毎月倍々で急成長中! 育児に特化したキュレーション型ECサイト「ベピートピア」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

育児に特化したECサイト。コンテンツマーケティングで急成長!
展開している事業内容・特徴

babytopia1 「日本で多くの人が使うECサイトは?」と聞かれたとすると、楽天、Yahooショッピング、Amazonなどの大手サイトが思い浮かぶ。こうした巨大企業にベンチャーが伍していくのは確かに難しいが、ZOZOTOWNのような後発組の成功事例があるように、まだまだ戦える余地はある。最近のECサイトの成功モデルの一つが特化型だ。そして、情報発信も合わせたキュレーション型のビジネスモデルに注目が集まっている。

今回紹介するのは、新規参入したベンチャーで、育児に特化したECサイト「ベビートピア」。まさに特化&キュレーション型の仕組みをうまく取り入れたビジネスモデルの好例といえる。

2012年10月に株式会社クールミントが設立され、同年12月にスタートしたばかりの「ベビートピア」。主に海外メーカーの育児用品を取り扱う。同社代表の浅川威氏が子育ての真っ最中ということもあり、自分自身の経験も交えた育児情報も併せて発信している。ちなみに、浅川氏の妻は米国人女性。海外の育児事例などを含めた情報コンテンツが人気なのだ。

欧米のおしゃれママ・パパたちの間で火がつきつつある最新の流行アイテムは、日本にはあまり入ってきていない。こうした商品の多くは、現地でも人気セレクトショップなど販売チャンネルを厳選しており、日本では情報を得にくい状況だが、機能性とデザイン性を兼ね備えたものが多く、日本国内でもかなり人気が高い。特にギフト需要が大きく、そこに目を付けた浅川氏は、日本ではなかなか手に入りづらい海外メーカーの育児用品をメインで扱うECビジネスを立ち上げた。

「ベビートピア」では世界中にママ・パパのネットワークを構築し、欧米で流行しているアイテムの情報を独自に収集。また、海外の主要展示会に参加したり、人気ブランドの経営者と直に会って情報交換を行うことで、最新トレンドをいち早く入手している。そうした点が同社の大きな強みになっている。

2013年8月時点で500アイテムほどの品ぞろえだが、英王室のウィリアム王子とキャサリン妃の間に産まれたジョージ王子の報道も追い風となり、近々では前月比250%以上という売上増を記録したそうだ。

どうせ起業するなら自分が楽しめる仕事を!
ビジネスアイデア発想のきっかけ

babytopia2浅川氏が起業を志したのは20代の頃。石油会社、米系の消費財メーカーを経て、2006年にシカゴ大学でMBAの取得した後、ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)に入社。執行役員として海外展開や新規事業を担当することになる。

GDO入社のきっかけとなったのは「テレビ番組」だ。留学生時代、日本在住の友人からテレビ番組を録画したテープをアメリカに送ってもらっていた浅川氏は、たまたまその中でGDOの創業者である石坂信也氏を特集した番組を見て感銘を受けた。そこで浅川氏はGDO社に2カ月ほどインターンすることに。その際にまとめた事業計画をGDO社の石坂社長にプレゼンしたところ、「ぜひ当社に入ってこの提案を実現してくれ」と請われ、GDO社への入社を決意する。

その後、2011年にソーシャルゲーム大手のグリーに転職するものの、自らベンチャーをやりたいという思いは強く、2012年に同社を退職し、株式会社クールミントを設立した。ECサイトというマーケットでの挑戦を決めたのは、GDO勤務時代の経験からだという。

 また、育児というテーマを選んだのは、自分自身に子供ができたことが大きいそうだ。30代後半にさしかかり、娘が生まれたことによる心境の変化、価値観の変化が、ベビートピアを立ち上げるきっかけとなったのだ。

起業前の半年間を準備期間に充てた浅川氏。2012年9月には米国・ケンタッキー州で行われた世界最大級のベビー&キッズアイテムの見本市「ABC Kids Expo」にも参加。これから立ち上げる予定のECサイトの「デザイン」だけをiPadでプレゼンしながら商談を進めた。結果、浅川氏の情熱に打たれたメーカーから、まだ立ち上がってもいないECサイトに商品を提供してくれる確約を取り付けた。

スタート当初はまったく売れなかったが、2、3カ月を過ぎたあたりから売り上げが伸び始めた。売り上げの4割近くをギフト需要が占めるそうで、ベビーカーやチャイルドシート、ぬいぐるみ、肌着などが売れ筋だという。

また、キャサリン妃が初めてジョージ王子を抱いて病院から出てきた時、ジョージ王子を包んでいた「おくるみ」が爆発的な大ヒットとなり、世界中で入手困難な状態になった。たまたま同社はブームになる以前から同商品を取り扱っていたこともあり、今なお、同サイトの人気商品の一つになっている。

アメリカ進出を模索中。ECだけでなく複合的なビジネス展開を目指す
将来への展望

 日本でECビジネスを始める際、楽天やyahooショッピングなどに出店するのがセオリーだが、同社はあえて自社サイトだけで勝負をしている。浅川氏曰く、楽天などは機能的だが買い物を楽しむという仕掛けにはなっていないから。「ネットでの買い物自体をエンターテインメントに」。それが浅川氏の思いだ。

また、ECだけでなく、育児そのものをテーマにした複合的なビジネスを展開していきたいという浅川氏。すでに海外展開の準備も進めているそうで、具体的にはアメリカに進出する計画だという。

 最後に浅川氏に目標とする経営者を伺ったところ、GDOの石坂社長の名前が挙がった。日本でゴルフ関連のECといえばGDOが有名だが、同様に育児といえばベビートピアの名前が一番に出るようにしたい。そうしたカルチャーを持つ会社にしていきたいとのことだ。

株式会社クールミント
代表者:浅川 威
設立:2012年10月 URL:http://www.babytopia.jp/
事業内容:
育児用品のeコマース事業

当記事の内容は 2013/9/17 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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