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資料作成クラウドサービス「SKET(スケット)」とBtoBビジネスマッチングサービス「Boxil(ボクシル)」が、日本の営業活動を変える!!
展開している事業・特徴
「日本のホワイトカラー労働生産性を飛躍させる」をミッションに、資料作成クラウドサービス「SKET」とBtoBビジネスマッチングサービス「Boxil(ボクシル)」を展開する株式会社スマートキャンプは、2014年6月に創業したばかりのベンチャーだ。
チラシやパンフレットなどを作成する際、少しでも成果をあげようと、プロのデザイナーに制作を依頼する事は多いが、営業用資料の作成をプロに依頼するという方は少ないだろう。
しかし、特に法人向けの営業活動では、相手の手元に残る資料のクオリティーは成果に直結する。資料の内容はもちろんだが、見栄えや伝え方は重要なのは言うまでもない。
そこで登場したのが、資料作成のクラウドソーシングサービス「SKET(スケット)」だ。サービスはシンプルで、ラフスケッチやホワイトボードをスマホで撮影して送るだけで、綺麗なパワーポイント資料にしてくれる。すでに70社以上の利用実績があり、料金は1枚5,000円からとなっている。
そしてもっとも重要な品質についてだが、同社のチーフクリエイターであるmorishige氏の作成した「見やすいプレゼン資料の作り方」というスライド資料はslideshareにて100万viewを超える人気ぶり。クオリティーは折り紙付き。資料作成デザイナーになりたいという方も多いそうだが、審査通過率は10%未満と狭き門である。
そして、同社が2015年5月に投入した新サービス「Boxil(ボクシル)」にも注目したい。同サービスはさまざまな会社から登録されたプレゼン資料をWeb上で閲覧、ダウンロードできるようにしたものだ。狙いは受注をめざす企業と発注先を探すユーザーをつなぐB2Bのビジネスマッチングで、資料の掲載も閲覧も無料で使える。
同サービスの仕組みはこうだ。まず資料のダウンロードをすると、そのユーザーのリードが資料を提供した会社に伝わる。提供元の会社はダウンロードしたユーザーに連絡をすることで、商談機会を得る。相手も興味があって資料をダウンロードしたのでスムーズに話が進む。また、チャット機能もついており、気になった資料や会社があれば、気軽に問い合わせができるようになっている。
Boxilはスタートして2ヶ月あまりとなる2015年7月時点で、登録会社はおよそ100社。資料のダウンロードを介した商談発生数は800件を超える。
登録会社の内訳は、各種クラウド系サービス会社や会計ソフト等のソフト会社など、IT系が中心。また、ソーシャルグルメガイドRettyやスマホメディアのViRATES、プチ社食で有名なおかんなど、エッジの効いたベンチャーが登録会社に名を連ねる。
自らの生きがいを求めた起業。実感から業務効率の改善を事業ドメインに定める。
ビジネスアイデア発想のきっかけ
スマートキャンプ社の代表を務める古橋智史氏は、現在27歳。古橋氏は新卒でみずほ銀行に入社したものの、自分の将来を俯瞰したとき、一抹の不安を覚えたことから起業を考えはじめた。
「銀行は年功序列の世界で、将来については銀行内でしっかりと決められたコースがありました。それはそれで安心ではありますが、ふと考えたときに、このままでいいのか? という強い疑念が浮かびました。このままキャリアを積み、年齢に応じて立場が変わり、やがて定年を迎える。そういったきめられた将来設計が、自分には合わないと思いました。定年という概念にも疑問がありました。一般的には、60~65才くらいで会社を定年退職し、いったん社会的な役目を卒業することになります。でも、それ以後の人生で何もしないというわけにはいかないですよね。しかし、一度定年で退職してしまうと、その後に社会へ再帰するのが難しそうだと思いました。反面、私は真剣に100歳まで生きたいと考えていますし、一生涯仕事をして、社会的意義を全うしたいと本気で思っています。なので、そもそも会社員は向いていないと。それであれば起業しかないと考えました。」
そうして起業を決意し、みずほ銀行を退社した古橋氏は、Webマーケティングやインターネットメディアなどの事業を行うベンチャー、Speee社に修行のつもりで転職した。そこでベンチャービジネスを体得しようと考えていたが、意図せず見つけたのは、「業務の効率化」というビジネス課題だった。
古橋 智史氏によれば、「SKET(スケット)」および「Boxil(ボクシル)」の開発のきっかけとなったのは、営業資料の制作にかかる時間の多さ。また、従来のテレアポやネット広告などの非効率さ。いずれもホワイトカラーの生産性というビジネスの大きな課題だ。
まず業務が非効率となる要因の最たるものは長時間の残業だ。残業しなければいけない理由を紐解いていくと、原因の1つとして「資料作成」につきあたった。資料作成にかかる手間や労力を改善できれば、営業は営業としてパフォーマンスを滞りなく発揮できる。加えて、資料のクオリティによっても、売上に寄与できるのではと考えた。そうして創業事業であるSKETのビジネスモデルを練り上げて、スマートキャンプ社を設立した。
また、営業活動自体にも非効率な点がある。営業としてよく行われるテレアポだが、古橋氏の試算によれば日本全体で新規テレアポの累計回数は年間約9億6,000万回にも達するそうだ。これは見込み顧客のリストを持たないがゆえ、人海戦術そのままの旧態然とした非効率な営業活動である。電話がかかってくる方からしてみれば、特に興味も湧かない商品やサービスの売り込みをされるテレアポは、正直ストレスを感じる。営業活動といいつつ相手に嫌われかねない活動というのは、まったくのナンセンスだ。
また、インターネット広告、とくにリスティング広告にも問題は多い。かつては斬新で真新しい広告手法であったリスティング広告も、今では出稿競争が過熱し、広告単価は高騰。1クリックを得るだけでも数百円から1000円を超える場合も少なくない。高騰した広告費分は商品やサービス代金に上乗せするしかないが、値上げというのはなかなか出来るものではない。
こうした営業活動のネックを改善し、「最適なユーザーに対しての最適なアプローチ」が可能にしたいと考えて開発したのが「Boxil(ボクシル)」だった。
さらに、そこにSKETで培ったノウハウも生きてくる。SKETは冒頭で述べたように、クラウドソーシングでクリエイターたちが各社の資料作成を代行するというもの。資料作成にかかる手間を省け、かつインフォグラフィック化された最適な資料を手軽に手にいれることができる。このノウハウを駆使し、Boxilには、各受注会社の資料を最適化させる「Boxilペーパー」という有料プランが用意されている。これはプレスリリースや営業資料等などを、インフォグラフィックを用いて作り替えるというもの。単なるテキストに羅律ではなくビジュアルでの訴求力を高める事で、同じ資料でもユーザーの反応率を高める効果が期待できる。
また、「Boxil CTA」という有料サービスもある。こちらはリード獲得の最適化を行うというもので、製品情報や業界動向等のホワイトペーパー作成からオウンドメディアへの掲載、さらに資料請求等のダウンロードボタンの設置をパッケージ化したものだ。「Boxilペーパー」「Boxil CTA」いずれも、10万円から利用ができる。
2016年中に登録会社数5,000社の達成を目指す!
将来への展望
設立時にベンチャーキャピタルよりシード資金として数百万円を調達したスマートキャンプ社。滑り出しは順調で、オウンドメディア支援のサムライト社の経営者でもある柴田泰成氏を共同創業者として、また数々の有名ベンチャーで役員を務めている須田仁之氏も経営陣に加わり、強固な経営チームを構築した。
今後の展望について古橋氏に伺ったところ、当面の目標は2016年中に登録会社数5,000社の達成という事だが、そのためにはまずは人材採用に注力したいという事で、直近で7人くらいの増員を予定しているという。もちろん人数をそろえる事が目的ではなく、人材の質を重視している。例えば2015年2月にジョインした某エンジニアスタッフは、古橋氏が1年間もアプローチし続けて口説いたそうだ。
また、2015年4月30日には、ソラシド・スタートアップスより約2,000万円の資金調達にも成功した。現在は、サービスの強化、社内基盤の拡充を進めている段階で、さらに今後の事業展開に向け、新たな資金調達の計画も進めている。
スマートキャンプ株式会社 | |
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代表者:古橋 智史氏 | 設立:2014年6月 |
URL: http://smartcamp.asia/ |
スタッフ数:5名 |
事業内容: ・資料作成のクラウドソーシングサービス「SKET」の開発・運営 ・BtoBビジネスマッチングサービス「Boxil」の開発・運営 |
当記事の内容は 2015/7/28 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。