趣味から始めた比較サービスでマザーズ上場を果たす / 比較.com 株式会社

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執筆者: ドリームゲート事務局

設立後2年7ヶ月で確認会社初のマザーズ上場

2006年3月15日、総合比較サイト「比較.com」を運営する比較.com株式会社は東京証券取引所マザーズへ上場を果たした。
最低資本金規制特例制度を利用した企業としては、初上場となる快挙である。
 

予定を前倒して、特例制度企業の上場第一号に

渡邉哲男氏
渡邉哲男氏
1971年生まれ 福島県出身。ベンチャーキャピタルを経て、2003年8月資本金250万円で比較.com株式会社を設立。2004年11月には資本金 を1700万円に増資し、確認会社を卒業。2006年3月東京証券取引所マザーズ上場。「氾濫する情報の交通整理役を中立的な立場から行い、消費者の生活 に指針を提供することで、社会への貢献を果たす」というビジョンのもと、各種比較サービスを展開している。

●会社概要
所在地/東京都渋谷区
設立年月日/2003.8
卒業年月日/2004.11
会社設立当初の資本金/250万円(現物出資200万円を含む)
現在の資本金/2300万円
従業員数/22名(パート・アルバイトを含む)

「特例制度を利用した会社の上場第一号になろうというのは、会社設立当初からの目標でした」

という渡邉さん。
まさに有言実行となったわけだが、それにしても、 設立からわずか2年7ヶ月というスピード上場である。

「設立当初は、もう1年後に上場をしようと考えていたのですが、インターネット業界の再編の波が思っ た以上に早く来ていまして。
1年延ばすことにリスクを感じるようになりました」。

激動の業界ならではの判断である。
最低資本金規制特例制度(以下、特例制度)を利用したのもまた、そんなスピード感を大切にしたからこそだったようだ。

「資本金を貯めているうちに、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれないし、人間ですからね、気持ちが変わってしまうとも限らない。
お金はまったくありませんでしたが、特例制度のことは以前から新聞などで知っていましたから、思い立ったらスグに会社ができるメリットを生かして、会社をつくったんです」。

そうして比較.com株式会社が誕生したのは、2003年8月のこと。
資本金250万円からの船出だった。

しかし、「比較.com」というサイトはといえば、もう少し古い歴史を持っている。

「比較.comのドメインを取得したのは1999年です。
旅行が趣味だったということもあって、各航空会社のマイレージサービスを比較するサイトを、個人的に開設したのが始まりでした」。

徹底的なコスト削減で、確認会社を早期に卒業

では、趣味から始まった比較サービスが、ビジネスへと変化するのはどういうキッカケがあったのか。
そこには、当時の渡邉さん自身の仕事が深く関わってくる。

「新卒でベンチャーキャピタルに入社しまして、国内ベンチャーへの投資をしていたんです。
しかし、ベンチャーへの投資というのは、その多くが失敗に終わる。
その理由がなんというか、くだらないことなんですよ。
社長の無駄遣い、身の丈に合わないキレイなオフィス……。
そんな案件を繰り返すうちに、私なら もっとうまくやれると考えるようになったんです」。

そんな経歴を持つ渡邉さんだからか、経営方針ははっきりとしている。

まず、オフィスや備品などにかかるコストを徹底して削減する。
一方で、リターンのとれる広告宣伝や人材への投資は惜しまない。
そして、独立性を保ち、買収リスクを減らすためにも外部資本は入れない。

そして、これらの方針こそが、スピード上場の理由でもあるのだ。

東証一部への上場も視野に入れ、事業を拡大

上場を果たした今、今後の展開をどう考えているのだろうか。

「今後は、営業力とテクノロジーの両輪でサービスを展開していく方針です。
外部メディアへのコンテンツ提供も行っていきます」。

さらには、こうした比較サービスの拡充と同時に、専門性の追求も行っていくという。
例えば、旅行業、保険募集事業といった具合にだ。

そして、会社組織としても、さらなる高みを目指す。

「100名規模にまで従業員を増やしていきます。
また、近い将来には、東証一部への上場も視野に入れていく予定です」

URL:http://www.hikaku.com/

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