東大大学院卒の頭脳派メンバーが開発。
チャットボットで企業の課題解決に挑む!

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 松元 順子  編集:菊池 徳行(ハイキックス)

自然言語処理技術を活用。
利便性を徹底追求し、顧客を拡大!

展開している事業の内容・特徴

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近年、世界中でチャットボットプラットフォーム開発の動きが加速している。そんな、“熱い”チャットボット市場に新風を吹き込むスタートアップが株式会社コンシェルジュだ。

同社では、LINE、Facebook Messengerなどのチャットシステムに自動応答ボットを簡単に導入できるサービスを展開している。その名も「Concierge U(コンシェルジュ)」。「当社のサービスは、SaaS型のビジネスモデルで、クライアントの要望に応じて必要な対話エンジンを提供する仕組みです」と同社代表の太田匠吾氏は説明してくれた。

同サービスの特徴は大きく分けて3つある。1つ目は、プログラミングが不要で、誰でも簡単にチャットボットが制作できる点。2つ目は、LINE、Facebook Messenger、Webチャット、アプリなど、すべてのチャットシステムに導入できる点。3つ目はチャットボットとオペレーターのシームレスな切り替えが可能である点だ。

こうしたユーザビリティの高さから、顧客対応やマーケティング目的での導入企業が増えている。「当社では単なるシナリオどおりの応答ではなく、自然言語処理の技術を活用したサービスを展開しています。たとえば、不動産会社の場合、顧客の条件に合った部屋を具体的に提案するだけでなく、内覧日の前日にリマインドを送ったり、地図を表示したりといった細かなサポートも可能。アンケートから契約までの手続きすべてをチャットボットのみで完結することができるのです」。

知的財産分野での経験を活かし、
時流に乗ったビジネスモデルにシフト

ビジネスアイディア発想のきっかけ

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東京大学大学院在学中に「アントレプレナー道場」に参加するなど、学生時代から起業に興味があったという太田氏。JPモルガン証券、官民ファンド「産業革新機構」でのキャリアを経て、2015年に大学院時代の友人であり、国内最大級の写真・イラスト・映像素材マーケットプレイスを運営するピクスタの開発部長を務めていた白倉弘太氏と共に起業した。開業資金は2人の貯蓄から供出した200万円。その後、シードマネーで数千万円を調達している。

「父親が弁理士だったこともあり、起業当初は知的財産分野のサービスを展開していました。しかし、ビジネス的な観点からスケールさせるのが難しいと判断し方向転換を決意。そこで、知的財産分野でもAIを活用した自然言語処理の技術を触っていたこと、共同創業者である白倉のエンジニアスキルをより活かせる分野であることからチャットボットに狙いを定めました」。2016年4月、Facebookの開発者カンファレンス『F8』にて、チャットボットプラットフォームの提供が発表されるといった時代の流れも、事業領域の変更という果敢なチャレンジを後押ししてくれた大きな材料だったという。そして、2016年6月から「Concierge U」の提供をスタートさせた。

「『Concierge U』は、まだ開発途上の段階です。今後も、クライアントの要望に応じて必要な機能を追加し、デザインや使いやすさをブラッシュアップしていくことで、できる限り理想形に近づけたい。また現在、対話を通してさまざまなデータがどんどん蓄積されています。このデータから得られる情報が、将来的に大きな競争力につながっていくのではないかと考えています」。

スピーディーな対応力で優位性を確保。
テクノロジーでより快適な社会を実現する!

将来の展望

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「Concierge U」がリリースされた2016年は、「チャットボット元年」と呼ばれる年だった。そんな競合が多い分野であるにも関わらず、スタートアップならではの「フレキシブルかつスピーディーな対応力」が高く評価され、着実に導入企業を増やしている。

2016年には株式会社ニッポン放送と共同で、シンガーソングライター「カノエラナ」のLINE@を制作。LINEのチャット機能を用いてラジオ番組を配信する「オールナイトニッポンモバイル with チャットボット」という新たな試みにも挑戦している。また、はるやま商事株式会社とは就活生向けのチャットボットを制作。受験生向けのアンケートを目的とした私立大学での導入も増えているという。

「『Concierge U』は、1対1の対話を通して、ユーザーと密なコミュニケーションを実現できるとともに、企業キャラクターを活かしてブランド力の向上にもつなげることができます。また、SurveyMonkey(サーベイモンキー)やGoogleフォームなどのアンケートと異なり、スマホで気軽に参加できるチャット形式であるため、若年層にアプローチしやすいのが特徴です」

「自然言語処理のサービスは、技術的にまだまだ不安定な部分が多々あります。だからこそ、今後の成長余地が大きい分野である」と語る太田氏。そんな同社が目指すのは、AIを活用した単なる業務効率化ではない。その先にある、より豊かで快適な社会の実現だ。

「少子高齢化が進む日本において、労働力の減少が問題視されています。こうしたなか、まずは、より多くのユーザーに使っていただけるサービスへと成長させたい。そして近い将来、すべてのWebサイトにチャットボットが導入される時代が来たときに、サービスの大半を『Concierge U』が提供できていたらうれしいですね。また、テクノロジーの進化に伴い、生活の利便性がますます高まっていくことが予想されます。今後、蓄積した技術を活かして、より便利で快適な社会を実現する。これが私たちの最終的な目標です」。

株式会社コンシェルジュ
代表者:太田 匠吾 氏 設立:2015年2月
URL:https://www.conciergeu.com/ スタッフ数:13名(パート、インターン含む)
事業内容:
事業内容: 人工知能ソフトウェア開発、データ収集および解析

当記事の内容は 2017/09/21 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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