携帯ストラップ専門店で起死回生。売上9億3000万円 / 株式会社Strapya Next

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

携帯ストラップで世界一を狙おうとスタート。競合店を圧倒的に引き離す約9000種類の品揃えで、売上9億3000万円を達成した株式会社Strapya Next・樋口敦士さんに、その勝利の方程式を聞いた。

 

大人気となったハイビスカス・ストラップを企画・販売

 天然石アクセサリーのストラップなどを販売していた樋口さん。もっと売れるストラップを開発したいと、渋谷で女子高生たちにアンケートを取り、ハ イビスカスの花をモチーフにしたストラップを企画し、大人気商品を生み出す。その頃は卸売りに徹していたが、ある時取り込み詐欺にあってしまい、1600 万円が回収不能に。

 「卸売りは儲けも大きいですが、損失の額も大きかった。その頃はすでに法人化していたのですが、倒産寸前。やはり、地道にコツコツとやるほうがいいと考え、ネットショップを開こうと思ったんです」

 ネットショップを始めたいと考えたが手元に資金はほとんどない。1個の単価が安く、競合店が少ないこともあり、携帯ストラップ専門店でリベンジを 図ろうと決意した。以前から取引をしていた問屋から、少ロットでの卸をしてもらい、100種類あまりをそろえることができ、1999年8月にサイトオープ ン。

 

商品数の多さがサイトのウリ

株式会社Strapya Next

 ネットショップという販売形態を選んだのは、自宅で1人でもでき、初期費用が少ないことと、世界に向けて販売で きること。初期費用は5万円程度で抑えることができたという。サイトづくりは、以前アクセサリー販売を手がけたときに経験済み。なるべく多くの種類を取り 揃え、「ここにくれば気に入ったストラップが見つかる」とユーザーに思われるようなサイトづくりを目指した。

 「商品の種類の多さ、見せ方、売り方などは、アマゾンの手法を参考にしました。種類を多く取り揃え、1点1点に商品解説をきちんとつけていくのです。解説も長すぎず、商品アピールをすることが大切ですね」

 まず、サイトオープン1週間で1本目が売れ、2週間目で2本、3週間目で4本と売れていくうちに、確かな手応えを感じたという樋口さん。さらなる売り上げアップのために、さまざまな努力を惜しまなかった。

 商品数で圧倒的に競合店を上回るために、週2回は商品を新入荷。入荷と同時に少しでも早くサイトにアップするため、寝る間も食事の時間も惜しんで ストラップの解説文を書き、商品写真を撮影していた。また、入荷をユーザーに告知するために、週2回はメルマガを発行。会員登録をしている2000名ほど に配信して、大きな成果を上げていた。

 「商品も、サイトオープンから3年未満で3000種類を超えるまでになりました。携帯ストラップは飽きられてしまうのも早いので、とにかく1種類 ずつのロットは増やしませんでした。それより種類を増やすことに注力したんです。とにかくその頃は体力勝負で、気合いでサイトの更新を続けていました」

 

ファンサイトに書き込みをして販売数アップ

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 樋口さんは、メルマガのほかにも告知を怠らなかった。検索サイトへの登録はもちろんのこと、プレゼントや懸賞サイトへの書き込みも積極的に行い、プレンゼント応募の中からも注文が入るようになったという。そのほかにも、

 「たとえば、モー娘のストラップが入荷したら、モー娘のファンサイトに書き込みをして販売につなげるといった工夫もしました。また、売り上げを上げるために、ストラップだけでなく、充電器やその他機器などの携帯グッズの販売も始めたんです」

 旬な商品を素早く仕入れ、的確な告知を行っているところに勝算がありそうだ。樋口さんの取引先の問屋は、開店当初2社程度だったにもかかわらず、今では300社にものぼっている。
 
  2000年には楽天にも加入するが、それは認知度アップというより別のところに理由があった。

 「自社サイトでやっていましたが、販売数も増え、管理が大変になってしまって。楽天に登録すれば、買い物カゴなどのシステム提供を受けることができるため、それが魅力で加入したんです。月5万円の出費でしたが、システム提供はそれを上回る効果がありましたね」

 ほかにも、モバイルショップオープンなど、サイトへの入り口をどんどん増やした。現在、1カ月の出荷数は2万個以上。出荷作業はアウトソーシングして、サイトの更新、運営などに力を入れている。

 

他店舗展開で入り口を増やし、ユーザーを獲得

株式会社Strapya Next

 「携帯ストラップというニッチな市場で勝負したことが成功の要因と思っています。ここ2~3年は、ショッピングモールごとに新たにネットショップ を立ち上げ、そのモールのユーザーに合わせた見せ方を工夫しています。扱う商品は同じでも、入り口を増やすことで、ユーザーにリーチできる確率はアップし ます。この方法は今後も続けていきたいですね」

 今後は自社展開だけでなく、異業種とのコラボレーションも検討中だとか。

 もうひとつ、現在取り掛かっているのが、開業当初からの樋口さんの夢だった海外展開だ。

 「海外のオークションで反応を見ながら、携帯ストラップの英語サイトもオープンしました。まだまだ成功しているとはいえませんが、これから延ばしていきたいです。また、システム提供の業務などにもさらに力を入れていきたいですし、今後が楽しみですね」

 

年商9億3000万円への道のり~「Strapya Next」の場合~

年商9億3000万円への道のり~「Strapya Next」の場合~

1サイトオープン1年未満ですでに1100万円の売り上げ。ニッチ市場で勝負

2商品数を急ピッチで増やす。寝る間も惜しんで更新作業を続ける

3モバイル向け販売サイトのオープンや海外向けにもサイトを立ち上げ

4携帯向け販売サイトをASPでオープンするなど、積極的に出店

5ヤフーショッピングサイトへの出店を果たす

6ビッターズへの出店のほか、携帯ストラップショップ以外にもジュエリーを扱う新サイトを立ち上げ

72005年12月には月商1億円を達成。ドコモ公式ストラップヤもオープン

樋口 敦士さんプロフィール

藤田 優さん

大 学在学中に買い物代行サービスを始めるがあえなく失敗。その後、天然石アクセサリーのネットショップを開始。天然石を使ったストラップ販売を始め、スト ラップ販売に目覚める。ハイビスカス・ストラップの売り上げが順調に伸びていたが、詐欺にあってしまい売り上げのほとんどを失ってしまう。その後、再起を かけてストラップ専門のネットショップをオープン。現在多店舗を展開中。

会社概要

株式会社Strapya Next
URL/http://www.strapya.com/
創業年月/1997年4月
売上高/9億3000万円(2006年4月期)

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