天才秀才が多数在籍!業界最安6000円/月の家庭教師サービス「究進塾」が登場

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 福田 宗就

家庭教師サービスの価格破壊!オンラインで地方の高校生を獲得中

展開している事業内容・特徴

kyushinjuku12012年2月に正式版がローンチされたばかりの、オンライン家庭教師サービス、「究進塾」が元気だ。週1回30分で6000円~という業界最安の月謝や、1回1000円でわからない問題の質問ができるなど、ユニークなサービスを展開しているベンチャーである。

「最高の教育をどこにでも」という理念のもと、インターネットを活用して、優秀な家庭教師が少ない地方の過疎地や離島の高校生に、上質な教育サービスを届けている同塾。もちろん、安かろう悪かろうではなく、教える講師陣は、現役の東大生、一橋大生、東工大生といった超難関大学の大学生がズラリ。しかも、国際化学オリンピック日本代表選手、全国高校化学グランプリ金賞獲得者といった逸材や、キャリア数十年といったプロの講師も在籍している。

都心部在住であれば、東大や京大といった難関大の現役学生が講師の学習塾に通ったり、家庭教師を頼むことはできるが、過疎地や離島に住んでいる高校生にとって、それは望みようにない話。しかし実際、東京都に拠点がある「究進塾」には、三重や新潟、埼玉県の秩父、広島県の離島からオンラインで授業を受けている生徒もいる。

生徒の集め方にも秘密がある。当然、大手学習塾のようなコストのかかる宣伝はとてもできない。そこで、同塾の代表である並木陽児氏自ら、mixiなどSNSのコミュニティに「究進塾」の情報を投稿することでPRしたり、また、SNS上で無料の勉強相談を受けたりすることで生徒を集めている。地道な活動ではあるが、一度にかならず数人からの反応があるそうで、費用対効果は抜群。結果、プロモーション費はほとんどゼロで運営できているという。

講師も主にSNSを活用して発掘、採用している。もちろん同塾の講師審査は厳しい。実際に模擬授業を実施してもらったうえで合否を判断するのだが、かなりハードルの高い基準をクリアし、並木氏のお眼鏡にかなった講師だけしか登録させていない。

一般的にはまだまだ、オンライン家庭教師という新しいサービスへの馴染みが薄いため、初回30分だけ無料の体験授業を受けることができる。そして、実際にオンラインの授業を受けてみて、満足してくれたユーザーだけが正式に申し込む。そんな安心感を持たせる施策も、生徒数の増加を後押ししている。

学習塾講師時代の教え子たちの苦労を見て起業を決意。

ビジネスアイデア発想のきっかけ

kyushinjuku2並木氏は起業前、東大進学率が高いことで有名な中堅学習塾に勤務していた。その際、毎日2時間もかけて都心まで授業を受けに来ていた教え子たちの苦労を見て、「そんな学生のために何かできないか」という思いから、起業を決意。その当時、オンラインの家庭教師サービスを行っている会社が殆どなかったため、ここにチャンスがあると踏んだ。しかし、元手は自分の預貯金200万円のみ。また、それまでは講師として生徒に勉強を教えていたので、経営の知識やビジネスノウハウもゼロ。並木氏は、ないないづくしのなか、試行錯誤を繰り返しながら、サービスを構築していくことになる。

独立したのは2010年4月。コアとなるオンラインサービスの開発は、エンジニアである友人の協力を得ることでクリア。そして、まずはベータ版としてWebサイトをオープンした。決済に関しては、欧米ではすでに一般的になっている「PayPal」を採用。授業に関しては、WebカメラとSkypeの組み合わせで提供している。それらの仕組み構築を、ほとんどコストをかけずに開発したというから驚きだ。

「ほかに苦労した点は?」と聞いたところ、「数え切れないです」という答え。価格設定や講師の確保、授業時間の決め方など、すべてが手探りだったという。実は、今回の記者である私は、ドリームゲートのサービスを通じて、並木氏から経営課題について何度も相談を受けている。実際、私からのアドバイスのいくつかは実際にサービスに反映されていた。そうした善意の協力者の助力を得ながら、事業を形にしていったようだ。

2012年2月、現在の形としてリリース。4月には、法人化する計画だ。現在、同塾の陣容は、代表並木氏とエンジニア兼Webデザイナーの2名のみ。講師はすべて在宅で遠隔授業を行い、実施したサービスに応じたフィーを支払う。講師へのバック率が高いことも挙げておきたい。業界平均が30~40%といわれるなか、究進塾ではなんと70%前後のバック率を実現している。低コスト体質の経営を徹底することで、ユーザーに低価格で高品質な教育を提供し、講師には高いフィーを支払う。当然、同塾にも利益が残る。まさに、三方よしのビジネスモデルが完成したわけだ。

教育のデジタル化は急務。立ち遅れている日本の教育界を変える

将来への展望

「究進塾」が手がけているオンライン教育サービスは、海外のほうが先行している。例えば、TutorVistaという大手(月99ドル定額制のオンライン家庭教師サービス)は2万人以上の生徒を獲得し、前年比で毎月800%もの成長をしているという。また、電子教材といった学習コンテンツも海外では活発に使われているが、日本では教科書の電子化もまだ見えていない状況だ。そもそも「教科書検定」自体が日本独特の仕組みなのだ。国や行政の動きが遅いのはもちろんだが、欧米では民間企業が先導し、教育サービスを進化させている。

そして、並木氏は、「日本でも、もっと教育サービスを多様化、電子化することが求められている」と考えている。また、「都会の裕福な家庭の子供しか、質の高い教育が受けられないという現状を変えたい」とも。だからこそ、「究進塾」の理念は、「最高の教育をどこにでも」なのである。

同塾は数値目標として、2年以内に生徒数1000人突破という計画を掲げており、「オンライン家庭教師なら究進塾というブランドを確立することが、当面の目標です」と語ってくれた。

実は、取材者である私自身もかつて学習塾を経営していたことがある。だからだろう、並木氏の持っている日本の教育への危機感、懸念、現状を変えたい思いが痛いほど伝わってきた。そうした純粋な熱意を感じた人を、人は誰しも自然に応援したくなる。そんな人的資質も成功する経営者の条件の一つだと思う。まだまだスタートしたばかりの「究進塾」だが、これからの成長と並木氏の奮闘を応援していきたい。

究進塾
代表者:並木 陽児 社員:2名
設立:2010年4月。サービスの正式ローンチは2012年2月 URL:http://kyushinjuku.com/
事業内容:
インターネットを利用した学習指導

当記事の内容は 2012/4/17 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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