85%が愛が深まったと回答!ケンカの原因を徹底的に排除したカップル専用SNS「Pairy(ペアリー)」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

愛が深まる確率85%!2人の愛を長続きさせるカップル専用SNS
展開している事業内容・特徴

pairy1誰にも邪魔されず、2人だけのつながりを、離れている時でも感じることができる――。そんな、恋人同士限定で使える、“カップル専用SNS”が流行っている。しかし、使い方によってはケンカの種になったり束縛感を持たれたりする恐れもありそうだ。今回は、「2人の愛を長続きさせること」をコンセプトにつくられた“カップル専用SNS”をご紹介する。

「Pairy(ペアリー)」は、2012年6月にリリースされたカップル専用のSNSアプリ。大きな軸は、「思い出をつくること」と「思い出を振り返ること」、この2つである。

まず、「思い出をつくること」に関しては、「Pairy」内で2人だけのスケジュール管理機能や、「Pairy」が配信している飲食店特集や映画・イベント情報からデートの場所を探せる機能がある。また、特定の場所に「気になる!」ボタンを押すと、2人専用の「行きたい場所リスト」ができ上がる。また、デート中に撮った写真は、瞬時に10枚単位でアルバムに保管でき、撮影した日付に応じて自動的にフォルダ分けされるので、見たい写真をすぐに探し出すことができる。

「思い出を振り返ること」に関しては、共有した写真の検索性の高さはもちろん、写真の左上に表示された数字を見れば、2人が付き合ってから何日目に撮られた写真なのかがわかる仕組みとなっている。また、チャット機能の一部として、日付を指定して過去のチャットを見ることができる機能も付加される予定だ。

さらに、「ぺアプロフ」という2人のプロフィール機能も。例えば、付き合い始めた記念日、お互いの誕生日、お互いの指輪のサイズなど、さまざまな情報を管理できる。また、「恋人の好きなところは?」「いつ頃からお互いを意識し始めた?」など、互いの愛を確かめられる項目も用意。記念日を入力しておくと、2人が付き合い始めて何日目かがわかり、記念日の1週間前にプッシュ通知で知らせてくれる。

「Pairy」のターゲットは10代、20代のカップル。日本全国で400万組くらいといわれているが、彼・彼女たちは、デートや旅行、誕生日やクリスマスのプレゼントなどで1年間に1.3兆円も消費しているそうだ。これらの消費をターゲットとした「Pairy」が進めるマネタイズは大きく2種類。

一つ目はOtoO(Online to Offline)。例えば、Pairyの中に表示される飲食店に「気になる!」ボタン押してくれたカップルに、直接その店から招待券を発行してもらうようなモデル。現在はこれに向けて、「気になる!」の数を増やすことでその土台を作っている。

もう一つはEC。記念日やお互いの誕生日などのプレゼントを、「Pairy」上で提案している。もちろん、男女間で見ることができる商材は違うので、相手に商品やその値段が知られることはない。「男女間のプレゼントでECはまだまだ一般的ではないが、見せ方や商材の課題をクリアすれば、5年後にはそこには大きなマーケットがある」と「Pairy」を運営する株式会社TIMERSのCOO田和晃一郎氏は語る。

ギフトだけでなく2人で楽しめる商品も提供中だ。2人のアルバムの写真を使って作成するフォトブックは1500円だが、リリース以降は一定数の注文が恒常的にあり、人気を集めている。さらに2013年6月21日から、誕生日ケーキやデコレーションケーキの通販サイト「クリックオンケーキ」と業務提携し、アプリ経由でのケーキの販売も開始した。

このようなさまざまな機能のおかげで、「Pairy」利用者の85%が“愛が深まった”と回答しているそうだ。2013年3月時点で月間240万PVを突破。2013年6月現在、アルバムに投稿された写真の総数60万枚。これらの数字を見れば、人気のサービスに成長していることがわかるだろう。

ネット上での繋がりよりも、身近な人との繋がりを大事にした方が幸せになれると思った
ビジネスアイデア発想のきっかけ

pairy2株式会社TIMERSの創業メンバーは男性3名。そのうち、高橋才将氏と田和晃一郎氏は博報堂出身だ。2人とも2010年入社で、お互いにITが好きだという共通点があった。しかし数年後、ソーシャルゲームが多くなり、ネットでの新たな出会いや繋がりがどんどん広がっていく世界になっていた。そんな変化の中、2人はIT業界に対してある種の疑問を抱く。

「ソーシャルゲームに課金し没頭することや、興味関心で繋がった人と出会い、ゆるく繋がることよりも、身近な人との深いつながりを大事にした方が幸せになれるのではないか。そこにこそITの力を活かすべきでは。」2人は同じことを考えていたそうだ。そんな中、2人は博報堂の同じ部署に籍をおく傍ら、プライベートな時間を使い事業アイディアを考えはじめた。そして、“身近な人との深いつながり”をキーワードに話し合った結果、身近な人間関係で一番エネルギーにあふれるのは「恋人」だと考え、恋人同士のクローズドなアプリを作ることにした。

2人でアイディアを練る間にも、刻々と変化し、成長していくスマートフォンのマーケットを見ていると、これは今すぐにでも2人で会社を飛び出してやった方が面白いのではないかという結論にいたり、起業に至ったという。しかし、開発・改善にスピードが求められるサービスをつくるにはエンジニアが必要。DeNAやサイバーエージェントの知り合いに声をかけ、2人で事業計画書を持って回った。そして見つけたのが、3人目の創業メンバーとなる椎名アマド氏だった。

 それから3カ月間の開発を経てリリースしたが、当初はユーザーの満足度も高くない。なんとかユーザーの満足度と高め、ユーザー数を増やすため、彼らはひたすらユーザーの動きを見てサービスのブラッシュアップを繰り返した。例えば、ユーザーはパートナーからの更新が無くても定期的にアプリを開き、2人で回答した質問やアルバムの写真を眺めているといったデータが現れる。さらに、女性の意見を積極的にヒアリングする中で、“一ヶ月以上前の、彼とのメールを見返したことがあるか”という質問に約60%もの女性が「ある」と答えた。これらを含めた分析から、あらためて“思い出を振り返る”という行為がカップルにとって非常に大事なことだと気付かされたという。それから、「思い出を作ること」という導線から「思い出を振り返ること」へのブリッジを意識して開発することにした。

また、“男女どちらにも使いやすい”というポイントにも気を配った。デザインに関しては、結婚式でもそうだが、男女どちらにも受け入れられるものは、「女性が望んで、男性が断らない」もの。この定石を参考にして、「Pairy」でも基本的に女性がカワイイと感じるデザインでありつつ、男性にとっては、このアプリがスマホに入っていることや操作することが嫌にならないようにと考えた。

 機能については、「別れにつながる機能は徹底排除」。例えば、リリース時には位置情報を任意で投稿する機能を搭載していたが、束縛や喧嘩の一因になる可能性もあると考え、1カ月で排除した。また、チャットの既読機能も、「既読」となっているのに返信がないことが原因で問題が起きる可能性があると考え、ずっと加えなかった。その後、既読機能が欲しいという一定のニーズに答える為、2013年6月のアップデートで取り入れた。ただし、この機能を利用するかしないかはそれぞれのペアで選択できるようにしている。

これらの機能改善を行うたびにユーザーの反応は上向き、それと比例するようにユーザー数が増加していった。2013年を迎える頃には、確かな手ごたえを感じ始めたという。

100万カップル獲得へ。スタッフも誇りを持って携われる事業を生み出したい
将来への展望

田和氏に今後の展望を伺うと、「なるべく早くに国内で100万組のカップルが使っているアプリに育てたい。その先は、ただのアプリケーションサービスで終わらせず、例えばティファニーが“愛の象徴”といわれているように、“Pairy”も一種の”愛を語るブランド”としていきたい」と語ってくれた。例えば、2人の大切な思い出を蓄積できる場所、思い出を振り返ることができる場所、2人がこれまでにどれだけ一緒の時を過ごしてきたのか確認できる場所、そのような象徴として、国内に限らず「Pairy」もグローバルでブランド化していく計画だ。

また、ユーザー視点でのブランド化だけでなく、事業としてのブランド化も目指している。現在、高橋氏、田和氏、椎名氏にとって、大切な人との関係をよりよいものにしていく「Pairy」というサービス・事業の運営に携わっていることは、大きな自信・誇りを持てるものだという。彼らがそういった視点において目指す事業はスターバックスやディズニーランドのような事業。例えば、スターバックスやディズニーランドのスタッフは、アルバイトであっても、自分の仕事に誇りを持ち、笑顔で意欲高く働いている。短期的な収益ではなく、中長期で企業経営を考えた際に、携わる人間が、社会的にも、また、個人としても自信や誇りを持って携われるような事業・組織を作ることがもっとも大事だと考えている。

「現在、若い人たちは同じIT企業でも、大企業を選ぶ傾向にある。しかし、彼らはきっと数年後に自分が本当にやりたい事業を求めて転職活動をする。社会貢献意欲が高まっている現代の若者にとって、彼らが自分の仕事に自信と誇りを持って、主体的にできるかどうかは大事なこと。世の中的にも今後10年、この部分が強く求められてくると思う」と田和氏は語ってくれた。

株式会社TIMERS
代表者:高橋 才将 スタッフ数:9名(インターン含む)
設立:2012年5月 URL:http://pairy.com/
事業内容:
カップル専用アプリ「Pairy(ペアリー」の運営

当記事の内容は 2013/7/9 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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