自分の行動で町をつくる!?個人情報を還元する画期的サービス

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

自分の行動で町がつくられる!行動履歴に着目した画期的なサービス
展開している事業内容・特徴

logtown今回は、SNSに投稿した自分のライフログが「町」になるという不思議なサービス「LogTown(ログタウン)」について紹介する。

「LogTown」は、Facebookやfoursquare、instagramからつぶやきや写真を投稿すると、それに応じてWeb上に町が作られていくというサービスだ。例えば、寿司を食べに行ったと投稿すると町に寿司屋ができ、カフェに行ったと投稿すると、町にカフェができる。投稿を解析して、町を自動的に作ってくれるのだ。SNSへの投稿数に応じて町の建物は増えていき、投稿した行動履歴に応じて街が進化していく。建物はカラフルでかわいいイラストになっていて、投稿するたびに町が変化する様子が楽しい。

このように行動履歴を可視化することには、こんな狙いがある。それは、一人ひとりが自らの行動パターンを知る機会を提供すること。「LogTown」で作られた町を見ると、その人が今までどのようなことをしてきたのか一目で分かり、行動履歴を振り返ることができる。蓄積された行動を後で振り返ることは、さまざまなメリットがある。

最新の脳科学と認知心理学の分野で、“人間の行動は、95%無意識に行われている”という研究結果がある。この、“無意識に行っている95%の行動”を操作することができれば、思いとおりの生活に近づくことができると、サービスを運営する株式会社tritrueの代表取締役社長を務める寺田真介氏は考えた。しかし、自分が無意識に何をしているかということを改めて観察することは意外と難しい。

そこで、普段何気なく投稿しているSNSを活用する「LogTown」なら行動履歴が一目で分かるので、無意識の行動パターンをつきとめることができる。無意識の行動パターンを意識的なものに変えていくことは、生活を変えるきっかけとなるだろう。

「LogTown」では、SNS上の友達のライフログを見ることもできる。この仕組みを利用すれば、なりたい自分に近づくこともできるかもしれない。“行動が変われば思考が変わる”という法則がある。この法則を利用して、「LogTown」上で憧れの人のページに行き、その人の行動パターンを分析して真似る。そうすると、自ずと思考もその人へと近づいていくだろう。「LogTown」にはこのような活用法もある。

複数あるSNS情報を集約できるという点も「LogTown」の利点。現在、さまざまなSNSがあり、サービスごとに情報が分散してしまいがちだ。しかし「LogTown」のように、各サービスの情報を1つに集約するサービスであれば、面倒なことにはならない。また、投稿したデータは町の建物でしか表現されることはなく、いつ、どこに、誰と行ったなどの細かな情報を他社に知られることはない。プライバシー面でも充実しているのだ。

こうして可視化したライフログによって、さまざまなビジネスが考えられる。広告収益はもちろん、自分の属性を深く知ることで深層心理に潜在していたニーズを引き出すことで、販売機会も創出できるだろう。

Web上の個人情報が個人に還元されていないことに疑問をもった
ビジネスアイデア発想のきっかけ

寺田氏は、FacebookなどSNSの普及に伴い、ネット上に個人情報を記録する文化ができつつあるが、個人の履歴がWeb上に残っても、ユーザーに何も還元されていないことに気付いた。そして、Web上に個人情報を記録する文化をどうにか活用できないかと考え始めたのだ。

なぜ、多数の個人の投稿があるにも関わらず、それが個人に還元されていないのか――。還元されない理由として寺田氏が考えたのは、「SNS上の記録をどう生かせばいいかが分からない」「さまざまなSNSを利用していて情報が分散してしまっている」「プライバシーが守られるかどうか気になる」というもの。これらの打開策を考えた結果、今の「LogTown」のような“街を作る”というゲーム性を持ったものにいきついたのだ。

アイディアが浮かび、すぐにサービス開発に取り掛かったが、ビジネス知識や経験、資金不足が原因で、その後の展開に行き詰まってしまったという。出資を受けるためにインキュベーターを訪問したところ、サムライインキュベートが出資してくれることになり、ようやく事業を立ち上げることができた。

ちなみにこの「LogTown」、スタートアップ支援プログラムである「KDDI ∞ Labo」の第3期生でもある。

寺田氏は現状に満足しておらず、「LogTown」の発展はまだまだこれからだと考えている。今はサービス改善に力を入れたり、営業力をつける為に外部との接触を多くするよう行動しているそうだ。

世界で利用されるサービスを、日本から発信したい!
将来への展望

寺田氏の目指す将来像は、「世界中で利用されるサービスを日本でつくること」。現在は世界を見据えたサービス創りを行っているという。「インターネットの世界は常に変化する。そのために、インターネット上の情報の分析と再整理を行っている」とは寺田氏の弁。

実際、「Amazonリーンスタートアップコンテスト」や「KDDI ∞ Labo」に参画するなど、外部からの評価も高い。これらの評価は「LogTown」の方向性、可能性の大きさを示しているだろう。自分の人生をも可視化できてしまいそうな、実に不思議なサービスの成長にぜひ期待したい。

株式会社tritrue
代表者:寺田 真介 スタッフ数:2名
設立:2012年1月

当記事の内容は 2013/02/28 時点のもので、該当のサービス内容が変 わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめ ご了承ください。

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