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初イベントで340名を動員。プラモデルの組立教室が大人気!
展開している事業内容・特徴
2011年10月に創業したばかりのベンチャーが企画した、「模型・プラモデルの組立教室」が盛況を博している。 最初に開催したイベントに、いきなり340人もの親子が参加。このイベントを仕かけたのが、株式会社 i-Craft (アイクラフト)という大阪発のベンチャー企業である。
「すべての子どもたちに“作る”楽しみを~集中力・発想力・工夫力を育むお手伝い!~」が、同社のキャッチコピーだ。モノをつくるということの基本を、「楽しく学べる」こと、「飽きずに続けられる」こと、つくりかたの「ルールを守る」こと、そしてこれらを通じて「つくる楽しみを育む」こと。それらの企業理念を掲げて起業した同社には、理念に賛同したさまざまな企業や教育機関、自治体などから数多くの反響が寄せられている。
同社のビジネスモデルは、自社で「模型・プラモデルの組立教室」、「模型・プラモデルの組立実演・講演会」などのイベントを企画・運営し、その参加者に対して、専門工具や材料・組立てキットなどを販売して収益を上げるというもの。
携帯ゲーム機などの完成品を買って遊ぶことに慣れた子どもたちにとって、「切る・貼る・組み立てる』といった煩雑な手作業をともなう「プラモデル作り」などのアナログ的な遊びが、逆に今、注目されているという。
不器用な子どもが増えると、日本の衰退につながる……。そんな危機感から起業
ビジネスアイデア発想のきっかけ
i-Craft を創業した松土友一氏は、自分が通っている内科の主治医と交わした何気ない会話から、起業のきっかけを得たという。
その主治医との会話は以下のようなものだった。 「医者を目指している最近の若者は、学科は問題なく優秀な成績をおさめるのだが、実技(施術)になると、道具一つ満足に使えないというようなことが多い。いくら装置が発達したとしても、最終的には自分の手で道具使って手術するのに、彼らを医者として世に送り出すことが不安でしょうがない。幼少期からハサミ・ナイフを使うことに慣れていないそんな背景に、こうなった要因があるのではないかと思う」
さらに同じテーマを別の歯科医にも投げかけてみたところ、 「歯科技工士を目指す若者や、歯科医を目指す若者にもその傾向は顕著であり、技術力の退行を感じている」といったコメントが返ってきたという。
さらに、金属加工の製造業を営む経営者にも同様の質問をしたところ、「新卒の人材を入れても、ドリルで材料に穴あけすることすらできない者が多い」と言う。そんな話を聞く中で、松土氏は、最近の子どもたちが道具を使った遊びに慣れていないことが、大きな問題であるという結論に行きついた。
今の時代、おもちゃといえば、完成品を購入して遊ぶことが普通で、しかも、デジタルなゲーム機が氾濫している。『切る・貼る・組立てる』という手作業を伴う遊びや、工夫し完成させる喜びを味えるような機会が極めて少なくなっているのだ。
このまま「不器用な子ども」が増え続けると、それは日本の技術力の衰退に直結する。そうした危機感が、松土氏を起業への挑戦にかりたてた。
最初に開催したイベントの成功が呼び水となり、学習塾や自治体からの提携話も数多く届いているという。
将来への展望
今後は、松土氏の趣旨に賛同した、切り絵作家や料理研究家などの協力を得て、「切り紙細工の実演教室」、「食育料理教室」、「シュガークラフト実演会」など、手先を使って楽しむ、モノづくりイベントを次々と企画していく予定だ。
「幼少期に、はさみやナイフを使う経験、創意工夫の思考、完成の味わいを楽しむ機会がないと、将来の我が国の医療分野、製造分野、そのほかさまざまな分野においても、世界との競争にどんどん取り残されていってしまう」と松土氏は語る。
これからもi-Craftは、モノづくり国家・日本の未来の担い手である子どもたちに、「作る楽しみを教える機会」を提供するため、できる限りたくさんのイベントを企画・開催していく計画だ。そして、現代の子どもたちが、モノづくりに対して関心を高めてくれることを社会的使命と捉えている。技術に抵抗がない人口を増加させ、技術立国ニッポンの復権に貢献することが、同社のレーゾン・デートル(存在意義)なのである。
株式会社 i-Craft (アイクラフト) | |
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代表者:松土友一 | 設立:2011年10月 |
従業員数:2名 | URL: http://i-craft.p2.bindsite.jp/ |
事業内容 1.「模型・プラモデルの組立教室」「模型・プラモデルの組立実演・講演会」などのイベント企画・運営 2. 「専門工具・材料・組立てキット」などの通信販売 ほか |
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メッセージ 「集中力」「発想力」「工夫力」を育むためのお手伝いをさせていただきます。つくるための基本を「楽しく学べる」こと、「飽きずに続けられる」こと、つくり方の「ルールを守る」そして、ここから「つくる楽しみ」は広がります。すべての子どもたちに手づくりの楽しみを知ってもらうために、高品質のイベントを企画いたします。 |
当記事の内容は 2011/11/10 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。