起業の心得:ゲンイチ第62回 交渉

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

義父が亡くなりました。義父は大正8年、85歳でした。心不全でしたが、いつものように昼食の後、自分のロッキングチェアーで、うとうとテレビを見ていて、そのまま眠るように亡くなりました。義兄は姉の亭主で、ここは二人揃って大学の先生。彼らは自分たちで自分たちを「世間知らず」と言っています(笑)。そこで、僕がお手伝いをすることになりました。お父様は僕の都合も考えておられたのか、僕の休みの前日に亡くなられました。翌日のお休みは葬儀の段取りの日になってしまいました。(実は今年初めてのお休みでした)

僕のお袋は25の時に、オヤジは30で亡くなっていますので、葬儀は20年ぶりのプロデュースっていうかディレクションです。
知らせがあったその日の夜に、インターネットにアクセス。段取りやら優先順位やら、葬儀の相場など調べて、必要なデータを持って大阪から東京に直行しました。葬儀屋さんと30以上の項目を決めないといけません。
骨壷から霊柩車の車種、祭壇からお弁当のメニューまで…。いろいろ勉強になりました。関西と関東で違うことがいろいろありました。関西で「普通」とか「当たり前」のことが関東では違います。文化の違いって言えばそのとおりですが、葬儀も進化しています。その進化の過程が違うのです。また、葬儀屋さんとの交渉ではいろいろ考えさせられました。

セレモニーとかイベントは、コンセプト(趣旨)とプレゼンテーション(表現)に分かれます。何を伝えたいのか?テーマとか目的がコンセプトですよね。今日、東京でやっている大挑戦者祭は「起業のムーブメント」がコンセプトです。お葬式も同じで、まず、神式か仏式か、キリスト教か故人はどんなお葬式を望んでいたかが、コンセプトになります。これが決まれば次はプレゼンテーションです。どのように表現するかです。この表現は人数に規定されます。お客様が10人なのか?100人なのか?1,000人なのか?で表現方法も準備も何もかもが違ってきます。大挑戦者祭は 3,000人のお客様を前提に組み立てられています。お葬式も同じ、会葬者の数でほとんどが決まってしまいます。会場の広さ、祭壇の大きさ、受付の人数タイム・スケジュールなどなど、この会葬者の予測を間違わなかったら、大丈夫です。後はなんとかなります。

そして、葬儀屋さんとの交渉です。これが難しい。ほとんど交渉できないですよね。松竹梅のどれを選ぶかの権利はありますが、それ以外は選択の余地がありません。何故、そんな弱い立場で交渉することになるのか?考えてみました。答えは二つ。こっちがビギナーで、尚且つ、時間がない。喪主のプロとか葬儀委員長のプロっていませんよね。「僕は喪主を3回やった」って人に会いましたが、人生で3回です(笑)。葬儀屋さんは1日3回します(笑)。そして、時間がないから、発注側の最後の切り札「他にも葬儀屋さんはありますし…」これが言えない(泣)。他にもあるんですが、今から変更している時間はない。これが僕の交渉力を弱めます(笑)。つまり相見積もりがなく、特命なんですよね。
お客様が「あそこがよかったからまた使おう」ってお葬式はリピーターになりにくい業界ですが、多くの葬儀屋さんがきちっとしたサービスを提供されます。それも、365日24時間です。特命だからと手を抜かない葬儀屋さんが勝ち残るようです。地域密着ビジネスですから、良い噂は100万馬力。悪い噂は致命傷です。
反対に考えると、僕達もこのような強いビジネスモデルを作らないとね。

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