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働きながら、難関資格をめざす人に朗報!! オンライン資格講座「資格スクエア」が、いつでもどこでも勉強できる環境を創出
展開している事業内容・特徴
司法試験予備試験、司法書士、社労士などの法律資格や、簿記、ビジネス会計などの会計資格。あるいは弁理士、知財管理の知財資格、宅建の不動産資格、中小企業診断士などの資格勉強がオンラインでできるサービス「資格スクエア」が人気だ。
同サービスの基本的な使い方は、講義動画を見て学習するというシンプルもの。料金も簿記講座などは月額1000円、司法書士講座なら月額5000円から。人気の司法試験予備試験講座で月額13000円、年間一括払いだと198000円とリーズナブル。従来の資格学校だと授業料が月額4.6万円~、1年間通うとトータルで83万円という相場だが、同サービスはその1/4以下という圧倒的な低価格が魅力だ。
安さの秘密は、オンライン専業のサービスであること。従来必要だった賃料やテキスト印刷費、広告費などをカット。従来型のサービスと比べて2~3割の運営コストになり、それが格安講義を実現している。もちろんオンライン動画なので、ユーザーは好きな時間になんどでも「講義動画」を見て勉強できる。
安いと言っても、講師の質を下げては意味がない。同社では優秀な講師陣も売りの1つで、有名予備校出身者を中心とした約30人の講師陣を揃えている。公開されている講義動画は約3500本超。これは毎月100本ペースで増えているという。
運営・開発元は株式会社サイトビジット。2013年4月24日に創業されたばかりのベンチャーだ。詳細なユーザー数、アクセス数などは非公開だそうだが、ユーザー数について前年比倍増のペースで伸びているという。
サービスリリース当初は知財資格からはじめたためか、ユーザーの割合では知財資格受講者が多い。しかし、最近は司法試験予備試験のニーズも高まっているそうで、年齢層としては30代〜40代が中心。50代以上も受講者もいる。
授業の構成も社会人がうけやすいように、資格予備校や通信講座と比べて1回の授業時間は短く設定している。
サイトビジット社代表の鬼頭 政人氏によれば、現状の塾は講師が儲からない仕組みになっていることが大きな問題だという。そこで資格スクエアでは講師とのレベニューシェアモデルを採用。動画の人気が上がるほど、講師は儲かる仕組みだ。
資格試験の市場規模は約3000億円。そのうち、e-ラーニングだけだと約1000億円程度で、伸び率は毎年20%程度と成長市場だ。
「一国一城の主として」事業を展開する、ベンチャーの魅力を実感し起業!
ビジネスアイデア発想のきっかけ
株式会社サイトビジットを創業した鬼頭 政人氏の経歴は華やかだ。開成高校から東京大学法学部に進み、慶応大学のロースクールを経て弁護士になった。誰もが羨むエリートコースを歩んだ鬼頭氏だが、起業家になることを決意したのは、友人の紹介で弁護士事務所から転職した産業革新機構でのこと。
同僚には元マッキンゼーやゴールドマン出身なども多く、ビジネス界の猛者たちと肩を並べながらの日々を送る鬼頭氏。弁護士事務所とはまったく勝手の異なる職場だった。クライアントとして出会った起業家たちと話すうちに、いつしかベンチャーの世界に魅力を感じるようになっていった。
「組織の一員として働く人よりも、自分で会社を立ち上げ事業を成している人にインスパイアされました。言葉ではうまく言えないのですが、起業家という人種は何か違うなと感じたんです。それで、起業を決意しました。当初は、弁護士事務所開業という選択肢もありましたが、会社を立ち上げたのは、新しい価値を提供していくベンチャーマインドに共感したことですね。また、出会った起業家には同年代もいたので、それも大きな刺激になったと思います」
そうして、ビジネスアイデアを練る中で、資格スクエアの構想に至り、2013年12月にサービスの提供を開始した。
サービスの実現には講師の確保が必須だったが、産業革新機構のクライアントつながりで大手資格試験予備校の有名講師と知り合い、鬼頭氏のビジネスアイデアを聞き快諾してくれた。また、既存の塾の報酬システムへ不満を抱く現役講師も少なくないことから、ビジョンに賛同してくれる講師が次々と現れた。
登録ユーザー数、PVともに昨年比倍増と成長期に突入している同社。最近では伊藤塾という法律資格・公務員試験専門予備校の花形講師も講師に迎えた。
このように波に乗るベンチャーだが、これまでの苦労話を鬼頭氏に聞くと、「料金」という答えが返ってきた。
「実はサービス当初は今の料金体系よりも安かったんです。年間数十万の費用がかかる塾に対して、当社は年間で見積もっても数万円。しかも、月数千円の月額課金です。そこが、逆に潜在ユーザーを不安にしてしまったようですね(笑)。でも、有名な講師も在籍していますし、何より体験者の『画期的に良いサービス』との口コミもいただいて信頼を得ることができました」
業界初「クラウド」×サービス「リアル」で、誰でも資格試験にトライできるインフラを構築!
将来への展望
今回の取材をして間もない2015年2月12日、同社は新サービスとなる「資格スクエアクラウド」をリリースした。これは資格試験業界初となるクラウドを活用した司法試験予備試験対策サービスである。講義のみがオンライン化された従来のe-ラーニング環境に対し、同サービスはテキスト、レジュメ作成や要所の付箋、単語帳、質問等々・・・、学習に必要な機能がすべてオンライン上に搭載されている。つまり、インプットもアウトプットもオンラインで行える仕組みだ。既存のe-ラーニングでは、レジュメ作成などはリアルでの作業となるため、画面を見たり机の参考書を紐解いたりと、なかなか煩雑な思いをしているユーザーは少なくない。
きめ細やかでさまざまな特色を持つ同サービスだが、その最大のメリットを3点に絞ればリンク、単語帳、質問機能だ。
リンクについて、これまで法律の勉強は、ひとつの法律を覚えるにしろテキスト、条文集、判例集と何冊もの書籍からソースをすくい上げ勉強しなければならなかった。だが、同サービスでは、リンクを用いてそれらを一元化。クリックひとつで内容を深めていくことができる。
単語帳では、理解の向上と内容のブラッシュアップを手軽に行える。一般に単語帳というと、英単語のように表には“have”、裏には“持つ”といったような単純なものを思い浮かべるが、法律資格の場合は勝手が違うそうだ。例えば、ある法律を覚えようとしても、A説とB説というように有力な説が複数あり、さらに各説についても解説が異なるといった具合だという。つまり、法律の単語帳はキーワードが同じでも裏面の答えは誰もが一様ではなく、独自の単語帳づくりをしていかなければならないのである。これに対して、同サービスの単語帳機能は、重要単語のピン留めや編集機能はもちろんのこと、「これから」、「まだまだ」、「もう少し」、「バッチリ」という内容理解のステータス表示機能も搭載。覚えていない箇所だけを、効率よく学ぶことができる。また、さらに、「みんなの単語帳」といった共有機能もついており、他ユーザーの単語帳を参考にすることも可能だ。
そして、質問機能では、オンライン上で質問でき講師や資格合格者から回答を得られる機能だけではなく、自分の参考となる他のO&Aを手軽に探せる機能も搭載。ユーザーの質問内容を分析予測し、過去のQ&Aから参考度合が高いものを自動表示してくれるのである。
上記に加え、3月末には更なる新機能が搭載される予定。それはアウトプットをサポートする復習機能だ。正解率によって分類した試験問題をカテゴリ化。ユーザーは各問題に対して、「もちろん○」・「たぶん○」・「たぶん×」・「もちろん×」といった4択形式で復習を行っていく。これにより、勉強内容の優先順位を明確化することが可能だ。
資格スクエアクラウドは現状では司法試験予備試験を対象としているが、行政書士、宅建、中小企業診断士など、随時各種資格への対応が予定されている。
インタビューの最後に、今後の展望を鬼頭氏に伺った。
「資格対策という括りだけではなく、勉強の仕方についてイノベーションを起こしたいと思っています。そして、時代を俯瞰すれば資格試験やあらゆるテストが完全にペーパーレス化するのは目に見えていますから、そこにいち早くフィットできる勉強の新しいインフラ構築が当社のめざすビジョンです。また、資格スクエアクラウドは、例えば会社での講習などにも使える汎用性の高いサービスであるとも考えています。なので、今後はOEMでの展開も積極的に進めていきたいですね」
株式会社サイトビジット | |
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代表者:鬼頭 政人氏 | 設立:2013年4月 |
URL: http://www.shikaku-square.com/ |
事業内容: 資格試験のオンライン対策サイト「資格スクエア」の運営 |
当記事の内容は 2015/2/26時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。