トリンプ出身の女性起業家が生み出した、
国内初の下着オンラインフィッティングサービス

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 松元 順子  編集:菊池 徳行(ハイキックス)

たった30秒で最適なブラを提案。
女性の下着選びの悩みを解決!

展開している事業の内容・特徴

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「自分に合ったブラジャーが見つからない」「店頭で試着をするのは面倒」。そんな女性の悩みを解決すべく、下着のオンラインフィッティングサービス「FITTN(フィッティン)」を企画・開発したのがフィッティン株式会社だ。

ブラジャーはメーカーや使われる資材によって仕上がりが異なる。そのため、同じサイズのものを購入しても、体型やバストの形状によっては合わないときがある。そんな下着ならではの課題に着目して生まれたのが「FITTN」だ。たった30秒で体型を診断。サイズ、体形、バストの形、お悩みの4つの質問に答えるだけで、ユーザーに最適な商品を見つけてくれる仕組みだ。また、「FITTN」は、国内初となるサービスであり、下着業界全体から熱い期待が寄せられている。

「商品3000点を集め、約100名を対象にモニタリングを実施しました。伸縮性、カップの形状、容量、ワイヤーの長さ、角度など、20個の指標に基づいたデータを収集し、アルゴリズムを作成。どの項目がどのように着用感に影響するかを詳細に分析してシステムを開発しました。商品登録数も業界トップクラスなので自分にぴったりの下着を簡単に見つけることができます」(代表 本間佑史子氏)

2017年3月には、クラウドファンディング「Makuake」にて目標金額の142%を達成。新たに下着のオーダーメイドサービス「FITTIN custom line」をスタートした。AAやG、Hという特定のサイズは商品が少ないという課題を解決したいという思いから生まれたサービスだ。国産でありながら、上下セットで1万800円という価格を実現している。

下着メーカーでの経験を活かし起業。
スタッフとの対立を経て最高のチームへ

ビジネスアイディア発想のきっかけ

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トリンプ・ インターナショナル・ジャパン株式会社で、直営ブランド「AMO’S STYLE(アモスタイル)」のECサイト責任者を務めていた本間氏。「ブラジャーは付け心地が重要であるため、試着をせずにネットで自分に合うものを選ぶのは難しいと感じていました。そこで、ユーザーにフィット感を伝えるためのソリューションが必要だと考えたのが一番のきっかけです」。

およそ4年半の勤務を経て、退職。その後、女性向け下着の口コミサイトを運営するスタートアップにインターンとしてジョインする。そこで、バストサイズが同じ「C70」の人でも、体形や感覚値に個人差があるため、口コミによる判断が難しいと感じたことも起業理由のひとつとなった。

しかし、起業への強い思いはあったものの、いまいち自信が持てず踏み出せずにいたという。そんな本間氏の背中を押したのは、パートナーの何気ない一言だった。「君は自分で思っている以上に価値がある人間だよ。人生は一度きりだから、自分のやりたいことをやればいい」。この言葉に勇気を得て、2013年、同社の前身となる、スカラインターナショナル株式会社を設立。27歳のときだった。

まずは、システム開発のための人材と資金を確保するため、ECコンサルやSEO対策、人材事業などからスタート。1年半ほどして、事業が軌道に乗り始めたのを機に、本来目指していた女性向け下着ビジネスにシフトした。その後、オンラインフィッティングサービス事業を残して会社を売却し、2016年3月に設立したのがフィッティン株式会社だ。

もっとも苦労したのは、チームビルディング。起業当初はメディア露出を避けていたという本間氏だが、しだいに優秀な人材を確保するためにもPRが重要だという考えに至った。「PRよりも開発を強化すべきだ」とするスタッフと対立し、涙ながらに思いを伝えたこともあったそうだ。そうした苦難を乗り越え、「現在は最高のチームだと自信をもって言えます」と胸を張る。

商品のラインナップを拡充し、
オンライン特化型下着ブランドを目指す!

将来の展望

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現在、12ブランドとの提携を実現しているが、その大半が紹介と企業からの問い合わせによるものだという。「業界初のサービスということで、応援の意味で出店してくださっているクライアントが大半だと感じています。今はまだお客様に育ててもらっているフェーズ。これから少しずつ恩返ししていきたいと思っています」。

「逃げられなくなったら勝ちだと思う」。取材中、自らに言い聞かせるように語った本間氏。起業当初は自分一人であり、いつでも辞められる状態だった。しかし、スタッフやクライアントがしだいに増えるにつれ、「何としてでもやり遂げないといけない」という使命感の域に達したことで一気に強くなれたという。

直近の目標は、自社商品のラインナップを拡充させること。また今後は、「かわいい」「セクシー」といった情緒的な要素もアルゴリズムに組み込み、さらに来年度からはアプリ開発にも着手していく計画だ。

「このビジネスモデルは“必ずいける”という確信をもっています。今後は外部からの資金調達も視野に入れ、スピード感をもってサービスを発展させていきたいです。将来的には、トリンプ、ワコール、ピーチ・ジョンに次ぐ、人気ブランドへと成長させたい。そして、ゆくゆくは日本を代表するような下着メーカーにするというのが、最終的な大きな目標です」

「本間さんには本間さんにしかできないことがある」。これは前職の上司がくれた言葉だ。見守ってくれる人がいる。応援してくれる人がいる。多くの人の期待を原動力に、本間氏は今日も前に進み続ける。

フィッティン株式会社
代表者:本間 佑史子 氏 設立:2016年3月
URL:https://www.fittin.jp/ スタッフ数:9名
事業内容:
事業内容: 下着のオンラインフィッティングサービス、オーダーメイド事業の企画・開発・運営

当記事の内容は 2017/10/3 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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