丁寧なマッチングが売りの人材総合サービス / 株式会社ジョヤンテ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

OL時代から着々と独立準備を進める

「データ上だけで人材のマッチングを行うのではなく、
派遣社員にその企業の理念まで伝え、
お互いのニーズに合ったマッチングを心掛けています」

と話すのは、(株)ジョヤンテ・代表取締役の川崎貴子さん。
起業時から変わらない同社の経営方針は、派遣先からも大きな信頼を得ている。

川崎さんは、短大卒業後、多くの会社と接することができ、
人と出合う機会の多い営業職に就ける企業を希望。
人材派遣会社のパソナに入社した。
しかし、配属は希望していた営業ではなく、派遣コーディネートをする部署だった。

「でも、そこでの仕事はとても勉強になったんです。
登録スタッフのフォローから企業とのマッチングまで担当しましたから。
その後、念願の営業に異動したのですが、常にコーディネーター業務のことを考えて、企業のこまやかなニーズを引き出す努力をすることができました」

同時に、会社内のマネジメント業務や契約書の作成など、独立に役立つものを積極的に吸収。
以前から、いつかは独立したいと考えていた川崎さんにとって、コーディネートと営業の2つの部署を
経験できたことは、とてもためになったという。

その頃、彼女は派遣部門を持ったイベント企画会社が増えてきたことに着目していた。
イベント時のスタッフを確保するためだったが、ここに新たなニーズを見出 した川崎さんは、
イベント会社と提携した派遣会社をつくろうと、数社に企画を持ち込んだ。
するとタイアップを希望する企業が見つかり、出資先を確保できる ことになった。

「いつも独立することを念頭において仕事をしていたので、人材派遣業に関する知識は蓄積されていました。
以前から続けていた株式投資が成功したこともあり、出資分と合わせると起業に十分な資金が集まったんです。
今がチャンスと起業を決意しました」

「起業の時は手伝うよ」と声を掛けてくれる仲間も多く、川崎さんの前職の同僚や幼なじみと力を合わせ、97年10月に人材派遣会社ジョヤンテを設立した。

経営者交流会に参加して社長業の悩みを解消

「OL 時代の経験をベースに、自分達らしさをプラスした会社を目指したんです。
クライアントのニーズを細かく派遣スタッフに伝え、具体的な企業とのマッチングを 進めました。
派遣スタッフの募集は、広告費がないので口コミや紹介で来てくれた人ばかり。
採用はコミュニケーション能力を重視しました」

初年度の登録スタッフは300名ほど。
川崎さんは、登録スタッフたちとなるべく多く接するようにして、アットホームな雰囲気の会社づくりを心がけた。
スタッ フたちも派遣先でジョヤンテのために一生懸命、仕事をこなしてくれる。
おかげでクライアントの評判も上々。
また、福利厚生に力を入れ、派遣期間中のスタッ フは社員と同じ待遇で、全国の施設や旅行割引特典が受けられるように制度を改善していった。

こうして、登録スタッフは増え、売り上げも右肩上がりに。
しかし、「すべてが順調なわけではなかった」と彼女は振り返る。

「社長業という仕事に悩むことが多かったんです。
せっかく集まってくれたスタッフだからと、一生懸命育てて一緒に頑張りたいと過剰な期待をしてしまう。
けれども、そのスタッフが辞めてしまった時のショックも大きくて何度も悩みました。
客観的になろうとしてもなかなかうまくいかなくて」

そんな悩みを払拭するべく経営者の交流会などに参加。
同じ立場の人たちと悩みを相談し合ったり、意見を交換して、広い視野で物事を見ることができるようになったという。

新しい企画を提案しやすい社内体制づくりに尽力

川崎さんは新しい派遣事業にも積極的に取り組んだ。
そのひとつが、企業への英会話教師派遣事業。
忙しくてレッスンに通えない人のために、
会社の会議室を教室にしてレッスンを行うのだ。

ほかにも、百貨店の顧客サービスや会社の福利厚生の一環として、
フットセラピストの派遣も行う。

「社内で新しいサービスをどんどん提案できる仕組みをつくったんです。
出された企画にマイナス意見を言うのではなく、どうしたらその企画を実現できるかをみんなで検討しています」

企画があがれば社内の活気も良くなり、積極的に事業に参加しようという意欲が生まれるからだ。
中でも、現在彼女が一番力を入れている事業がある。

「ベ ンチャー企業と学生の橋渡しをする、採用直結型インターンシップの企業派遣です。
ベンチャー企業の離職率は高く、新人教育にかける費用もバカにならない。
それならある一定期間を設けて、学生は自分の適性や実際の業務を見極め、
企業も必要な人材かどうかを考察する期間が与えられる。
両者にとってメリットは大きいのです」

約170社のベンチャー企業でつくる日本ベンチャー協会などと協力し、学生の受け入れ先を確保。
自分が経験してきた仕事の醍醐味を、学生たちにも味わってほしいと考えている。
今年 7月からのスタートに、早くも25社から引き合いがきているという。
ほかにも大学と提携し、ベンチャー企業の社長たちと討論会を行ったり、講義を行うカリキュラムも担当している。

「登録してくれた学生たちとは一過性のものでなく、中高年まで一貫したサポートができ、
生涯つながっていけるよう な会社でありたいと思っています。
これは、今まで私を育ててくれた社会への恩返し。
今後も、社会的に意義のある仕事に積極的に取り組んでいきたいです ね!」  

【川崎 貴子さん プロフィール】

埼玉県生まれ。
92年 都内短期大学を卒業後、人材派遣会社のパソナに入社。
最初は、技術者と企業をマッチングさせるコーディネーターを務める。
1年後、念願の営業部に配属とな り、パソコンの企業研修講師派遣などを提案するようになった。
97年、株式投資に成功し、独立資金の一部が用意できたこともあり、人材派遣業とのタイアッ プをイベント企画会社などに提案。人材派遣会社(株)ジョヤンテを立ち上げる。

会社名   (株)ジョヤンテ 
URL   http://www.joyante.co.jp/
 住所   東京都港区赤坂2-13-12 赤坂AYビル5階 
連絡先   TEL 03-3568-8844 
設立   1997年10月 
業務内容   人材コンサルティング業 

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