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世界が待ち望んでいた中古建機売買のICTオンラインマーケットプレイス。「ALLSTOCKER」が建機流通革命を起こす!
展開している事業の内容・特徴
油圧シャベルやフォークリフト、クレーンなど、工場の建設からインフラ整備までを支える建設機械。世界市場でもシェア第2位を誇るコマツを筆頭に、日立建機、コベルコ建機、豊田自動織機、タダノ等、大きな存在感を誇るメーカーが、日本には数多く存在する。
世界でも「メイド・イン・ジャパン」の建機ニーズは絶大で、中古建機は新車に匹敵する台数が輸出されている。2015年時点での日本の中古建機輸出台数は主要6機種だけでも5万6789台。その中でも、もっともニーズがあるのがアジアで、第1位はベトナム、2位は香港、3位はタイとなっている。特に製造業や建設業をはじめとする第2次産業の拡大に湧くベトナムの需要は著しく、前年比で約58%の増大を見せた。(国際自動車流通協会「財務省貿易統計に基づく中古建機輸出状況より」)
だが、中古建機のニーズが高まる一方で、その売買取引環境は旧態依然である。
日本メーカーの中古建機を購入するには、日本国内で数ヶ月に1度開催されるオークションに参加する必要があり、海外のバイヤーはそこへ参加しなければ取引が出来ない。「オークションによって売買方法が異なる」、「評価基準に統一性がない」、「限定的な出品数、種類」など、海外から遠路はるばる来日するバイヤーにとっては非常にリスクが高い。
その様な問題を解決するため、画期的な特色を持ち登場したのが、今回紹介するSORABITO株式会社の「ALLSTOCKER」だ。中古建機および中古農業機械の流通に革命を起こし、総額20兆円ともいわれる巨大なアジア建機市場をICTで変えるべくリリースした、中古建機オンラインマーケットプレイスである。
同サービスによる売り手・買い手の恩恵は、まずはその手軽さだ。PCやスマホで、24時間どこからでも建機を出品または購入できる。また、ベトナム語、タイ語、韓国語、英語と日本語含め5ヶ国語に対応しており、専用のカスタマーサポートを設けている。語学スキルや貿易に関する知識がなくてもスムーズに売買できる。
次に「品質」、「決済」、「運送」についてだが、これには独自の仕組みを築いており、同サービスの最大の強みとなっている。
建機のメンテナンスや輸出に数十年携わってきた専門家らと連携し、購入する際に十分な情報である70項目の査定ポイントを抽出、テンプレート化。それら情報を、2万台に及ぶ建機データや市場ニーズと照らし合わせ、品質の目利き、公正な価格設定を実現し、品質を担保している。
また非常に高額な取引となる「決済」は、メガバンクとの提携により、巨額なキャッシュのやり取りをしないで済む仕組みを構築した。
「運送」も、従来の運送業務工数およびコストを軽減させるため、複数の物流会社との提携により、独自の仕組みを構築した。
このように、従来の取引内容とは異なり、品質から運送までを一元化させ、買い手・売り手ともに取引自体に煩わされないマーケットプレイスが、ALLSTOCKERなのである。
今年2月、SORABITO社は、姉妹サービスとなる「ALLSTOCKER Premium」もローンチした。上記の特色を備えながら超大型建機および高価格売買に対応したサービスで、扱う掲載最高掲載額は2億円超。現在、ALLSTOCKER /ALLSTOCKER Premiumでのユーザーアクセス国数は170カ国を突破している。
幼少期から慣れ親しんだ建機と培ったベンチャーマインドの化学反応が、新たなビジネスを生んだ。
ビジネスアイディア発想のきっかけ
青木氏は、建設業を営み建機がならぶ家系に生まれ育ち、幼少期より油圧ショベル・トラクターなどを乗りこなす“建機マニア”だった。年を経るに従い、商習慣やメンテナンスなどの仕方も身につけていった。建設業以外にも複数の事業を展開していた父親の影響を受け、自然にチャレンジ精神と好奇心が養われていった。
大学を卒業した青木氏は、ALLSTOCKERの前身となる建機・農機の買い取りサービスを立ち上げる。自身の慣れ親しんだ分野での事業は功を奏し、わずか1年半で業界NO1の案件獲得数を記録した。
確かな手応えを持ち事業を進める一方で、売買においてミスマッチやハイリスクな取引の常態化に気づいた青木氏。新しい取引の場の創出の必要性を感じ、2014年に設立したのがSORABITO社だった。
外資系投資銀行、財閥商社などにて海外取引、戦略立案実行を多数経験した戦略企画担当者、アメリカを拠点にするベンチャー企業立ち上げに参画した事業開発担当者、建設機械・重機・産業車両領域にて20年の事業実績のある高度な専門家、大手システム会社で基幹通信サービス開発プロジェクトに携わったエンジニア、大手ベンチャーキャピタルを経てベンチャーキャピタル・ファンド運営に注力していた人物などが中心メンバーとして参画。非常にユニークかつプロフェッショナルな構成となっている。現在スタッフは、21名。青木氏の事業にかける思いやビジョンに共感したプロフェッショナル人材が集結し、一丸となり事業を進めていける強固な陣営が形成されている。
世界中の誰もが安心・安全に日本の産機を手にすることができるように。アジアのグローバルベンチャーとして、「中古産機市場のアリババ、アマゾン、eBay」をめざす。
将来の展望
同社は先日、約5億円もの大型資金調達に成功。新たに3名のプロフェッショナル人材もジョイン。さらには、新事務所設立も間近に控え、事業をより加速させる準備を整えている。
直近で行っていくのは、世界で戦うための地盤強化。これまでのノウハウを生かし、売り手となる建設会社やリース会社が、より効率よく建機を出品できるような仕組みを構築し、売買環境の一層の整備に取り組んでいく。またアジア全域へのサービス拡充にも奮闘している。
さらに、オフラインでの出展も計画している。今月末、アジア最大級の建設機械の展示会「NEW環境展」で即売会を実施予定。また今年の末、上海で開催予定の世界最大規模を誇る国際建設機械等の見本市「BAUMA(バウマ)」にも出展を予定。リアルイベントでのPRで、ニーズ獲得の好循環を生み出していく構えだ。
取材の最後に青木CEOに将来の展望を伺った。
「日本のベンチャーが世界標準の事業を行うのは難しいと聞きますが、世界共通の“働く機械”である、産機という強みを持つ私たちであれば、それを実現できると確信しています。例えばアスクルやモノタロウといったサービスが違和感なく日本のB2Bに溶け込んでいるように、ALLSTOCKERも世界の中古産機市場の基幹サービスを担えるものです。アジア発のグローバルベンチャーとして、さまざまな国の会社、人と協力しながら、世界のディフィクトスタンダードをめざしていきたいですね。また、産機は使ってこそ意味があるものですから、産機を求める誰もが、確かな満足を感じられるようにしていきたいと思っています。そのために、今後はマーケットプレイスを中心とした周辺事業領域への展開を検討しています。めざすは世界中古産機市場のアリババ、アマゾン等です。」
SORABITO社のコーポレート・スローガンは「明日をつくる」ことだという。その大きな明日に向け、同社は今、さらなる一歩を踏み出した。
SORABITO株式会社 | |
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代表者:青木 隆幸氏 | 設立:2014年5月 |
URL:http://www.sorabito.com/ https://allstocker.com/ |
スタッフ数:21名 |
事業内容:働く機械のグローバルマーケットプレイス「ALLSTOCKER」の企画・開発・運営 |
当記事の内容は 2016/05/10 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。