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独自の専用ツールを開発し、
“アノテーション”の作業負荷を軽減。
事業や製品・サービスの紹介
近年、AI(人工知能)の活用が急速に広がっている。そうしたなか、いわゆる“教師データ(機械学習の“教師あり学習”において、AIが学習するデータ)”の作成と運用をサポートするHITL(Human In The Loop)型のAIプラットフォーム「Annotation One」を開発したのがグローバルウォーカーズ株式会社だ。
AIの性能を高めるには、高品質かつ大量の教師データの作成と情報付加(=アノテーション)が必要不可欠。しかし、教師データを集めるには膨大な時間とコストがかかることが大きなネックとなっている。そこで、同社はAI開発経験を活かし独自の専用ツールを開発することで作業負荷を軽減。クラウドソーシングではない専門チームによる高品質な教師データの作成、運用を実現している。
同社はもともと機械学習と画像処理をコアとした技術ベンチャーだ。そこで蓄積してきたノウハウをもとに、「Annotation One」 では矩形付与(文字認識)、領域分割、骨格認識、キーポイント付与、音声書き起こし、自然言語など、幅広い領域の教師データに対応している。
また、同社は車載ステレオカメラシステムの開発経験を活かした、3次元計測による車両検出や歩行者検出のAIノウハウも保有。IoT領域におけるカメラを活用したサービス開発においても大きなアドバンテージを有している。
このように、さまざまなAI領域の専門家を社内リソースとして抱え、AIシステムの開発から教師データの作成、運用までワンストップで提供できることが同社の最大の特徴だ。
運転支援システムの開発ノウハウを保有。
高い専門性で競合他社との差別化を図る!
対象市場と優位性
「Annotation One」は、2018年10月にローンチしたばかりにも関わらず、大手企業各社からの問い合わせが継続している状態だ。すでに、自動車メーカー、光学機器メーカー、システム開発会社、スポーツ関連など、幅広い分野において多数の導入実績を誇っている。
グローバルウォーカーズの基盤を支えるのが、画像処理・機械学習の高度な専門知識を有するエキスパートメンバーだ。同社CEOの森川和正氏は大阪大学発の画像処理ベンチャーである株式会社Qoncept(コンセプト)を創業し、代表取締役社長として8年程の経験を保有。また同社CTOの樋口未来氏は、元日立研究所員でSUBARUの運転支援システム「アイサイト」の開発に携わっていた人物だ。
「Annotation One」の強みは、その専門性を活かした品質の高さだ。同社は、国内、オフショア双方でアノテーションに精通した専門チームを構築し、自社開発のツールによって、機械学習のコスト・時間両面の課題を解決。高品質なデータを低コストかつ迅速に提供できる。
また、セキュリティ面にも注力。有人監視や監視カメラなどの物理環境の強化とデータの暗号化により、クラウドソーシングでは実現できない高度な情報管理を徹底。法人向けに安心して導入できるサービスであることから、機会学習の活用がより一層広がっていくだろう。
AIの専門知識と語学力を駆使し、
世界に通用するサービスを目指す!
事業にかける思い
同社代表の森川和正氏は、2006年に投資家向け情報メディア「みんなの株式」を提供する現・株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドを創業し、取締役COOに就任。2008年から2016年まで株式会社Qonept(コンセプト)の代表を務めていた。そんな多彩な経験をもとに「AIを実用化していく」というビジョンを掲げ、2016年に起業した。
「子育て同様、AIにも“教育としつけ”が大切。AIの完成度が高くとも、学習させる教師データの質が低いとシステムの性能は機能しません。そこで、私たちは『Annotation One』によって、教師データでAIに“学習”させ、再学習という“しつけ”を行うことで、企業の目的に応じたAIシステムの構築をサポートしています」
現在、HITL関連の新サービスも企画中だという。また、同社には森川氏をはじめ、英語、中国語が堪能なスタッフが在籍。3カ国語を操るトリリンガルも在籍しており、多言語対応ができる点も大きな強みだ。
「まずはパートナー企業を増やし、日本国内でサービスを拡大することが目標です。将来的には、米国、中国、ヨーロッパからもオファーをいただけるようなプラットフォームへと成長させたいと考えています」
自社R&Dを軸に独自のテクノロジーを創出してきたグローバルウォーカーズ。AI開発のフロントランナーになるべく、森川氏は世界を目指す。
グローバルウォーカーズ株式会社 | |
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代表者:森川 和正 氏 | 設立:2016年6月 |
URL:https://www.globalwalkers.co.jp/ | スタッフ数:14名 |
事業内容: AI・画像処理技術サービスの提供、AI向けアウトソーシングプラットフォーム「Annotation One」の提供 |
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これまでの資金調達額(出資額)と主な投資会社名: 特になし |
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ILS2018 大手企業との商談数: 15社 |
当記事の内容は 2019/2/11時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。