久々に本の話です。
2 月の大挑戦者祭の基調講演をお願いしたグッドウィル・グループ会長、折口雅博さんが「プロ経営者の条件」(徳間書店)という本をお書きになりました。一応、僕も作家の端くれですから、出版社さんからいろんな新刊が送られてきます。「おっ、折口さんの本やん。読もう」って出張に持って出ました。本を見たとたんに、大挑戦者祭での基調講演がよみがえってきました。本当にいいお話でした。そして、飛行機の中で読んじゃいました。
本は子供の頃のお話からはじまっています。裕福な家庭に生まれた折口さんですが、小学生の時にお父様が倒産されて、貧しい生活を経験されたようです。学費が安いのと全寮制ということで自衛隊関係の横須賀市陸上自衛隊少年工科学校に入学されます。ここから防衛大学に進学され、高校3年間、大学4年間、合計7年間の寮生活を送られました。折口さんはこの学生時代に理不尽を受け入れる強さを身につけたと書いておられます。
そうですよね。世の中、当たり前には動かないのです。理不尽だったり、矛盾があったり。ある時はこの理不尽や矛盾と同居する強さが必要です。今はどうにもならないって時があるのです。僕はこのチカラが大切だと思っています。高い理想の為なら、今を許容することも必要です。そして、折口さんは、だからこそ合理的にものを考えるようになったとも書いておられます。
僕が一番気に入ったのは「経営というものは下りエスカレーターに乗って、駆け上がっていくようなものだ」というくだりです。今を満足したときに売り上げは、利益は落ちていくというお話でした。だから、グッドウィル・グループは社是である「弛まぬベンチャースピリット」を合言葉に挑戦し続けるのだと。まったく、同感です。僕も経営に現状維持はないと思っています。
現状維持のように見えても、それは下り坂の途中か上り坂の途中のどちらかです。そして、現状維持なんてことを言っている経営者に限って、自分が下り坂なのを自覚していません。立ち止まらないこと、常に顔を上げて前に進むことです。