手紙やコミュニケーション関係の雑貨を販売 / コミュニケーションマニア

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

COMMUNICATION MANIA(コミュニケーションマニア)代表 畠山京子さん

COMMUNICATION MANIA 代表(コミュニケーションマニア)畠山京子さん

1968年生まれ。大学卒業後、ファッションビルを経営する会社に就職。
直営店の店長として、アクセサリーショップ、雑貨ショップの運営に携わる。
入社3年目には、独立して自分の雑貨ショップを持つことを決意。
会社に勤務しながら物件探しを始め、2000年2月、恵比寿に雑貨ショップをオープンさせる。
2004年4月、中目黒に2号店を、2005年4月に横浜の赤レンガ倉庫に3号店を出店。

●プライベートでよく行くお店
恵比寿や中目黒、自由が丘や下北沢の雑貨ショップ巡りをよくしています。

●これから店舗を開業する人たちへのメッセージ
机上の空論で出来るほど甘い商売ではありません。
アルバイトでいいから、とにかくどこかの雑貨ショップでショップ運営の経験を積んでから始めることをおすすめします。
好きかどうか、本当にやりたいかどうか、自分にできるかどうか、
実践を経験しないと、見極めることはできないと思います。

 

「コミュニケーションマニア」は都内と横浜に店舗を構えている。
オーナー・畠山京子さんは、最初の店舗を恵比寿に開業した。

恵比寿は人気 エリアゆえに家賃相場も高い。
100円の商品から、高くても3万円台の商品を扱う雑貨ショップで、月40万円以上の家賃を支払いながら運営していくには、 相当な経営努力が必要となる。

経営的に苦しい時期はあったものの、2年目にして軌道に乗せることができた。
 

物件探しに5年

「就職したのは、ファッションビル内でいくつかの雑貨ショップを運営する会社でした。
もともとファッションや流通に興味があってその会社に就職したのですが、
その後、店長として雑貨ショップの運営にかかわっていくうちに、ますますこの仕事がおもしろくなっていきました。

ただ、店長とはいえ、何もかも自分の思いとおりにはできない。
自分としては、他店ともっと差別化した商品を扱いたいと思ってもできないことのほうが多い。
仕事にのめりこむほどジレンマを感じるよう になりました。

結果的にはそんなジレンマが、いつか自分の店を持ちたいという夢につながったのですから、
独立は私にとって自然なことだったのかもしれません。

入社3年目の頃にはすでに、独立して自分の雑貨ショップを持つことを決め、
その頃から、休日を利用して物件探しをしていました。

開業するなら、土地カンの ある吉祥寺か、雑貨ショップが活性化している恵比寿、代官山がいいと思いずっと探していたのですが、どこも人気のエリア。
予算に合う物件がなかなか見つからない。

やっと見つけたのは、物件探しを始めて5年目でした。
仕事しながら探していたとはいえ、ずいぶん長くかかってしまいました(笑)。

物件を見つけた翌月には会社を辞め、オープンしたのはその2カ月後ですから、
物件探しに時間をかけた分、その後は早かったですね(笑)。」
 

コンセプトはコミュニケーション

「どんな雑貨を扱うショップにしようか? ということを考えたとき、自分の好きなもの、他店と差別化できるものとは別にもうひとつ、何か軸になるものが欲しい と思っていました。
そうして考えたのが、コミュニケーショングッズ。

もともと手紙を書くことが好きだったこともあり、コミュニケーションに関係あるグッズをメインに、商品を構成しようと考えたのです。
こんな切り口がひとつあれば、商品も集めやすいし店の個性にもなります。

ですから、店名も『コミュニケーショ ンマニア。』
コンセプトをそのまま表現しました。」
 

2階の店舗は雑貨ショップにとって予想以上に厳しかった

5年もかけて物件を探し、仕入れから在庫管理まで、ショップ運営に必要なスキルも身につけ、
やっとオープンさせた店だったのですが……。
経営が軌道に乗るまでは大変でした。

店舗は、恵比寿駅から3分と近く、大とおりに面したビルにあり、立地は決して悪くはないのですが、
問題は店舗が2階ということ。

自分もそうですが、目的を持って行くというよりは、ふらりと入って楽しむのが雑貨ショップ。
そういう意味では、不特定多数のとおりすがりのお客さんに入っていただくことで
経営が成り立つ要素が強い業態です。

でも、店舗が2階にあるとなると、なかなかそうはいかない。
ふらりと入るには、2階はどうしても入りにくい。

オープン当初はお客さんが増えず、当然売り上げも伸びない。

営業時間を夜の8時に延長したり、品揃えを変えたり、しかも他の店との差別化を意識したもの……
と自分なりにでき ることはしていたのですが、思うようにいかない。

その年は、辞めようか? と思った時が2回ありました。
1回目は開業した年の夏。
2回目はその年の12月。

家賃やバイトスタッフの給料、仕入れ代金を支払ったら手元には何も残らない。
このときは、正直もう店を辞めようかと思いました。

でも、辞めるのもま た、それはそれで大変だろうと思い、辞めなかった……。
今思うと、心から本気で辞めたいとは思っていなかったんだと思います。

中目黒に2号店をオープンさせたのは2004年1月。
そして、1号店を同じエリア内に移転させたのはその年の11月。
その半年後には、横浜の赤レンガ倉庫に 3号店がオープン……と、2004年はとにかく忙しい年でした。

独立した時から、3店舗は持ちたいと思ってはいましたが、具体的に計画していたわけではな かったんです。
気づいたら実現していた、というのが正直なところです。
 

恵比寿店/渋谷区恵比寿南3-1-2 TEL/03-3712-6601
http://www.com-mania.com/
 
1号店の恵比寿店は、数メートル先のビルの1階、念願の路面店に移転
ありそうでないおもしろいデザインのポップでかわいい雑貨がたくさん。店はまるでおもちゃ箱のよう……。
 
カエルにてんとうむし、そしてくじらとキャラクターグッズは、この店ではステーショナリーグッズの次に人気商品

Q:集客のために工夫していることは?

A: 顧客管理です。
2階までわざわざ来てくださったのですから、1度来てくれたお客さまにリピーターになってもらえるように、こまめにDMやメールを送ってい ます。
そして、再び来てくださった方には、気持ちよく帰っていただけるような接客をいつも心がけています。
店舗運営は、開業するまでも大変ですが、開業してから続けていくことのほうがもっと大変。
顧客管理は地味な仕事ですが、その地味な仕事の積み重ねと継続が、実はとても大事なことだと思います。
 

Q:顧客管理以外に、集客と売り上げを伸ばすためにどんなことをしましたか?

A: まずは品揃え。
ポストカードや携帯ストラップ、レターセットなど、アイテムはどの雑貨ショップにもあるものですが、できるだけ、他の店では見かけないよう なユニークなデザイン、変わったデザインのものを揃えています。
それから、単価の高い商品を入れたいと思い、オープン間もなくして自転車を扱いました。
自転車を扱ったことで、利益を確保できただけでなく、男性客が増えたのは、意外な効果でした。
あと、オープン2年目ごろから、作家モノを扱い、月に1度の ペースで作家の企画展をやってきました。
このイベントを続けたことで、新規顧客をずいぶんと増やせました。
 

Q:この商売のいちばんのおもしろさは何ですか?

A:思ってもみなかったものが売れることかな。
自分ではこれは売れないのでは? と思うものが売れたり、売れると思ったものが売れなかったり。
それがおもしろい。
あと、なんといっても、自分で好きにできることですね。

1号店の開業データ
開業資金/300万円
物件取得費/25万円
内装工事費/60万円
仕入れ/125万円
 

 

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める