僕は仕事柄いろんなビジネスプランコンテストの審査員をしてきました。ビジネスプランコンテストには評価の基準があります。1.新規性 2.成長性 3.市場性 4.実現可能性です。この他にプレゼンテーション力、着眼点、創業に至る経緯、ビジョンの高さなどを評価項目に入れているコンテストもあります。そして、コンテストの趣旨によって評価の比重が違っています。特に学生向けのコンテストは、若い人たちが対象ですから新規性・独創性が高く加点されます。これらの評価基準の1.2.3.は4.の実現可能性とトレードオフの関係にあります。たとえば、新規性・独創性とは新しいビジネスアイデアということです。しかし、新規性が高ければ高いほど、誰もしたことがない、前例のないビジネスということですから、実現可能性は低くなります。成長性もそうです。3年で1億の売上げをするのと10年で1億のプランでは一般的に難易度は前者の方が高いですよね。つまり、実現可能性は低いと言うことです。市場性とはマーケットの大きさですから、どこまで大きくなれるかを計る基準です。ここでも、大きければ大きいほど、実現可能性は低くなります。つまり、1.新規性 2.成長性 3.市場性が高くて、尚且つ4. 実現可能性もあるものがプランコンテストでは勝つということになります。実現する夢がいい訳です。この相反する条件を整えるのがプランの中身です。誰が、どんな組織で、どんな戦略で、どんな技術で、どんなマーケティングで、それを実現するのか、プランとはそこを競うわけです。その精度が高ければ単なる「おもしろいプランやな~」から「うん、やれるかの知れないな」と審査員は思うのです。ここがポイントです。でも、ここで皆さんに忠告します。ビジネスプランコンテストで優勝したからといって、ビジネスが成功するとは限りません。ビジネスプランコンテストとは言葉のとおり、プランをコンテストするんですから、プラン(計画)はいいという評価で、それ以上でもそれ以下でもありません。
起業の心得:ゲンイチ第44回 ビジネスプランコンテスト
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