「豊かで安らかな終末期」を過ごせる仕組みをつくる / 有限会社リニア・コーポレーション

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

有限会社リニア・コーポレーション 青木和広さん

あらかじめ知ることのできなかった母親の死と、
前向きに終末期を過ごすキッカケのなかった祖父の姿が起業の原点に

青木和広さん
 

人生の終末期に、やり残したことや長年の夢を実現させたい。
家族へ面倒をかけないために自分の死後に必要な手続 きを行いたい。

自分らしい終末期を送りたいと考える人々の願いを叶えるため、
有限会社リニア・コーポレーションの青木さんは「エンディング・プランナー」 というビジネスを立ち上げた。
 
青木さんは、9歳のときに母親を亡くして以来、死について深く考えるようになったという。
ビジネスを発想したのは、大学生の頃のこと。
終末期を迎える祖父のさびしげな姿がキッカケだった。

「『早く死にたい』、と言うさびしげな祖父の姿が残念で仕方ありませんでした。
『死』というものはタブー視されるので、本人が前向きな終末期を過ごそうと思っ ても、それを実現するキッカケがないんですよね。
僕は、母が亡くなったときに、あらかじめ心の準備をすることができない辛さも味わったので、
『本人も周囲 の人々も豊かで安らかな終末期を過ごせる』
という仕組みをつくるべきだと思ったんです。

大学卒業後に就職しましたが、長期海外駐在勤務の間にビジネスプラ ンを温め、
日本への帰国が決まると同時に起業を決意したんです」

 

ビジネスプランを応募して、アウトプットすることの大切さを学んだ

青木さんは、2003年に週末起業というかたちで事業を立ち上げた。
2005年に事業に本腰を入れるため、会社を退職。
ちょうど同時期に、ドリームゲートのホームページでビジネスプランコンテストの告知を見つけ、自分のビジネスプランを試そうと考えて応募したという。

それまでは、インプットして学ぶことに力を入れてきた青木さんだったが、プレゼンテーションの機会を得て、アウトプットすることの大切さを知った。

「応募書類を出す際に、ひとつひとつのツメが甘いとあらためて感じまして。
気持ちだけでは伝わらないと痛感しましたね。
オペレーションを考え直したり、収支関係などの数字を再調査したりと、
ビジネスプランそのものを見直すことができました」

予選へ出場する際には、本番前のリハーサルでプレゼンテーションへのアドバイスをもらえた。

「ドリームゲートのスタッフから、
『この部分は体系づけて話すほうが伝わる』
などの具体的なアドバイスをもらったことで、プレゼン能力も上がったと思います。
これからは自分がアウトプットして伝えていかなくてはならない、
想いを形にしていかなくてはならないんだと強く感じ、
社長としての自覚も上がりました」

努力の結果、予選で優秀賞を獲得した青木さんは、本選に出場。
惜しくも入選を逃してしまうが、自分のビジネスプランが受け入れられたことで大きな自信を得たという。

「まだ誰もやっていないこのビジネスに、多くの人が共感してくれたので、
『これだけのことを自分で発見できたんだ』
という自信がつきましたね。

また、審査員の方たちと話すことで、今後に生かせるヒントや反省点を見つけることもできました。

『ビジネスプランが盗まれるのでは?批判されるのでは?』
などという 恐れを超越して、『伝えたいことを伝えるべきだ』という心構えを学ぶことができたと思います」

 

その後、協力者が倍増!事業のインフラが整うなど、計り知れないものを得ることができた

ビジネスプランコンテストへの出場後、青木さんの人脈は大きく広がった。
ビジネスに賛同してくれる人々が集まり、提携業者も倍増したという。

「ファイナンシャルプランナーや行政書士、看護士に映像会社など、提携して動いてくれる人脈が倍増しましたね。
保険の相談や手続き関係、介護にメモリアル ビデオの作成など、事業に必要なインフラを整えることができました。
また、『手伝いたい』という熱意ある方も現れ、優秀な人材まで得ることができたんです」

また、審査員だったデジタルハリウッドの社長・藤本氏と話したことで、同社が営むデジハリ大学院の存在も知る。
スキルアップのために入学をするが、ここからさらに人脈が広がっていったという。

「ビデオ作成に必要な映像技術やマーケティングなどの知識を学んでいます。
講師の方から老人ホームなどを紹介してもらったり、マスコミへの露出に協力してもらったりしています。

とにかく人のつながりがすべてにつながるんですよ。
ビジネスプランコンテストへの出場で、その大切さを知りました。

出場者同士の横のネットワーク もそのひとつです。
意識の高い仲間ができたので、刺激を受けるとともに心強さも感じています」

今のところは売り上げに大きな変化はないが、病院でのボランティア活動なども開始し、
ビジネスの認知度を高めている最中だそう。

「僕のビジネスは、お客さまの信頼を得てこそ成り立つものなので、今はまだ、理解を深めながら大事に育てていくための準備期間だと思っています。
プランナーの資格取得の仕組みなども考案中です。
1人でも多くの方に、やすら かで豊かな終末期を過ごしてもらうために頑張っていこうと思います」

青木和広さんプロフィール

青木和広さん

1974年東京生まれ。9歳のときに突然母を亡くし、死を意識するように。
大学在学中、祖父の死をきっかけにビジネスプランを発想。
1996年、大手新聞社の販売 代理店に就職。アメリカ支店にての長期海外勤務中に、ビジネスプランを煮詰める。
2003年、日本へ帰国。ドリームゲートのコンサルタントへの相談を重ね、ビジネスプランをブラッシュアップした後、確認有限会社としてリニア・コーポレーションを設立。
2005年、「エンディング・プランナー」を商標登録する。
2006年、ドリームゲートグランプリ関東大会で優秀賞を獲得。本選に出場。

会社概要

設立/2003年12月
資本金/150万円

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