以前にも書いたことがあるかと思いますが、リーダーシップについて徒然に……。
吉田は今、アントレプレナーとリーダーシップの関係について考えています。シップといえば身近な言葉に「フレンドシップ」があります。フレンドシップは情況を表す言葉ですが、バブソン大学のティモンズ教授はアントレプレナーシップを精神ではなくプロセスだと言っています。そして、リーダーシップですが、これも精神でもあるのですが、どちらかというとスキルだと考えるべきでしょう。チャンドラーは「組織は戦略に従う」と言いましたが、リーダーが組織を規定することはないです。
組織には目的・目標があって、その達成の為にリーダーが必要なのです。その達成の為に求められるスキルを持っている人がリーダーとなるのですから、あくまでリーダーは組織目標を達成する為のツールだということになります。
部下が一人でもいればリーダーです。会社員の世界では辞令でリーダーになりますから、うまくできなければ、降ろされて当たり前ですし、先ほどの組織目標達成の為のツールだといっても違和感はないですよね。そして、会社員のリーダーの場合は、その組織構成員(メンバー)を選ぶことができません。メンバーもリーダーを選べないですが、リーダーもメンバーを選べません。もし、あなたが課長に昇格して新しい課に配属されると、そこには課員があなたを待っています。
この辺がアントレプレナーのリーダーシップを考える上でのポイントのような気がします。
子どもの頃、学校から帰ってランドセルを家の勝手口から放り込んで、一目散で遊びに行ったことを思い出します。悪ガキが集まって、「今日は何して遊ぶ?」ってことになります。「今日は自転車で河原まで行こう」とか「今日は探偵ごっこやろう」とか。いつも言い出しっぺがいます。これがガキ大将といわれるリーダーです。他の意見も出ますが、ほとんどの場合はガキ大将の意見に皆が賛同します。遊びが決まったら、役割やルールをガキ大将が決めます。「お前は缶を探してこい」「オニはじゃんけんで決めよう」。多くの場合、役割もルールもガキ大将に有利になっています(笑)。ガキ大将はちょっとずるいです(笑)。
そして、ガキ大将の最大のチカラは仲間を選ぶことができるということです。でも、仲間も実はガキ大将を選んでいます。ガキ大将が自分の都合のいいことばっかり言っていると、ある時、突然、みんなの支持を失ったりします。
アントレプレナーのリーダーシップはこれに似ています。リーダーは言い出しっぺです。そして、言い出したプランは魅力的で面白そうです。だから、そこにメンバーが集まります。そして、リーダーはそのメンバーと一緒に遊びの為のリソースを集めます。ここからすべてが始まります。彼が提案するからおもしろいし、彼がリーダーだから、そのプランは魅力的にみえます。メンバーはリーダーとそのプランに賛同します。組織目標達成の為のリーダーではなく、リーダーの為の組織目標でもない。二つはシンクロしているのです。