ヌフ・カフェなど若者の支持を集める有名カフェを次々にOPEN / (有)イーストミーツウエスト

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

neuf CAFE Nid CAFE eau CAFE など都内で複数のカフェを経営

(有)イーストミーツウエスト代表取締役
武田康伸さん

(有)イーストミーツウエスト代表取締役 武田康伸さん

●プロフィール
大阪府出身。グラフィックデザイン事務所に就職し2年後に独立。同時に、地域活性化のための期間限定プロジェクトに参加。屋台村プロデューサーの補佐とし て、十数件の店舗づくりに携わる。26歳の時、毎日新聞社主宰の毎日ビジネスサロン大阪事務局で、ビジネスコーディネーターになり、翌年、東京事務局に出 向し上京。30歳の時に、自身初の店となる「ヌフ・カフェ」をオープン。以後半年に1軒のペースで次々と店をオープン。

●プライベートでよく行くお店
前までは、代官山にあるシンポジオンや、サルバトーレ、タブローズ等や、友人のプライベートバー等に行ってましたが、最近はこれといってありません。強いて言えば、立飲みやに行くくらいでしょうか。というよりここのところ、他の店で遊んでいません。

●これから店舗を開業する人たちへのメッセージ
時間、体力、知恵、お金。自分が持っている最大限のパワーを使って店づくりをし、哲学をもって続けて欲しい。でもそれを苦しんでしまうのはダメ。常に好奇心と探究心を持って、どんな状況下でも店づくりを等身大で楽しめること。その適当が大切だと思います。

カフェは、ライフスタイルを提案する場であり、かかわるすべてのアイテムが商品となりえる場だから経営してみたいと思ったのです

1999年。恵比寿に「ヌフ・カフェ」がオープンした。
“家にいるようにくつろげる”といった独特の雰囲気が若者の間で話題となり、口コミで評判が広がる。
裏とおりの雑居ビル9階という立地の悪さをものともせず、「ヌフ・カフェ」は繁盛店となった。
オーナーは武田康伸さん。
2000年には表参道に2号店 「ニド・カフェ」を、 その同年には代官山に3号店「オウ・カフェ」を開業。
以降も出店を続け、現在、都心部を中心に複数の店舗を経営する。
等身大でカフェ経営を楽しむ武田さんの元 には、多くのファンが集まっている。
 

期間限定のカフェ経営を体験。カフェビジネスの奥深さに気づく

『いつか自分で生きるために必要な商材を扱うビジネスを手がけたい。』

「物心ついた頃から、そんな目標を持っていました。
ある時、ビジネスプロデューサーと して勤務していた頃、
期間限定の物件を有効利用するプロジェクトに参加。
原宿でカフェをプロデュースするという経験を得ました。」

裏路地のビル2階という立地にも関わらず店は大繁盛。
これが大きな自信となり、武田さんがカフェ経営を始めるきっかけになる。

カフェは、単なるコーヒーを提供する場ではなく、その街に関わる人たちの交流の場であり、
スタッフを媒介して形成されるコミュニティ。
楽しい時間を 育む構成要素が、ライフスタイルを提案するアイテムであり、
それにかかわるすべてが商品となりえる場。

そう気付いたことが、カフェ経営を始めた一番の理由だと武田さんは語る。

「イメージは『リビングルーム』。
外にある店なのに、自宅のリビングにいるかのようにくつろげる場所。
店にいるすべての人が、感じたままを言葉にし、お互いに刺激を受けたり触発されたり……。
そんなコミュニケーションがきっかけで、複数の重なり合うコミュニティからそれぞれの文化が育まれていく……。
この国を 形成していく素地になる場所は自分自身が望んでいる場所でもありました。
だからこそ、ライフスタイルを共有でき提案することができるカフェを自分でつくり たいと思えたのです。」
 

開業資金は約360万円。すべてを自分1人でできる範囲でスタート

まずは、物件探し。
自己資金は360万円。

その範囲で開業するにはどうしたらいいか?
武田さんは知恵と体力、時間を駆使して考え動いた。

出店先は、原宿・代官 山・恵比寿など、買い物で利用する人が集まる人気エリアと限定し、不動産会社を歩き回る。担当者には、予算や立地条件よりも、店のコンセプトをしっかり説明。

自分がどんな店を出したいか、その思いを共有してもらうことがもっとも大切だと思ったからだ。

予算もエリアも妥協せず、下見物件は100件以上。
物件探しは難航したが、不思議と焦りは感じなかったと言う。

「必ず見つかると、どこかで信じていたんでしょうね。」

最終的に、恵比寿駅徒歩5分、雑居ビルの9階に決定。

「業界の常識では考えられない場所だったのでしょう、
周囲からは成功するはずがないと言われていました。
でも僕は、商品力があれば1階 にこだわる必要はない。
9階でもお客さまに来てもらえる。
そこは自信がありました。」

予算がないから、壁の塗装から床張りまで、内装工事はすべて自分たちの手で行う。

インテリアも、スタッフと一緒に数十軒のリサイクルショップを見て歩き、自ら購入。
味わいのあるヨーロッパテイストの家具類は、必要に応じて修理やリフォームを施しました。
こういった手作り感が、店全体の柔らかい雰囲気 の演出にも一役買っていると思います。

出費も予算オーバーすることもなく、無事に店はオープン。
自分1人でもできる範囲からスタートすること、何があっても「どうにかする」という強い覚悟が大切だと、武田さんは話す。
 

熱心なスタッフの存在が、新店舗を生み出す原動力

「実は1店舗目をオープンした当初から、多店舗展開のイメージが頭にありました。
店は生き物。いつも少しずつ変化をし続けながらも、ずっと長くそこに在り続 けることが大切。

店は、いずれ必ず、リニューアルを迫られる時期がやって来ます。
その時、スムーズに設備投資をするためには1店舗だけの売り上げでは厳しいと考えたのです。

経営者として、働いてくれているスタッフたちの雇用確保も重要な問題。
さまざまな面を考慮すると、最低でも3店舗は必要だと考えました。

逆を言えば、3店舗以降は特に考えていなかったんですよ(笑)。
でも店舗が増えるにつれ、今までにないスキルや経験・志向を持った新しいスタッフたちが集まってきました。
経営者としては、彼・彼女たちが、もっと自然体で活躍できるフィールドをつくりたくなる。

そんな思いが、4店舗目、5店舗目とつながって いったのです。
経営者は私ですが、各々の店舗を創り上げるのは、そこで働くスタッフたち。
同じ「リビングルーム」であっても、店舗によってメニューや雰囲 気が異なってくる。
そこが、カフェのおもしろい点でもあります。
今後は東京だけでなく、フランスなど海外出店も検討したいと思っています。」

 

2階建ての一軒家を改装してつくったRIZ CAFE(原宿) eau cafe(オ―カフェ)は都会のリゾートがコンセプト(代官山)
2階建ての一軒家を改装してつくったRIZ CAFE(原宿) eau cafe(オ―カフェ)は都会のリゾートがコンセプト(代官山)
5月にオープンし、パンのテイクアウトもできるHuit(ヒューイット)は、パンのセントラルキッチン機能も持つ(中目黒) 限られたスペースに、渋谷の街を見下ろすテラス席もあるdeux(ドゥーエ)(渋谷)
5月にオープンし、パンのテイクアウトもできるHuit(ヒューイット) は、パンのセントラルキッチン機能も持つ(中目黒) 限られたスペースに、渋谷の街を見下ろすテラス席もあるdeux(ドゥーエ)(渋谷)

「店舗スタッフが飽きない店づくり」、がより居心地のいい店、お客さまが飽きない店につながる

Q:ここは他のカフェと違う、と思われるところは?

A: 一言で言えば、“この店は何を提供しているのか”が明確なこと。
よく巷では「お客さまのウォンツを考えろ」と言われますし、実際にそれはとても大切なこと。
しかしそれだけでは、他のカフェとの差別化にはならないと思います。
自分たちが好きなインテリア、雑誌、音楽などを店に集めて、「どうですか」とお客 さまに提供していく。
スタッフの好きなものが店の個性となり、それを気に入ってくれるお客さまが増えて行く……。
僕は経営者なので基本コンセプトは一環し ていますが、店のカラーは、スタッフがつくればいいと思っています。

Q:店舗経営で大事にしていることは?

A: スタッフが楽しく仕事ができる、職場の環境づくりに徹することです。
スタッフが、自分が働く職場が好きで、店を誇りに思えなければ、お客さまを楽しませてはあげられないし、
本当に喜ばれるサービスなんてできません。
このことをスタッフが理解できていたら、今、自分がどう動けばいいかが自然にわかると思うのです。
恵比寿、代官山など、人気エリアへの出店にこだわるのも、スタッフがここで働きたいと思える場所を最優先にしているからです。

Q:店舗運営に関して、特に心がけている点は?

A: 「もっと居心地のいい店にするにはどうしたらいいか」。
それをスタッフ全員が日々考えて、実践していることです。
「これで完璧」という完成形はありません。店は常に変化し続けることに意味があると思っています。
何も変わらない店は、お客さまに飽きられてしまうし、店のスタッフ自身も飽きてくる(苦笑)。
そういう気持ちや態度は、無意識のうちに出てしまい、店の雰囲気に大きく影響します。
飾ってある絵画、店に流れるBGMの種類や音量、店内のレイアウト。 大掛かりなことではなく、
小さな細かい点を毎日いろいろ変えてみる。
その中で、しっくりくるもの、お客さまがより快適に過ごせるようなものを見つけてい く。
その作業を繰り返すことで、完成形に一歩一歩近づいていければと思っています。

1号店の開業データ
開業資金/360万円
物件取得費/100万円
内装工事費/260万円
 

 

 

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