世界に一つだけのオリジナル紋章『クレスディング』制作 / (有)在花エンタープライズ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

華道・茶道の家元が自分の道と信じていた

007

「『クレスディング』って知っていますか?
これは、企業や学校などにロゴマークがあるように、個人向けや結婚する2人のために紋章をつくるんです。
結婚の場合、2人のなれ初めやゆかりあるものを参考に、オリジナルロゴを作成。
皆さんにとても喜んでいただいているんですよ」

そう話すのは、(有)在花エンタープライズの田中賀鶴代さん。
『クレスディング』とは、クレスト(紋章)をつくるという意味。
田中さんが独自で考案したサービスで人気も上々だ。

田中さんは小さな頃から茶道家、華道家の祖父母に付いていたこともあり、自分の進むべき道は、この世界と考えていた。
短大は迷わず茶道・華道の家元を目指せる学校に進学した。
そして卒業後は、企業の秘書や受付を務めながら、夜は茶道・華道の勉強に費やした。

「仕事では、もっと多くの業務を担当したかったのですが、なかなかそれも叶わなかった。
けれども、この時に学んだことは、後々大いに役立つことになったんです」

とはいえ、やはり自分をもっと表現できる仕事がしたいと考えた彼女は、次にナレーターコンパニオンという職を選ぶ。毎週、展示会や見本市に飛びまわり、充実した日々を送っていた。
 

ブライダルショップの立ち上げを依頼されたことがきっかけとなって…

007_b

「ある時、参加していた異業種交流会でブライダルショップの立ち上げを依頼されたんです。新しい分野でしたが、前向きに挑戦したいと承諾しました」

好奇心旺盛な彼女らしく、未知の分野にも果敢に挑戦。
田中さんは仕事に役立てようと、関連事業でもあるカラーコーディネイターの資格を取得した。
その資格を 生かし、来店したお客さんにドレスのカラーコーディネイトやパーソナル・カラー・アドバイスを行った。
そのサービスは好評となり、紹介で顧客もますます増 えることになった。

しかし、彼女が取り組んだのはそれだけではなかった。
当時、披露宴のお色直しは3、4回が当たり前。
そんなしきたりにも疑問を持った。

「せっかくの結婚式なのに、披露宴中、花嫁不在の時間が長いのはおかしい。
形にとらわれるのではなく、思い思いのオリジナル・ウェディングがあってもいいのではないか、と思ったんです」

当時、オリジナル・ウェディングという言葉さえ珍しい時代。
そこに、これからのウェディングのあり方を見いだした彼女の先見の明だった。

今度はフリーとして、新しい形のウェディングを手がける事業に乗り出したのだ。

「自分らしさを基本にブライダル・プロデュースを手がけました。
式に使う指輪ボックスをアレンジしたり、ウェルカムボード、花嫁が持つウェルカムポーチなどを手づくりにしたいという要望にこたえるためにスクールも開講したのです」

彼女の取り組みは、ウェディング業界に一石を投じることになった。
 

『クレスディング』を事業の柱に

フリーとして仕事をしていた彼女だったが、今後、企業と付き合う上で、法人化が必要と考えていた。
そしてその頃、会社生活に疑問を抱いて悩んでいた友人とともに、花と色のある生活を提案するプロデュース会社、(有)在花エンタープライズを開業した。

と ころが開業 5年後、友人が「自分の道を極めたい」という理由で独立、田中さんは会社を一人で経営することになり、新規事業に力を注いだ。
以前からサービスの一環とし て行っていた『クレスディング』に本格的に取り組み、オリジナルのウェディング・プランをつくった。
2人のロゴを招待状やカードに印刷。希望者には食器や表札も作成し、評判は上々だった。

「実はこのサービスを行うには、大変な苦労がありました。
ロゴのデザインやロットの少ない印刷物など料金が高くなってしまう。
でも、料金も安くてきちんとしたものを届けたいから、デザイナーや印刷会社を走り回ってお願いを続けたのです」

「オリジナルの良品を提供したい、お客さんの喜ぶ顔が見たい」
という彼女の熱意が担当者にも伝わり、このサービスは実現された。

その後、『クレスディング』を商標登録。
子供用『クレスディング』もつくり、ナプキンや袋、ティッシュケースなどに、そのロゴをアップリケとして付けた。
『クレスディング』は、雑誌に数多く取り上げられ、問い合わせが殺到した。

「今度は、新たに起業セットに力を入れています。
起業の際に『クレスディング』でオリジナルロゴをつくり、名刺やあいさつ状などに使えば、柔らかなイメージとなり女性起業家の方にもおすすめです」

このほかにも、2001年にはセラピーサロンを開業。
カラーメイクセラピーでは、100のキーワードから言葉を選んで、それを独自のマトリクスに落とし込む。
その結果でその人の望みを知り、セラピーを行うのだ。

また、ネイルやヘアメイクの出張サービスなど、事業は多方面に拡大中だ。

「今後は、『世界にひとつ』という在花のこだわり商品を広めるため、『クレスディング』などのネット通販にも力を入れていきます。もっともっとたくさんの人に喜んでもらいたいんです!」
 

【田中 賀鶴代さん プロフィール】

大阪府生まれ。
小さな頃から茶道・華道を習う。
池坊短期大学家政科を卒業後、第三セクターの会社に就職し、受付や秘書を経験。
その後、ナレーターコン パニオンとして活躍。
カラーコーディネイターの資格を取得。同時に、色彩心理学にも興味を持ち、色についての勉強を始める。
91年、友人と(有)在花エン タープライズを起業。
ウェディングのオリジナルサービスとして、2人だけのクレスト(紋章)を考案する『クレスディング』事業を始める。
99年に商標登録。

会社名   (有)在花エンタープライズ
URL   http://www.arica.co.jp/
住所   大阪府高槻市富田町5-11-16
連絡先   TEL 072-693-8714
設立   1991年10月
業務内容   ブライダル事業、商品開発、セミナー・イベント企画運営、色彩設計・色彩計画、ヘアメイクアーティスト・ネイリスト・セラピスト出張サービス、セラピーサロン運営、ネットショップ運営

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める