- 目次 -
犬専用のフォトスタジオにドッグランとカフェを併設
愛犬写真家である高木義昭さんは、愛犬家が集まる施設やイベントでの出張撮影をメインに活動していた。しかし2005年春、所有するビルに空きスペースができたのをきっかけに、事業拡大を模索するようになったという。
「まずは、犬専用の大きなフォトスタジオをつくりました。撮影機材や設備が整ったので、よりクオリティの高い撮影が可能になりましたね。ドリーム ゲートスクエアを通して、グッズ制作のお取り引きのできる起業家の方と知り合い、そのおかげでオリジナルグッズの受注もできるようになったのです。しか し、フォトスタジオは愛犬家にとってまだ敷居が高く、スタジオ単体だと新規客の獲得は難しいと思いました。そこで、同じ建物内に犬が遊べるスペースを追加 し、相乗効果で集客力を高めようと考えたのです」
高木さんはドッグランやドッグカフェでの出張撮影を経験し、愛犬撮影のニーズの高さは実感していた。わざわざフォトスタジオに足を運ぶ人は少ないが、愛犬を遊ばせるついでなら、「一度撮ってもらおうかしら」と考える人はかなり多いのである。
「うちのビルは3階建て。当時、1階を受付、2階をフォトスタジオとして使っていましたが、3階から上は全く使っていない状態でした。そこで、屋上 のなかった建物に屋上ドッグランを建設し、3階にドッグカフェと屋内ドッグランをつくることに。1階にもグッズショップとフォトギャラリーを新設したので す」
名古屋市内にはドッグランが少ないうえに、犬専用のフォトスタジオやドッグカフェを併設する施設はほとんど見当たらない。これが既存業者に対する強みになると考え、2005年10月「スタジオ ドッグラン」をオープン。
「一番の目玉は屋上のドッグランです。都心で約60坪の広さは希少ですし、眺めの良さも魅力。天然杉の床や犬用の水洗トイレなど、設備面にもこだわりました。そして、雨が降ってきた時や、喉が渇いた時は、3階の室内ドッグラン、ドッグカフェへ移動しやすいのも特徴です」
カフェのリピート率を高め、フォトスタジオの顧客へとつなぐ
まずは、「ドッグランとドッグカフェを頻繁に利用してもらいたい」という思いから、犬と飼い主の立場で、居心地の良い空間を追究したと話す高木さん。
「一番悩んだのはカフェでした。カフェを名乗るからには、相応に美味しいコーヒーを出さなければならない。しかし、人件費や設備費、コストはなるべ く抑えたいもの。そんな時、高品質のコーヒーマシンとめぐり合ったのです。カプチーノやエスプレッソもおいしく入れられる本格派なので、これを導入すれば セルフサービスでもクオリティの高いコーヒーを提供できると確信したのです」
紅茶や日本茶のティーバックも数種類用意し、一人500円のフリードリンク制にした。さらに、フードメニューの開発も積極的に取り組み、毎週のように新メニューを追加。こうしたサービスが好評となり、顧客のリピート率が高まったという。
「カフェのもう一つの役割は、スタジオのPR。店内にあるモニターでは、愛犬写真をスライドショーで流しています。スタジオで愛犬を撮影したお客様 が、お茶を飲みながらプリントする写真を選べるようにと設置しましたが、他の愛犬家に『ウチの犬もあんな風に撮ってもらいたい』と思わせるのが目的。おか げさまでスタジオの利用者が増えていますよ」
愛犬用のあらゆるサービスを集めた複合施設へ
「一つの施設でさまざまなサービスを利用できるのが、当社の強み。昨今のペットブームの影響もあり、テレビや新聞、雑誌の取材依頼は今も続いているんですよ」
順調にリピート客が増えているうえに、こうしたメディア露出の効果もあり、予想以上の集客と収益に手ごたえを感じている。
「しかし、まだ満足していませんよ。2階はスタジオ以外にも空きスペースがあるので、将来的にはペットクリニックやペットサロンなどのテナントを入れたいと思っています」
今後はさらにサービスの幅を広げ、愛犬と飼い主のための総合アミューズメント施設に成長させたい、と話す高木さん。
「収益性の確保、運営のノウハウに自信が持てるようになったら、支店展開やFC展開も考えています」
Q:どうしてカフェと愛犬撮影のコラボを選んだの? |
ドッグカフェやドッグランという愛犬家にとって利用しやすい施設を併設し、集客力を高めようと思った。カフェで愛犬写真をPRし、スタジオ利用へとつなげたい。 |
Q:こだわりポイント |
・カフェ おいしいコーヒーが飲めることを一番に考えた。何度も利用したくなるような、居心地の良い空間であるよう、インテリアや内装にもこだわった。 ・愛犬撮影 2Fのスタジオだけでなく、屋上ドッグランやカフェでも撮影可能。複数の背景でたくさん撮影した中から好みのカットをチョイスできる。犬用衣装も豊富に揃えている。 |
Q:コラボをして良かった点 |
フォトスタジオにドッグランやカフェが加わったことで、客層の幅が広がった。そして多くの愛犬家、犬と接することで、新たなビジネスプランもわいてくる。 |
Q:コラボをして悪かった点 |
ひとつも思いつかないです! |
Q:売り上げ比率は? |
開業当初予測→愛犬撮影50%:カフェ20%:その他30% 現実は?→愛犬撮影45%:カフェ28%:その他27% |
ショップ概要 | ||
|