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「江戸の老舗の逸品」に特化した通販サイト。「老舗」検索で10位以内に入る人気サイトの戦略
展開している事業内容・特徴
創業100年以上の老舗の逸品がネットで買える「老舗通販.net」というECサイトが人気だ。たとえば、「山本海苔店」「豆源」「榮太樓總本鋪」などなど、マスコミでもたびたび取り上げられる老舗店の名前を聞いたことがある方も多いだろう。「老舗通販.net」は、そうした創業100年以上の老舗15店が一堂にそろったECサイトである。
そんな「老舗通販.net」を運営しているのは、渋谷に拠点を構えるスターマーク株式会社というベンチャー企業。ビジネスモデルとしては、「老舗通販.net」に届いた注文情報を老舗店舗に送って、顧客に直接商品を発送してもらうというシンプルなもの。
同サイトに出店している老舗店は、マスコミに取り上げられる機会が多いため、それがインターネット上で強力なSEO効果を生み出す。サイト名に「老舗」を使っている点も重要なポイントだ。2010年2月にスタートした新しいサイトにもかかわらず、「老舗」でキーワード検索すると、常に上位10位内にランクイン。競合先は楽天など大手ECサイトだが、「老舗通販.net」が楽天などよりも上位に来ることも多々あるのだという。
つい先日はテレビ朝日 「マツコ&有吉の怒り新党」で、マツコ・デラックスさんが大好きなお菓子として、豆源の「海老豆」が紹介された。
また、佃煮の元祖である日本橋鮒佐では、テレビ東京「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」という番組から生まれた”フォアグラ昆布巻”といったユニークな商品も扱っている。
商品の特性上、ユーザー層は女性、特に主婦層が多く、年齢層も20~30代を中心に70代までと幅広い。そういったユーザー層に使いやすい配慮が徹底されており、最近では、ツイッターやFacebookのようなSNSボタンを設置する事が当たり前ともいえるが、そういったボタンはユーザーが迷ってしまう原因になるため、あえて設置していないという。
現在は海外対応も準備中で、2012年内には出店数も拡大していく予定だ。
マーケティングのスペシャリストと老舗店舗がコラボレーション
ビジネスアイデア発想のきっかけ
「老舗通販.net」を運営しているスターマーク株式会社は、もともとはマーケティングやブランディングを本業としている会社だ。同社代表の林正勝氏は、大手出版会社勤務を経て2004年にスターマークを起業。占いのコンテンツ制作からスタートしたが、以前から日本の伝統文化に関わる事業をしたいと考えていた。そんな時、江戸時代から続く老舗店舗が集まる会にITツールを用いたマーケティング施策などを提案。その一環で老舗通販.netを立ち上げることになったという。
ECサイトの立ち上げに当たっては、特に老舗ならでは良さ、質感をどう表現するかという事に苦労したというが、サイトオープン後は、細かい改修を毎月のように行い、また半年に一回のペースでリニューアルも敢行したという。
2010年2月からスタートした「老舗通販.net」だが、最初の1年目は準備期間、2年目でようやく地に足がついてきたといい、3年目となる今年、2012年が勝負だと捉えている。しかし、事業計画上の数字・目標はあえて細かくは設定していない。ほとんどのビジネスは計画どおりにはいかないという林氏の経験則もあり、また目標ありきだと自分たちの都合を優先してしまう。だからこそ、計画よりもユーザーからの反応や老舗企業側との綿密な協議をもって、サイトを運営しているのだという。
目指すは、100年企業! 2万社とのコラボレーション。
将来への展望
日本は、100年以上続いく企業が2万社以上も存在する、世界でも稀有な老舗企業大国だ。2万社すべての老舗企業とコラボレーションするのが、林氏のこれからの夢だという。
スターマーク社の理念は、
「日本のよいものを世界へ 世界のよいものを日本へ
伝統のよいものを現代へ 現代のよいものを伝統へ」
であるが、まさにこの理念どおり、日本の老舗企業の持つ魅力をネットを有効に活用しながら、世界へ伝えていくことが、スターマーク社が目指すビジョンなのだ。
スターマーク株式会社 | |
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代表者:林 正勝 | |
設立:2004年3月 / 「老舗通販.net」は2010年2月からスタート | URL:http://www.shinisetsuhan.net/ |
事業内容:「老舗通販.net」の運営。占いWalkerの運営、占いコンテンツ制作。コミュニケーションプランニング、ビジネスプロデュース事業。メンズトレンド情報サイトの運営。 |
当記事の内容は 2012/1/17 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。