成金」を得るためには、登記から6カ月以内にハローワークで手続きを始めなければなりません。さらに、受給申請をスムーズに行うためには、領収書だけでなく、レシートや見積書、納品書や契約書等をしっかり保管しておくことなどなど、助成金を受給するために注意すべきポイントを具体的にアドバイス。無事に2つの助成金を受給することができました。
返済不要・使い道自由の助成金、約700万円の受給に成功!
「特定求職者雇用開発助成金」を受給するためには、ハローワークをとおして雇い入れを行う必要があるため、求人はハローワークでとアドバイス。結果、「地域再生中小企業創業助成金」で約600万円。「特定求職者雇用開発助成金」で90万円。合計で約700万円の助成金を受給することができました。現在も、さまざまな助成金獲得を提案させていただいており、来年は定年引き上げ助成金や、育児休業に伴う助成金の申請を予定しています。
助成金は、「返済不要」「使い道自由」の資金ですので、「経営上、非常に有益だった」とAさん。不況の風がなかなかやまない現在も、順調に売り上げを伸ばしています。Aさんからは、「諦めていた助成金でしたが、予想をはるかに超える金額を手にすることができて非常に助かった! 助成金を獲得するためのポイントや注意するべき点をアドバイスしてもらったおかげで無事に受給できた。助成金は知らなければもらえないし、小さな手続きを誤るともらえなくなる可能性がある。これからもアドバイスをよろしく頼む」と言っていただいています。