多 忙なタレント活動をこなしつつ、「健康ドリンクバー」という新しい形態の店をオープンし、会社帰りのOLたちが、リラックスしながら楽しめるお店を経営す る揚田さん。「健康ドリンクバー 揚田.あき」は、目の肥えた東京のOLたちをどのように集客してきたのだろうか。彼女にその秘訣を尋ねた。
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健康ドリンクバー 揚田.あき
店長 揚田.あきさん
女性が安心してオーダーできるメニュー作りを
いつの時代も、美容に有効と言われる食材や料理、グッズ、サロンやジムといった施設は、女性の飽くなき美への追 求心を捉えて離さない。特に、タレントである揚田さんは、プロポーション維持のために、ダイエットに関する多くの情報を集め、次々と試してみたという。そ れが高じて、自ら開発した「モヤシダイエット」や、これまで試した数々のダイエット法を綴ったエッセイ『やせるが勝ち!?』を出版。以降、健康は趣味とな り、いわゆる「健康オタク」への道を歩み始めた。
そして2003年。数社の企業の社長に、自らのビジネスプランをプレゼンし、出資を募るというテレビの人気番組に出演。温めてきた「健康ドリンクバー」のアイデアは、見事に強力な出資者を獲得した。
しかし、与えられた期間内に適当な物件を見つけられず、自ら出資を辞退。一度は出店を諦めかけた。
「でもその後、取材依頼が多くあって、すごく励みになりましたし、健康ドリンクバーへのニーズも確信しました。それで、もう1度頑張ってみようって思ったんです。結果、自分でお金を工面して今の店を出しました」
お店のコンセプトの根底には、もちろん「美容」と「健康」があった。しかし、この2つをケアするためには、通常たくさんの「我慢」がつきまとうも の。女性は夜遊びに罪悪感を覚える人が多いため、お店でメニューを開いても、「こんなに油っこいものを食べられない」とあきらめたり、ビールや甘いカクテ ルを飲みたくても、カロリーを気にして烏龍茶にということがよくあるのだそう。揚田さんは、1日の仕事を終えたOLたちに、心おきなく楽しんでもらえるこ とも、お店のコンセプトに入れ込みたいと考え、健康素材をお酒で割るというアイデアを思いついた。フードメニューも油を使わず、素材の味を活かした料理を 考案。
「皆さんに安心してメニューを選んで欲しかったんです。うちのメニューにあるものは、すべてカロリーや素材を気にすることはないですし、むしろ、食 べたり飲んだりした方が、お肌にも健康にもいい。それを強調するためにも、メニューには、それぞれどんな素材を使っているかとか、それらがどのように健康 に作用するかをくわしく書き込みました。OLさんは、そういうのを見ながら、あれこれ比較して選ぶのが好きですからね。皆さん楽しそうにオーダーしてくださ います」
働く女性に「癒しの異空間」を提供したい
そして、重要な立地場所には麻布十番を選んだ。若い女性を多く呼び込むためには、ある程度来るお客さんも選びたかったという。女性にとって店の「品」は大切だ。
「カジュアルで入りやすい店でも、落ち着いた大人の雰囲気を提供することで、ある程度の価格設定は御理解いただけるだろうと判断しました。麻布十番という土地柄を選んで出店したことは、“OLが安心して来られる店”の雰囲気づくりにおいて大きなポイントとなりましたね」
店のデザインは、昭和初期をイメージした。体にいい素材がたくさん海外から入ってきた時代で、その頃の素材を活かした素朴な調理法をお手本にして いるからだそう。店内にはいつもヒーリングミュージックを流し、カウンターには肌触りのいいコルク材を配した。照明の色も懐かしさのある柔らかい色合いに し、目で、耳で、鼻で、舌で、そして肌で、あらゆる感覚で癒しを得られる店に仕上げた。
「お客さんが家に帰ってきたような、くつろげる雰囲気にしたかったし、だけど、自分の本当の家とは違う緊張感も持たせたかった。つまり、『くつろぎの異空間』を演出するために、緩急のバランスには注意しました」
スタッフは今のところすべて女性。清潔感があることと、健康的であることは必須条件。OLたちが、「ここに通えばあんな風になれるかも」というお手本になりうる人を選んだ。
現在は、無添加のケールを店で絞った、絞りたて青汁を焼酎で割って飲む、「青汁の焼酎割り」が看板メニュー。最近登場した「青汁ラーメン」も、青 汁の苦さをなくし、体にいい成分だけをおいしく取り込めるヘルシーラーメンとして人気を得ている。また、健康食を盛り込んだ弁当をネット注文で販売する弁 当屋も、共同経営で近日スタートする予定とか。
「私もそうでしたが、一人暮らしのOLにとって、偏食は実は結構深刻な問題。これからも「健康ドリンクバー 揚田.あき」と、新しく始まる弁当屋の2本柱で、多くのOLたちの美と健康を守り続けます」
ここがOLのハートをつかんだ
・健康と美を楽しみながら得られるメニューづくり
・ハイソなイメージのある麻布十番という立地を選択
・「くつろぎの異空間」をコンセプトに、五感で癒される内装
揚田.あきさんプロフィール |
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1972 年和歌山県出身。1990年に芸能界デビューし、1997年に、自身のダイエット体験を綴ったエッセイ「やせるが勝ち!?」(実業之日本社)を出版。 2004年7月に「健康ドリンクバー 揚田.あき」をオープン。現在は、タレント兼オーナー、健康ドリンクアドバイザーとして活躍中。 |
店データ「健康ドリンクバー 揚田.あき」 設立年月:2004年7月 |