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ネットから大自然へ! はじめてでも気軽にアウトドアレジャーにいけるサービス「sherpa (シェルパ)」
展開している事業内容・特徴
釣りや登山にキャンプなど、近年、若者中心に男女問わずアウトドアレジャーブームが再熱している。都会での日常を忘れて、壮大な野山で思い出の時間を満喫したいという人々も多いだろう。
しかし、仕事はパソコンの前で座りっぱなしで運動不足、食事もコンビニばかりといった生活をしていると、なかなか自然の中で全身を使って遊びたいとは思っても、なかなかその第一歩が踏み出せない。いざ行ったとしても、満喫できるのか…体も動くだろうか…、そんな不安も去来する。
このような、“興味はあるがきっかけがないユーザー”へ、アウトドアレジャーの魅力を伝えながら、「はじめてでも・手ぶらでも・気軽に楽しめる」日帰りツアーを提供するサイトが今回ご紹介する「sherpa (シェルパ)」だ。
単にアウトドアスポットを探すだけのサービここれまでもあったが、同サービスのポイントは、現地でアウトドアツアーに実績を持つツアー会社と提携し、プランを紹介している点。つまり、ユーザーは同サイトから行きたい場所を選ぶだけでアウトドアレジャーへの手はずが、自動的に整うという仕組みだ。
2013年12月現在、提携している会社は80社、約120ツアーほど。対応エリアは1都9県(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、長野県、山梨県、静岡県)のみだが、日本全国への対応準備も進行中とのこと。
アウトドア初心者にとっては、冒頭で述べたように釣りや登山を思い浮かべる人も多いと思われる。しかし、同サイトでの一番人気のレジャーは「ラフティング」。テレビなどで見た事がある人も多いだろうが、ボートで激流を下る遊びが「ラフティング」だが、そう聞いてぱっと思い浮かぶ人は少ない。
アウトドア自体がまだまだ認知度が低く、アウトドアレジャーの名称や遊び方は経験者しか分からない部分も多いため、はじめての方が遊びに行こうとする場合、どうしてもハードルが高くなる。
この問題を解消すべく、同サイト内ではブログや公式facebook内で、レジャー情報も積極的に発信している。例えば、ボートで激流を下る「ラフティング」、滝壺をウォータースライダーのように滑降する「キャニオニング」、山斜面の悪路を4輪又は8輪で踏破する「バギー」など、それぞれどういったものか、またそれらの醍醐味を分かりやすく伝えてくれている。
さらに、各ツアー会社ブログともリンクしており、“アウトドアレジャーのプロ”であるツアー会社のスタッフを身近に感じることが出来る。このような配慮から、ユーザーは安心してツアーを選べる。
しかし、アウトドアでは、どんな方でも100%の安全を確保することは難しい。そこではじめての方も安心してレジャーを満喫出来るように、安全への配慮や保険などが充実した良質なツアー会社のみと提携している。
エリア・ツアー検索、閲覧などすべて無料で、「sherpa」を運営するシェルパ株式会社の主な収入源は、ツアー契約成立時の手数料となっている。
就活で問いかけられた“即答の時”を待って起業。同僚との会話からアイデアがひらめいた。
ビジネスアイデア発想のきっかけ
「シェルパ株式会社」を起業した浅川 恭平氏は母や親戚に自営業を営む人が多い環境育ち、「将来は開業を」という思いが幼い頃からあったという。具体的に起業を意識したのは大学生時代。Barでアルバイトをしていた浅川氏。Barを立ち上げた人達が実に楽しそうに仕事をしている姿や、デザインから何まで手作りで挑戦する姿勢“に感銘を受け、自分も起業して何かを作り上げようと決意した。
しかし、ある会社の社長に就職活動の相談をした際、「起業したいと言っているのに、なぜ今すぐ起業しないのか?」、「私が君に一千万投資するとして、今すぐ起業出来るか」と相手の社長に問われ、浅川氏は答えにつまった。
「即答できないなら、時機じゃない。即答できる時が、君が起業するタイミングだ」との相手の言葉が胸に刺さった。そこで、いきなり起業するのでなく、まずはビジネスの修業として営業を学ぼうと思い、広告代理店に入社した。
そうしてベンチャーのアイデアを練りながら、日々の仕事をこなしていた浅川氏だが、ある日「サーフィンをしたいから教えて」という友人からの相談を受けた。
サーフィンが趣味だった浅川氏は快くレクチャーを引き受け、休日に連れ立って海へと向かった。「また、ぜひやりたい」と同僚は喜んでくれた。「今まで、サーフィンをしたいと思っていたが、なかなかきっかけがなくて…」という言葉に、浅川氏はビジネスになるのではないかと気づいた。
「アウトドアレジャーに興味を持ってはいるが、一歩を踏み出せない人はたくさんいるのではないか。また、このような人々にとって有益な情報やきっかけが圧倒的に少ないのではないか」
そこで、アウトドアレジャーへの架け橋となるサイトを作ってみようと決意した。ここが浅川氏にとって “即答の時”であり、ベンチャーを起業することを決意した。
そうして2010年2月に会社を退職。5年間で貯めた貯金を元手に、サービスを立ち上げるべく個人事業を創業。2011年4月にサービスを公開した。1年に渡る準備期間はサービスの開発、ツアー会社へ営業と並行しながら、Webサービスの企画・開発、運営などの受託事業で、開発資金やスタッフの給与を稼いだ。
サービスインから3年目となった2013年12月時点で、提携しているツアー会社は80社以上に広がった。
スタート時は、メールと電話でアポを取り、地道に営業を行っていたが、最初はなかなか上手くいかなかった。1社づつ実際に足を運んで営業活動を行うも、業界の知識や相場観も分からず、門前払いを食らったこともあったが、営業先の相手から叱咤激励されつつ業界について学び、熱心さが通じて契約を取り付けた。また、一つ決まると、そこから次の会社を紹介してもらうこともあった。こうして、現場へ赴き、サービスの魅力を伝え、提携を打診するという地道な営業は功を奏し、ツアー会社の間にsherpaの名がじょじょに知られるようになり、しだいに提携会社は増えていった。
一層のエリア拡大を目指しながら、ネットが現実を何倍も面白くさせるサービスを提供していく。
将来への展望
2013年12月現在、対象エリアは関東のみとなっているが、まだ知られていない素晴らしいアウトドアスポットを紹介するため、日本全国への展開を準備している。特にアウトドアレジャーの主要地である北海道と沖縄のツアー会社との提携に力を入れている。
また、徐々に競合サービスも登場して来ていることから、サイトを訪れたユーザーが確実に有益な情報を入手でき、満足してもらえるよう、サイトのブラッシュアップも進めており、近々にはリニューアルオープンする予定だ。
最後にこれからのsherpaの方向性について、浅川氏はこう語ってくれた。
「現時点でのサービスは、サイト上でエリアを検索し、ツアーを予約してと、インターネットで完結しているが、そうではなく、現実の体験も豊かにしていきたい。今後は、ツアーに参加した顧客が “sherpaで予約して良かった”と感じ、実際のアウトドアレジャーツアーが何倍にも楽しくなるような現場に寄与し得る付加価値を提供していきたい。アウトドアレジャーのツアーサイトを運営している根底には“人々を元気にできるサービスを提供していきたい”という強い想いがある。 浅川がいたから、世の中が面白くなった、と言われるような経営者になりたい」と語ってくれた。
シェルパ株式会社 | |
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代表者:浅川 恭平 | スタッフ数:7名 |
設立:2011年4月 | URL:http://www.sherpa-sw.com/ |
事業内容: アウトドアツアーの予約サービスシェルパの運営 Webサイトの企画、開発、運営 インターネットによる集客支援 |
当記事の内容は 2013/12/17 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。