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1年半で、月間10万PVを記録!
少数精鋭ならではのサイトの運営方針
展開している事業の内容・特徴
「終活」という言葉が、数年前からさまざまなメディアで取り上げられるようになった。人生の終わりをよりよいものにするために事前準備を行う活動全般を意味し、お墓の準備・遺言状の作成・遺産や相続財産の整理、そして最近では、自伝の作成などもある。
株式会社オールパートナーズは、そういった終活や相続に関する問題を解決してくれるWebサイトの運営と、相続にかかわる弁護士、税理士、不動産鑑定士、行政書士などの士業もしくは、事務所および関連企業へのコンサルティングサービスを展開している。
同社が運営しているwebサイトは「オール相続」と「オールメモリーズ」の2つ。「オール相続」は、相続に関する専門家を用途別・地域別で検索できる機能と、終活に関するあらゆる情報を集めた、いわゆる相続に関するマッチングおよびポータルサイトである。
「オール相続」は、サイト開設からわずか1年半ほどで、月間10万PVを記録するなど、日本最大規模の相続・終活サイトに急成長した。専門家の登録社数も約1000社となっており、登録希望者は今もなお増え続けている。
一方、2016年3月11日にリリースされた「オールメモリーズ」はまだベータ版という位置づけだ。さまざまな故人(著名人)のお悔やみニュースなどを随時掲載しており、それぞれのニュースにユーザーがコメントを書き込むことができるサービスである。
現在の主な収益は、士業や事務所および企業へのコンサルティングと、士業などのクライアントが「オール相続」に登録する際の掲載料だそう。同社の社員それぞれが専門領域(税務、法務、金融など)を持っており、また全員がある一定のITスキルを保持していることから、サイト制作やマーケティングはすべて社内で対応可能。ここにもオールパートナーズの強みがある。
起業のために邁進し続けてきた日々。
戦略的にスキルを身に着けることの重要性
ビジネスアイディア発想のきっかけ
相続・終活事業をスタートしたきっかけは、代表取締役社長の木村文則氏の高校時代にさかのぼる。突然父親が倒れ、そのまま他界するという悲劇に見舞われたのだ。その時、木村氏は母が大変な苦労をしていたことを目の当たりにした。また、親族が、材木商経営や呉服問屋経営など事業を成功させており、「自分も将来は何らかの事業で起業したいという思いが常にあった」という。
大学の就活シーズンも、「起業するに当たって必要なこととは何か」を見据えた選択を行った。結果、ベンチャーキャピタルへの就職を決め、東京とシリコンバレーで多くの経営者と会いながら会社経営や資金調達に関する知識・ノウハウを実地で身に着けた。その後は、Webサービスを展開する会社を自ら創業し、そこでサービスの立ち上げや、プログラミングにも触れて日々実務経験の習得に励んだ。立ち上げた会社は順調に売り上げを拡大し、数年で他社に売却することができた。そのすぐ後、再び会社を立ち上げたいと考えるようになった。
「2社目として起業する際の事業内容として、今後成長し続ける大きな市場かつ、社会の役に立つことはなにか―――と考え、複数のアイディアの中から最初にチャレンジすることを選んだのは、高校時代に悲しい思いをした“終活・相続市場”でした。この市場は、高齢化社会へとひた進む日本において、間もなく年間50兆円規模に到達し、公正証書による遺言状も年間10万件以上がつくられるまでに成長しています。やはり、この市場にはチャンスがあると考えて、資本金1000万円でスタートしました」
1社目の経験から事業立ち上げや経営にまつわるスキルには自信があった木村氏だが、終活・相続に関する知識はさすがに不足していた。そこで、木村氏はオール相続を立ち上げる前に、相続や終活を専門に扱う専門家たちの仕事にしばらく同行をさせてもらい、勉強に励んだ。必要とされる知識と、顧客からの生のニーズを吸い上げ、サイトやサービスをつくるヒントを吸収していったのだ。
こうした一連の積極的なアクションにより、終活・相続についての専門知識のキャッチアップと付随する顧客ニーズをくみ取り、2015年3月に「オール相続」を正式リリース。見事にマーケットから受け入れられるサービスの立ち上げに成功したのである。
日本中の相続・終活の悩みを減らしたい。
よりユーザーに必要とされるサービスに!
将来の展望
「相続問題は、個人の財産分与や不動産処理などももちろんですが、法人の事業承継、株式譲渡などといった問題にも発展します。法人の相続においては、継がせるのか、売却するのかなども含め、将来的には自分が金融機関にいた知識を存分に生かして、相続や事業承継問題で困っている経営者の方々のチカラになりたいですね」
木村氏は、古きよき日本の文化や知識から生まれたさまざまな事業を途絶えさせないようにすべく、「ほかに手段がないから廃業させた」というような事態をできるだけ避けたいという。今後の日本社会のためにも、再活性化させる方法などを模索していくべきだと考えている。
ほかにも、会社の強みの一つとしている自社サービスの開発環境を存分に生かし、終活・相続に関して必要とされる書類作成などを、個人でも簡単につくれるツール開発なども進めていくとのことだ。
「やりたいことはまだまだたくさんあり、それらを今運営している2つのサイト(オール相続、オールメモリーズ)の周辺ビジネスとして展開していければと思います。引き続き、アクセス数・登録社数のアップや広告枠の拡充を図りながら、『終活・相続問題で困ったら、オール相続、オールメモリーズを見ればすべてわかる』と、ユーザーの頭の中に真っ先に頭に浮かぶサイトにしたいですね」
木村氏の原動力は、“人のチカラになる、必要とされるサービスをつくる”こと。今後、同社と2つのサイトはどのような変貌を遂げていくのか――その未来が楽しみである。
株式会社オールパートナーズ | |
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代表者:木村 文則氏 | 設立:2014年9月 |
URL:http://all-pa.com/ | スタッフ数:7名 |
事業内容:・相続・事業承継の悩み・終活に関するポータルサイトの運営 ・士業など専門家、事務所、企業などのコンサルティングサービス |
当記事の内容は 2016/10/13 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。