利用者135万人突破。共通化&現金化でポイントサービスを革新「ちょびリッチ」

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執筆者: 清水 将仁

リアルタイム・ポイントシステムで爆発的に成長。会員は一気に100万人突破
展開している事業内容・特徴

chobirich1株式会社ちょびリッチが運営する「ちょびリッチ」は、ユーザーがポイントを貯めて現金化することができる、インターネット上のポイントサービス・サイトだ。ユーザーがサイト内でショッピングやゲームをするとポイントが貯まり、そのポイントを現金、電子マネー、他社ポイントなどと交換できる仕組みとなっている。

リアルタイムにポイントが貯まるシステムや、ポイントを現金化できるサービスを日本で初めて実現したのは「ちょびリッチ」だ。2002年のスタート当初から徹底したユーザー目線のサービスを展開することで同サービスは急成長し、今や135万人ものユーザーを獲得している。

「ちょびリッチ」のビジネスモデルはWin-Win-Win型だ。広告主である企業から得られる広告収入の一部をユーザーにポイントとして還元することで、広告主、ユーザー、運営元の三方がハッピーになるようにと考案された。このビジネスモデルは2002年のリリース時から変わっておらず、同サービスを立ち上げた同社代表の齋藤利春氏によれば、「小資本で、かつ少人数でやれる仕組みを考えた」結果だという。

現在は、広告主からの広告収入以外にも、「ちょびリッチ」のポイントが貯まるクレジットカードの発行や生命保険の販売など、ポイントサービスを軸にさまざまな事業を展開している。

さらに、有料会員向けのポイントサービス・サイトも展開しており、こちらはケータイショップで入会促進をするユニークなプロモーションや、広告収入を100%還元するという大胆な仕組みが奏功し、開始わずか2年で会員数は30万人を突破。新たな収益事業として急成長中している。

自分が感じた不便さを解消するサービスを考案して起業
ビジネスアイデア発想のきっかけ

chobirich2「ちょびリッチ」を起業した斎藤氏は、地元の長野県で8年間、電線メーカーの経理部員として働いていた。家業が野外映画館や飲食店などを幅広く展開する自営業だったこともあり、将来的には自分でビジネスをしたいと考えていた。そんな齊藤氏が独立を決意したきっかけは、2002年に開催された、サッカーの日韓ワールドカップだった。

このまま勤め人を続けることに焦りを感じていた齊藤氏は、またとない自国開催のワールドカップサッカーを存分に観戦するため、勤務先を退職。数カ月間はブラブラしていたという。しかし、徐々に、このままではいけないという焦燥感が生じ、何かやれることはないかと模索し始める。そして、小資本でスタートできるビジネスとして、インターネットを活用したサービスに行きついた。そして、3つのアイデアが浮かんだという。

1つはチャリティ・オークション・サービス。もう1つは地元長野の地域情報サイト、そして、アフィリエイト型のショッピング・サービス。手間をかけずに少人数で実現でき、さらには継続して収益を見込めるという理由で、アフィリエイト型ショッピング・サービスを、長野の自宅の一室でスタートさせた。

サービスを開始した2002年は、ネットショッピングの利用者が急増し始めた時期でもあるが、斎藤氏はひとりのユーザーとして、さまざまなネットショッピング・サイトで貯まっていくポイントに不便さを感じていた。それぞれのサイトが独自のポイントを発行しているため、商品と交換しようにもポイントが足りなかったり、交換できる商品もラインナップが充実していなかったりと、ユーザーにとってポイントは必ずしも魅力のあるものではなかった。

そこで斎藤氏は、そんな自分自身の不満を解消するために、アフィリエイト型ショッピング・サービスを開始し、独自に進化させていった。そして生まれたのが、ポイントサービス・サイトの「ちょびリッチ」だ。ユーザーの潜在的なニーズに応えたサービスということもあり、リリース直後から口コミだけでユーザーが広がっていったという。

サービスをリリースした初月の売上は「13円」だったという。しかし、最初に利用したユーザーが岩手県在住の50代の男性であることに驚き、インターネットの将来性を確信した。同時に「ちょびリッチ」のサービスはいけるという手応えも。スタート2カ月目の売上は一気に増えて30万円。その後は20~30代の女性を中心にユーザーが急増し、広告費を一切かけることなく2004年には、会員数が1万人を超えた。

ユーザーが急増したキッカケは、リアルタイムにポイントが貯まるシステムを開始したことで、現在では135万人のユーザーを抱えている。ポイント・サイトでは国内最大級の会員数となり、今も順調に成長している。競争が激しいポイント・サービス業界にあって、「ちょびリッチ」はユーザーに支持されて生き残ったサービスといえるだろう。

起業当時は、運転資金を稼ぐために、夜間のアルバイトをするなどして、1日18時間も働いていたというが、起業後9年が経過した現在は、30人近い社員を抱える組織に成長している。

人気サイトであり続ける秘訣をたずねたところ、「とにかくユーザー目線でサービスを考えることを徹底しています」という答えが返ってきた。インターネットのサービスは飽きられやすく、ユーザーは一度覗いたサイトを「つまらない」と感じたら、二度と訪れることはない。そうした厳しい競争原理が働く世界だからこそ、サイトの使いやすさなど、とにかく細かいところまで気を配り、ネーミングも親しみの持てるものにしたという。

さらには、オリジナルのキャラクターを登場させるなどして、ブランディングにも力を入れている。インターネットのサービスはすぐに他社に模倣されるため、ブランドイメージを確立することは非常に重要な戦略だと斎藤氏は語る。

大手企業が多数参入している現在でも、「ちょびリッチ」は競合との差別化に注力し続けている。先行者メリットを十分に生かしつつ、エンターテインメント性を持たせたコンテンツを生み出す企画力、独自の世界観によるブランドイメージで、競合他社との差を広げているのだ。

ポイントのソーシャル化など、ユーザー同士でもっと楽しくするサービスを仕かけたい
将来への展望

今後の展開として斎藤氏が考えているのが、ポイントのソーシャル化だ。「ちょびリッチ」のユーザーをソーシャル・ネットワークでつなぎ、ユーザー間でポイントの残高や内訳をオープンにしてシェアしたり、ポイントの交換をしたり、ポイントを共同で利用したりと、ユーザー同士で楽しめる仕かけをつくりたいという。

ポイント・サービスの市場には、異業種企業も続々参入してきている。この分野の競争はますます激化すると予想されるが、「ちょびリッチ」はそういった会社に追随されることを恐れずに、常に他社に先行して新しいサービスを仕かけていく姿勢を貫いている。

その一例として、同社はJALとANA両方のマイレージをポイントと交換できるサービスを投入したが、これはポイント・サービス業界では初の試みだという。

また、先述したクレジットカードの発行や生命保険の販売のように、インターネットに限らず、リアルでのポイント・サービス展開も積極的に進めていく考えだ。もちろん、「広告収入だけでは景気動向に左右されやすいので、より安定した収益を確保するため」という側面もある。しかし、普段の生活で「ほんのちょびっとリッチになれる」というコンセプトのもと、ユーザーが遊び感覚でお小遣い稼ぎができるというのが「ちょびリッチ」。ユーザーが喜ぶサービスを提供し続ける、「ちょびリッチ」に今後も注目していきたい。

株式会社ちょびリッチ
代表者:齋藤利春 設立:2004年8月(創業2002年1月)
従業員数:26名 URL: http://www.chobirich.com
事業内容
インターネットメディア「ちょびリッチ」の運営。
メッセージ
弊社は、積極的に事業アライアンスを行っていきたいと思っています。ポイントサービスにご興味のある企業様は、ぜひお声掛けください。

当記事の内容は 2011/11/22 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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