ウォーキングやランニングをするだけで得する! 歩く、走るをより楽しくするアプリ「Road+(ロードプラス)」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 横山 禎一

走る、歩くだけでギフトがもらえ、プレゼントや寄付もできるアプリ
展開している事業内容・特徴

dimers-lab1今、空前のランニング、ウォーキングブームが訪れている。毎週のように、全国のどこかでマラソン大会が開催され、早朝や夜、ジョギング、ウォーキングをする人々の姿を以前に比べてかなり頻繁に見かけるようになった。

今回ご紹介するのはウォーキングやランニングをするだけでメリットが得られるサービス。ダイマーズラボ株式会社が運営する「Road+(ロードプラス)」だ。2012年2月にローンチした「Road+」は、Apple Store「ヘルスケア/フィットネス」カテゴリーの無料アプリでランキング1位を獲得している。

「Road+」は、歩いたり走ったりするだけで、ポイントが貯まり、貯まったポイントをお得なギフトやアイテムと交換することができる。ゲットしたギフトやアイテムを、自分で利用することはもちろん、LINEやFacebook経由で友だちにプレゼントしてもOKだ。

まずは「Road+」をiPhoneにダウンロード。、「ランニング」「ウォーキング」「移動」の3つのモードを選択しよう。例えば「移動」モードの場合、1日50km移動すると50pt、「ウォーキング」「ランニング」モードの場合、1日10kmの運動をすると50ptが貯まる。ポイント交換できるギフト・アイテムは、スニーカーやTシャツなどのスポーツ用品や、Hulu、WIRED CAFE<>FIT、Qoo10など、さまざまなカテゴリーがラインナップされている。これらはどんどん更新されるので、毎日のチェックが楽しくなる。

ギフトやアイテムを誰かにプレゼントする場合、仮に相手が「Road+」ユーザーでなくても送ることができる。「誕生日や記念日だけでなく、日頃お世話になっている人、仲のよい友人にギフトを送ることで、運動の達成感を共有することができる。このようなかたちで日常の行動を楽しくする要素を生み出し、新しい“運動のモチベーション”を提供したい」と、ダイマーズラボ株式会社代表の長野英章氏は語る。

また、「Road+」内にはチャリティーイベント参加という機能もあり、歩いた距離・走った距離に応じてスポンサー企業があなたに代わり社会貢献活動に寄付をしてくれる。1kmごとに2円、1日につき最大10kmで20円を寄付することができる。このチャリティーイベントは、2013年4月現在までに約4000人が参加している。

運動が終わった後は、「達成コメント」をFacebookやTwitterに投稿でき、友だちと共有可能。仲間の投稿を見ることも、励みになるだろう。

多くの日本人が社会貢献したいと思っているのに、きっかけがないことに気づいた
ビジネスアイデア発想のきっかけ

dimers-lab2長野氏は、26歳までカナダやオーストラリアへバスケットボール留学をしていた。見るからにスポーツ選手という感じの、すらっとしてさわやかな印象だ。

帰国後、初めはスポーツマネジメント系のビジネスで起業することを考えていた。しかし、長野氏の先輩がオーストラリアでMBAを取得し、IT事業の起業準備をしている事をきっかけに長野氏もITの勉強を始め、その面白さと可能性にのめり込んでいった。その後、メディア系企業を3社での勤務を経験し、ドイツ系IT企業では事業立ち上げも経験している。

「人々の日常の行動に付加価値をつけて、それをメディア化したかった」と長野氏は語る。社名の「ダイマーズラボ」にもそんな思いが込められている。「ダイム」は10セントのことだが、バスケットボール界のスラングで「アシストする」という意味もあるという。「人をアシストするような事業を研究したい」という思いが由来だ。

「Road+」のビジネスモデルが生まれたきっかけは、カナダ留学時代にある。カナダはファンドレイジングが盛んな国。しかし日本には社会貢献をしたいという人が90%いるにもかかわらず、実際に行動する人はそのうちの10%ほどといわれている。この現状を知った長野氏は、日本は社会貢献ができるきっかけがないだけだと考え、日常の行動を寄付化することができれば、継続的な社会貢献事業を築くことができると思い至った。その際、エンゲージメントが高く、継続性の高い"歩く"という行為を寄付化するアイデアが生まれたのだ。

「Road+」ローンチ後は、ユーザーの確保に苦労したという。当初は「事業がどうすれば成立するか」にフォーカスしており、サービスが広告主=クライアント目線であった点を反省。すぐにユーザー目線に切り替えた。「日常の行動を楽しくする」「“歩く”を楽しくする」などアプリの特徴を伝えるメッセージをつくり込むことで、ユーザーへの訴求力が徐々に高まり、ユーザー数が徐々に増加していった。また、サービス自体のユニークさが注目され、数々のメディアからの取材依頼が届いた。ソーシャル&エコ・マガジン『ソトコト』の2013年1月号でも紹介され、現在もユーザー数が増え続けている。

広告主の獲得にも苦労した。「日本特有かもしれないが、ベンチャー企業は、大企業の窓口でシャットアウトされてしまうことが多い。必死で人脈をたぐりながら、顧客を獲得していくしかなかった。そうやって一つずつ契約を取っていくと、話を聞いてくれる企業が増えた。前例がないことをやるベンチャーは大変だ」と長野氏は語る。

これまでにさまざまな壁が立ちふさがった。長野氏は、これらを乗り越えられたのは、バスケットボール選手としての経験があったからだ考えている。「バスケのシュートの決定率は50%にすぎない。つまり、シュートエラーは50%もある。なので、入る入らないかをずっと心配しているかより、その時にベストだと思う形でシュートし、エラーすればエラーからできるだけ多くの事を学びとり、次に生かしていく事がもっと大事。エラーを素速く次のいいプレーに生かしていくことが大事。起業前は さまざまなシミュレーションをしていたが、今は、まずやってみて、数値を見て改善していっている」と言う。

恐れないで行動してみること。新しい消費行動をつくりたい。
将来への展望

2013年4月には、提携する株式会社ゼンリンデータコムとの取り組みを開始。創業当初からの狙いでもあるOtoO(Online to Offline)を狙いだ。これにより、「Road+」ユーザーが普段行動しているエリアに合わせたクーポンの提供など、ユーザーの生活パターンに密着した情報を配信することができるようになる。また、広告主にとっても、行動分析をもとにターゲットユーザーに対して正確なアプローチをすることができるため、より効果的な広告を提供できる。現在、長野氏はこのプロジェクトに力を入れている。

次に考えているのは、グループで口コミをブックマークできるサービス。さまざまな口コミの中でも一番参考にしたいのは、信頼する人の口コミだろう。口コミは、会話、メール、電話など、さまざまなところに分散している。そのため、誰かが勧めてくれた場所に行こうとしても、その情報を思い出せないということになりがちだ。分散している口コミ情報を仲間内でネット上に集約化することで、来店促進につなげられるアプリを近々リリースする予定だ。

また、中長期では海外展開も視野にいれているそうだが、まず国内の事業を確立する事を優先事項として考えている。

取材の最後、長野氏に、これから起業する人に向けてメッセージを伺った。「僕は26歳で日本に帰国した時、売り上げと利益の違いもわからなかった。しかし、一から勉強して2年でベンチャーキャピタルから投資を受けるまでになった。こんな僕でもできたのだから、みなさんも恐れないでどんどん自分のアイデアを事業にしていってほしい」。長野氏は、そんなコメントを、控えめにかつ爽やかに語ってくれた。

ダイマーズラボ株式会社
代表者:長野 英章 スタッフ数:4名
設立:2011年11月4日 URL:http://www.dimers-lab.com/

当記事の内容は 2013/5/7 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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