Natural Heart オーナー 山瀬智江子さん
兵庫県生まれ。
会社員時代にリフレクソロジーやアロマセラピーに魅せられ、
スクールに通うように。
2004年末ころ独立を決意し、2005年7月退職。
翌月、自宅にてNatural Heartをオープン。
サロン経営の傍らスクールに通い、更なるスキルアップに努めている。
下町の住宅街にあるごく普通のマンション。
表には看板もなく、そこにアロマセラピー・リラクゼーションルームがあるとは誰も気付かないだろう。
「自宅マンション更新の時期まではこの場所でやれる範囲でやろうと。
移転してリニューアルオープンするまでは、友人や知人に来店してもらいながら
経験を積む準備期間だと思っています」
そう語る山瀬智江子さんがこの業界に興味を持ったのは
5年ほど前のことだった。
当時は派遣社員で時間的な余裕があり、
軽い気持ちでリフレクソロジーのスクールに通い始める。
費用は30万円と安くなかったが、
5カ月後には資格を取得することができた。
その後アロマコーディネーターの資格も取得し、
「これを仕事にしたい」と思い始めるが、
本格的に独立を決意したのはそれから数年後の
2004年末のことだった。
「転職先が忙しい職場で、仕事が一段落したときに『やっぱりやりたいことをやろう』と思いました」
その後上司との相談の上、2005年7月の退職が決まる。
開業資金はコツコツ貯金した100万円だ。
無理のない形で始めようと決めていた山瀬さんは敢えてサロン用の物件を取得せず、 自宅であるマンションの一室をサロンとして使うことにした。
そして退職までの間、山瀬さんはより一層のスキルアップを図るため、
仕事の合間にネイルのスクールに通い始める。
「アロマトリートメントで全身リラックスした後に
ネイルもきれいにできるサロンがあるといいなと思っていましたが、
なかなか理想的なサロンに出合えず、自分でサロンをやるなら
それを目指そうと思ったんです」
オープンに向けて、山瀬さんは少しずつ準備を始める。
新たに購入したのはマッサージ用ベッドだ。
当初12万円のベッドを狙っていたが、予算の都合上、
機能的に問題の無い範囲でランクを下げ、5万円のベッドを購入した。
リフレクソロジー用のソファは数年前に購入したものを、
アロマオイルは趣味として 買い集めたものを利用することで
出費を抑えた。
また、タオルなどの雑貨や棚は値段が高過ぎず、
雰囲気に合うものを選んでいる。
「あまりに安過ぎるとお客様の満足度を下げるので、妥協できる範囲で妥協しています」
自宅兼サロンだけに、室内には山瀬さんの日用品も
置かれているが、リラックスできる空間作りを目指して、
生活感が出ないように棚類は布で目隠しするなど、
細部まで気を配っている。
「設備は路面店の方が整っているでしょうが、
利益重視で高いメニューを勧めたり、
施術やその前後が慌しかったりと、
私はあまり良い印象を受けませんでした。
お客様はリラックスするためにいらっしゃるのですから
のんびり過ごして欲しいし、私もゆっくり接したい。
だから、金銭的に無理をしたくないんです」
開業直前、山瀬さんは300枚ほど自宅周辺でポスティングを行っている。
「枚数が少なかったせいか、効果は全然ありませんでした（笑）。
でも新規顧客開拓は移転後にしようと思い直しました」
超低コストで開業したものの、スキルアップには多額の投資をするのが山瀬さん流。
開業後もサロンを経営する傍ら、トリートメントの上級クラスに通っている。
「自分のスキルが上がれば、お客様の満足度を高められ、売上げにも繋がります。
技術に終わりはありませんから、これからも自己投資を惜しまず、スキルアップを図っていきたい」
「アロマはほんの一滴ティッシュにたらして香りを楽しむだけで
リフレッシュできるし、バスソルトやエアフレッシュナーを
自作することもできます。
スクールを開いて、多くの方にその楽しさを知っていただけたら
と思っています。
また、経営的にもメリットがあるんです。
トリートメントは1時間あたり6,000円程度が上限ですが、
スクールなら1人3,000円でも3人集まれば9,000円になります。
また、スクールから施術へ、施術からスクールへという広がりも
期待できます」
大好きなアロマの話を生き生きと語る山瀬さんに将来の夢を聞いてみた。
「大自然に囲まれたログハウスで、遠くてもわざわざ足を
運んでいただけるようなサロンを開けたらいいなと思っています。
都会の喧騒から離れた場所で、心身ともにリラックスできたら
素敵ですよね。
そのためにも今はスキルアップに励みたい。
スポーツアロマとか、アロマの国際資格とか、
学びたいことはたくさんあるので、
これからも無理のない形で節約しながら頑張ろうと思っています」
