アプリが累計50万ダウンロード!現在地から30分圏内の情報が見つかるサービス「30min.(サンゼロミニッツ)」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 鶴 泰博

初めての地でも安心!30分以内で行ける施設の情報が得られるアプリ
展開している事業内容・特徴

30min1引っ越しした後、新たな街に慣れるのに一苦労する人は多いだろう。「一番近い公園はどこ?」「レストランはどこがいいの?」「美容院はどこにあるの?」

まったく知らない地域なのだから、わからないことだらけなのは当然だ。そんな時にかなり使える便利なサービスがある。今回ご紹介する「30min.(サンゼロミニッツ)」がそれだ。

“街の新着情報を共有するプラットフォーム”をコンセプトに、今いる場所から30分以内にある店舗や施設などの情報が検索できる。具体的な情報としては、店のキャンペーン情報や、新商品、さらに美術館などレジャー施設のイベント情報などなど。新店のオープン情報がいち早く掲載されることも、人気の理由の一つだ。

これらの情報を収集している方法は二とおり。一つは、街情報について書かれたブログから更新情報を収集する方法。そしてもう一つは、スマートフォンアプリから書き込んでもらう方法だ。一般的に、ブログができる以前のCGMサイト(消費者の投稿によってつくられるサイト)は、訪問者に情報を書き込んでもらう方式が一般的だった。今でもこの形式は多い。

しかし、「30min.」では、スマートフォンアプリから書き込んでもらう他、ブロガーがほかのサイトで書いた記事を、独自に開発した検索エンジンで収集し、活用している。ブロガーにとって重要なのは、サイトで記事を書くことではなく、自分の記事が多くの人に見られたり、記事にコメントをもらうこと。そのため、「30min.」とブロガーの間はwin-winの関係となる。

2008年4月、「30min.」はまずPCでのサービス提供をスタート。そして2008年8月、iPhoneが登場したわずか1カ月後に、iPhoneアプリをリリースしている。iPhoneのGPSに対応したアプリとしては日本初だ。ちなみに、アンドロイドでも日本初だという。

iPhone発売当初、iPhoneアプリは、数自体が少なかったため、「30min.」の認知は一気に広がり、さまざまなメディアに頻繁に取り上げられた。結果、当時の国内iPhoneユーザーのほとんどがダウンロードしたともいわれており、半年で5万ダウンロードを超える大ヒットを記録。現在では、iPhoneとAndroid合わせて50万以上がダウンロードされている。

また、最近では女性をターゲットにした「30woman.(サンゼロウーマン)」や、周りのお店の情報をもとに賃貸物件を探す「サンゼロ賃貸」などのサービスも運営している。

収益モデルは、広告が中心だ。ただし、単に広告を掲載するだけでなく、エリアや店の情報と広告とを関連づけて提供するようにしているため、広告効果が高いようだ。リクルート社の「ホットペッパー」などのメディアとも提携しており、「30min.」経由で店への予約があった場合、同社にキックバックが入る仕組みとなっている。

周りの情報を得たい人と、ブロガーを上手く繋げることができると思った
ビジネスアイデア発想のきっかけ

30min2株式会社サンゼロミニッツを創業した谷郷元昭氏によれば、自分と妻が地方出身者だったため、都心に引っ越してしばらくは、どんな店がどこにあるのか、自治体が運営する施設はどこにあるのか、今どんなことをやっているかということを把握するのに、かなり時間がかかり苦労したそうだ。また、チラシを見てわざわざお店のWebサイトにいかなければ正確な情報が把握できない……。こうした不満がこうじて、「30min.」の開発を思い立った。

当初は、テレビや雑誌の情報だけでは選択が困難な、都市部の店舗や商業施設の口コミの情報を提供することに主眼を置いていた。谷郷夫妻のような、地方から都心に出てきた人たち、共働き家庭で近所の情報収集が困難な人たちに使ってもらえるサービスを目指したわけだ。

実は、サービスを開発し始めた当時、谷郷氏は携帯向け広告を扱う会社に勤務していた。そして業務を通じて、今後、紙媒体の広告はどんどん衰退していくと感じた。逆に「O to O (Online to Offline)」の流れが加速すると見た谷郷氏は、「今いる場所に応じた最適な情報の検索ができるサービス」の大きな可能性を確信する。

「伸びると確信した分野に、誰よりも早くチャレンジしたことが成功の一つのポイント」だと谷郷氏は語ってくれた。

お財布携帯機能を使ったマーケティングにチャンスあり!
将来への展望

谷郷氏に今後の展望をうかがったところ、「さらにスマートフォンのサービスに力を入れていく」との答え。今後はガラパゴス携帯がなくなり、携帯電話の市場は、ほぼ100%がスマートフォンという時代になると予測しているからだ。

そのような市場環境のなかで、独創的で魅力的なサービスを開発していき、閲覧者・利用者にとっても、あるいは事業者や情報掲載者にとっても、双方のニーズに合致した展開を図っていくことが谷郷氏が考えている戦略だ。

例えば、いわゆる「お財布携帯」機能を使った、より便利なサービスの提供も計画している。確かに、「30min.」で検索した店に行き、そこで「決済」したらポイントを貯めることができるような仕組みが出来れば面白い――。事業者は、これにより確実な来店確認ができ、それが効果測定にもつながる。さらに、これらの情報を参考にして、新しいサービス・集客策を生みだすこともできる。

その話を聞いた時、「30min.」の発展の余地はどんどん広がっていくと感じた。同社の今後の展開が多いに楽しみである。

株式会社サンゼロミニッツ
代表者:谷郷 元昭 スタッフ数:10名
設立:2006年4月28日(株式会社エイジャックスネットとして設立)
2008年4月1日(株式会社サンゼロミニッツとして再スタート)
URL:http://30min.jp/
事業内容:
タウン情報サービス「30min.(サンゼロミニッツ)」の運営

当記事の内容は 2012/5/17 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める