女性営業チームのリーダーとして培った知識と経験を活かす / 有限会社 営業会議

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

有限会社営業会議 代表取締役 野口明美さん クライアントの抱える悩みを聞き、問題点を分析し、業務改善の提案や研修などを行う―まさしくコンサルティング業だが、野口さんは自らをコンサルタントではなく「現場研修者」という。

「企業上層部だけでなく現場の声にも耳を傾けて、社内外のあらゆる情報を収集。
その上で最適な研修や改善のプログラムを組み立ててご提案することで、しっかりとした成果を挙げることができるのです」

野 口さんの会社の核ともいえるこのスタイルは、かつて女性営業チームのリーダーとして活躍していた情報出版サービス企業での経験に基づくものだ。
会社員時代 には部下を育てるという立場だけに、自らの指導力を高めるべく、分析力や営業、心理学などのセミナーを多数受講してきたが、その経験が現在でも仕事に役 立っているという。

【夢が生まれた瞬間】

情報出版サービス企業で、営業のチームリーダーとして活躍していた野口さんは、
40歳を目前に控えて将来を自問した。

「仕事をやっていてもドキドキや刺激がなくなってきて、このままでいいのかと思い始めました。
終身雇用の時代でもないし、以前から独立願望はありましたから、体力のあるうちに独立しようと決意したんです。
無理できるのは40歳までだなって思っていましたしね」

大学を卒業してからの 5年間は、公立中学校の国語科講師として勤務。
その後の約10年間は前述の企業で、新規営業開拓の女性チームリーダーを担当する傍ら、
企業研修トレーナー としても活躍していた。

ずっと教育や指導の現場に携わってきた野口さん。
彼女のプロフィール欄には「人を育てるプロです」とあるのもうなずける。

「会社員時代は多くの部下を抱えていましたから、営業の成果を挙げるだけでなく、
人材の育成も重要な仕事と思っていました。
そんな使命感から、分析力や営業、心理学のセミナーなど自分から進んで受講していましたが、
そこで学んだ知識や、実際の業務を通して培った経験は、独立への自信に繋がりました」

【次の一歩はどうやって】

独立を決意した野口さんはひとまずかつての同僚の研修会社に席を置き、その関西支社を立ち上げた。
責任者に就任し、企画営業と研修トレーナー業務を担当。前 職から付き合いのある企業からの発注に期待をしていたが、意外にも研修依頼は少なく、立ち上げ当初は新規顧客開拓に励んでいた。

「営業スタッフの研修や新入社員研修、評価制度の導入、営業のコンサルティングなど、多くの経験を積むことができました。医療機関における、新人研修やトレーナー育成も好評だったんですよ」

さ まざまなビジネスの中で、野口さんが一貫してこだわったのは現場主義の考え方だ。
たとえば営業のコンサルティングなら、企業上層部からの一方的なトップダ ウンではなく、現場の声にも耳を傾けて、社内外の情報を収集して多角的に分析。

その企業に最適と思われる業務改善手法や研修を提案するのだ。
自らをコンサ ルタントではなく「現場研修者」と言うだけあって、
座学よりもロールプレイングを多用した実践的な研修を行っている。

「人間って、ほめられないとダメなんですね。
ロールプレイングを通して『今のでもいいけれど』と言い添えた上で、
『もっと良くするにはどうしたらいいか』と問いかけるのがコツ。
そうすると参加者から自発的に声が上がってきます」

この手法は前職で身に付けたものだが、活発な意見交換がなされることで、着実に成果に繋がるという。
「成果の出ない研修は時間とお金の無駄遣い」というもが野口さんの持論だ。
しかし、成果を出すというのは並大抵の努力ではないはず。

「会社員時代よりもストレスが増えたし、休日も減りましたけど、腹をくくったつもりでした。
一生懸命やってダメだったら、また次に頑張ればいいってね。
そんな風に、当初は楽観的でしたが、今では継続する難しさを身をもって感じています。

【念願の独立を果たす】

2001年、いよいよ自分の力を試したいと、営業色を強めた研修会社(有)営業会議を設立。
念願の独立を果たした。情報出版サービス企業を退職してから6年以上が過ぎ、
研修やコンサルティングの実績も相当数に上った。

中でも、女性だけの営業チームをつくる提案は、実際に女性の営業チームリーダーとしてキャリアを積んだ野口さんならではと言えるだろう。

「女性が営業することで売り上げアップが狙える業種を絞込み、チーム結成を企業に提案。
研修のほか、スタッフのやる気を引き出すノウハウなども提供します」

たとえば、ある大手人形メーカーでは育児経験のある女性でチームを立ち上げた。
飛び込み営業先では小さな子供を持つ母親の悩みに耳を傾けて顧客の信頼感を獲得、市場開拓に繋げたという。

その他にも、女性が多数勤務する医療機関の研修や、企業で女性営業チーム結成を推奨、
各社の業績向上に一役買ってきた。

「子育て中の母親なら子育て経験者に話を聞いてほしいだろうし、女性の多い職場の管理職なら親身になって苦労話を傾聴してくれる人を求めているはず。
経験豊富な女性は話を聞くのもうまいし、そうした話を聞くことが営業のキッカケになります」

コ ンサルティングや研修を主業務に据えている企業は少なくないが、野口さんのような独自性のある現場主導型の人材育成に対するニーズは高く、口コミや紹介で 仕事の幅がどんどん広がっているというから、その評価の高さも折り紙付きだ。

「オールマイティではなくてニッチなビジネスですが、ようやく自分のペースが確立されてきたと思います。
今後は、女性の営業スタッフを強化する第一人者として、長く現場で働いていたいですね」

【企業データ】
(有)営業会議
所在地 :  大阪府大阪市
設立 :  2001年 8月
事業内容 :  研修の企画・運営・実施・フォロー(新入社員研修、女性社員活性研修、中堅管理職研修、営業マン研修など)、入社案内パンフ・採用PRパンフ制作、企業ホームページ制作、研修支援ツール制作など

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