前回のGENイチでも少し触れましたが、社会性について徒然に……。
最近、社会性の高いビジネスやビジネスプランに、ある変化が表れています。その変化とは、彼らが目指す事業規模が大きくなっているのです。今までにも、ソーシャルアントレプレナーやコミュニティビジネスなどの言葉が代表する、社会性の高いビジネスはありました。しかし、どちらかというとそれらのビジネスは、ボランティアとの狭間にあって大きなビジネスにはなりにくかったように思います。……っていうか、もともと、大きなビジネスにはならないと当事者が思っていました。ところが、最近はそうではないのです。
以前、ここでも紹介しましたグリーンファンドの鈴木さんやいろどりの横石さん、あと、僕の周りでは環境やら福祉、介護、地域活性などで成長意欲、拡大意欲の高い起業家が目立ってきました。
なぜ、今、そうなってきたのか?考えてみました。
まず、背景として、行政サービスの民間開放の動きがあります。社会性の高い事業は、今まで政府がやってきました。しかし、政府もお金がないので民間活力、市場原理を活かそうとしています。この民活は地方の時代という流れにも合致して、どんどん加速しています。
先ほど紹介したソーシャルアントレプレナーもみな地方の話です。東京にはいろんなビジネスチャンス(起業機会)があるので、あえて社会問題的テーマを事業にする必要がないのでしょう。
次に若い起業家が増えたということだと思うのです。彼らはそのテーマに若くして気付いて、自分のものにします。彼らは若いので成長意欲が高く、行動力があります。より大きな事業にして、より多くの人に貢献したいと思うでしょう。そして、それを成し遂げる時間があります。
最後に、利益に対する意識の変化があると思います。弱者から儲けることは搾取だというイメージや、社会貢献と企業利益が相反するものだという意識です。しかし、より多くの人によいサービスや商品を提供する「拡大の循環」は、ビジネスでしかなし得ません。極論ですが、ビジネスにする方が容易だと思います。そして、ビジネスにするには適正な利益と成長が欠かせません。
ある若い起業家が「この事業を世界一にして、世の中を変えたい。それが僕の使命です」ときっぱり言いました。今まで市民が社会を変えるには、政治家になるか、市民運動を起こすか、役人になるかでしたが、今は社長になって世の中を変えることができるのです。