経営ビジョンとは「その会社の目指すべき姿」を言います。どんな会社になりたいのか?どんな価値を世の中に提供したいのか?どう在りたいのかの答えがそこにあります。みんなも知っているように、本田宗一郎は5人の町工場の時代から「世界のホンダになろう」とそのビジョンを掲げていました。その時、このビジョンを本気で考えていたのは彼一人だったと思います。他の4人は本田のことを大風呂敷のほら吹きだと思っていたに違いないです。(笑)しかし、この志は強い意志で支えられていました。そして、このビジョンは実現に向かいます。そして、30年後にホンダは世界のホンダとなりました。
旅行に喩えると、最初に決めるのは「目的地」です。この目的地こそがビジョンです。行き先が決まらなければ、仲間だって集まらないし、行く方法も、用意するものも決まらないです。ある若者がチベットへの旅行を計画しました。目的地(ビジョン)は決まりました。彼はこの旅行のテーマを「貧乏旅行」と決めました。なるべくお金を使わずに目的地に行くことが、実はその国の文化をよりよく理解することになると思ったのです。この「なるべくお金を使わずに」がビジネスでいう経営理念です。ビジョンに到達する為に、その組織が大切にしなければならない「考え方」とか「行動規範」を経営理念といいます。そして、この理念から具体的な方針を作りました。
1.歩けるところは歩く。
2.歩けない時は一番安い公共交通機関を使う。
3.食事は1食、200円以内とする。
4.宿泊は一泊1000円以内とする。
理念を具体的に日々の行動基準にしたものが方針です。方針は意思決定の物差しです。