自然素材の無添加石けん製造から販売まで / 有限会社藍色工房

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

有限会社藍色工房 坂東未来さん

家族の健康への気遣いがきっかけで、無添加石けんづくりを始める

坂東未来さん
 

 藍や和三盆などの自然素材を原料にした無添加の石けん。
有限会社藍色工房の坂東さんは、自らこの石けんを手づくりし、インターネットで通信販売するビジネスを手がけている。

  もともとピアノ奏者として活躍していた坂東さんだが、ご主人が深刻な皮フ炎になったことをきっかけに、石けんづくりに興味を持ったという。

「どんな薬を塗っても治らず、ひどい状態が続きましたが、あるとき、ハーブを原料にした無添加石けんを使ってみたら、症状がピタリと治まったんです。
薬品 を使わない石けんへの興味が湧き、素材や化学物質などについて学んでいくうちに、趣味で石けんをつくるようになりました」

  実家が農家を営んでいたため、畑で育つ身近なものを試しながら石けんづくりを続け、完成度を高めていった。
主力商品となる藍を使った石けんの完成形ができた頃、起業することを決意。

「環境への取り組みに興味があったことも起業した大きな理由です。
学生時代に読んだある記事で、スペインのギター職人のおじいさんが
『材料となる良質の木 材が手に入らないから工房を閉めようと思っている』
と語っていたことが、ずっと心に残っていまして。
自然素材を使った手づくり石けんが広がれば、環境破壊 に対する自分なりの働きかけにもなると思い、思いきってやってみることにしたんです」
 

ビジネスプランコンテストを経験し、想いを伝えることの大切さを知る

ビジネスプランコンテストへの出場は、地元・香川県での企業展示会イベントに参加した際に、ドリームゲートの関係者と出会ったことがきっかけだ。

「イベントで事業のプレゼンテーションをした後に、ドリームゲートの方が
『ビジネスプランコンテストに参加してみませんか?』
と直接声をかけてくださったんです。
そのときはまだ、出場する意思はなかったのですが、
『今のままのプレゼンでは、言いたいことを伝えきれていない。社長として、もっとスキルアップしたほうがいい』
と感じまして。広報を兼ねて応募することにしたんです」

ビジネスプランが認められ、予選への出場が決定するも、本番3日前のリハーサルの時点では、ご主人に頼んで書いてもらった原稿をそのまま読むという状態だった。

「自分でプレゼン内容をつくることに自信が持てなかったんですよね。
リハーサル終了後に、ドリームゲートの方から
『収益が上がる見込みも大事だけど、事業への想いを伝えるほうがもっと大切なはず』
とご指摘を受けまして。
必死で事業立ち上げの経緯や、このビジネスで何がやりたいかなど、自分の想いを自分の言葉で書き上げました」

使用する資料も変更して本番に臨んだ結果、本選へ進出することになり、見事、「最優秀賞」を受賞!
自分流のプレゼンテーションが伝わったことで、大きな手応えを得た。

「ビジネスプランへの確信を持てただけでなく、
『こうやって私の想いを伝えていけば、理解と共感につながって、人の心をつかめるんだ!』
と肌で感じること ができました。
商品の良さを伝えるためには、想いまで伝えることが大切で、それが一番の説得力になるんだ、と。
また、他の挑戦者の方たちのプレゼンも、大 きな刺激を与えてくれました。
流れ落ちる汗をぬぐおうともせず、懸命にパフォーマンスする姿に、胸を打たれましたね。
私も、社長である立場を自覚して、 もっと強くこの想いを発信していこうと思いました。
新しい一歩を踏み出せたと感じています」
 

受賞後は、マスコミ露出が増え、売り上げも倍増!行政からのバックアップも

ビジネスプランコンテスト出場後、坂東さんのビジネスは大きく加速した。
マスコミからの取材依頼が急増し、行政機関もバックアップしてくれるようになったという。

「地元である香川県の人たちは、
『香川の田舎で起こしたビジネスが、東京で認められた』
と、喜んで迎えてくれました。
マスコミへの露出と相まって、注目度 もどんどん高まっていきましたね。
行政機関も地域振興の一環としてバックアップしてくれますし、
金融機関にも信頼してもらえるようになり、応援してくれます。
嬉しいことに、売り上げも顧客数も、倍になりました」

ビジネスの成長に合わせ、事業内容も拡大。
想定していたスピードをはるかに上回る早さで変化を遂げている最中だ。

「思っていた3倍のスピードで物事が動いていきますね。
今は、大手広告企業からアドバイスを受けて、ブランドコンセプトなどの整理をしています。
『農家と 一緒に自然のなかでつくっている』
というストーリーをもっとアピールしていこうと考えています。
通信販売の窓口となるホームページも新しいイメージで作り 直しましたし、
薬事法化粧品製造販売業の許可も取得しました。
素材 の効果効能の表記ができれば、こだわりも伝わりやすくなりますからね。

いずれは、化粧水などの製造販売も手がけようと思っています。
つくる人も使ってくれる人も、みんなが元気になれる仕組みをつくっていきたいですね!」

坂東未来さんプロフィール

小島靖子さん

1975 年愛知県生まれ。ピアノ奏者として演奏活動をしながら、ピアノ教室を営む。
2002年に結婚。ご主人の健康のために、界面活性剤などの化学物質や、自然素 材についての勉強を開始。
2003年、農家である実家で収穫される藍やトマトなどを使っての石けんづくりを始める。
2004年、ピアノ演奏活動を休止し、 現在の事業を立ち上げる。
2005年、有限会社藍色工房設立。
2006年、ドリームゲート大挑戦者祭に出場、「最優秀ドリームゲート賞」受賞。

会社概要

設立/2005年11月
資本金/300万円
URL/http://aiironet.com/

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