事業再構築補助金 第10回公募開始 スケジュールと概要を紹介

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

中小企業や中堅企業(以下、中小企業等)の事業再構築を支援する事業再構築補助金の第10回公募スケジュールが確定しました。公募は2023年3月30日から始まっており、締め切りは同年6月30日です。

この記事では第10回事業再構築補助金のスケジュールを紹介するとともに、概要を解説します。

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スケジュール:日程と手続きの流れ

事業再構築補助金の支給対象は、事業再構築に挑戦する中小企業等です。ポスト・コロナ時代の経済社会の変化に対応するため、新市場への進出や、事業・業種転換、事業再編、国内回帰をおこなう企業の支援を目的としています。
事業再構築補助金には8つの枠がありますが、第10回公募のスケジュールはすべて共通です。また、いずれの日付も2023年のものとなっています。

第10回の公募期間

  • 公募開始:3月30日
  • 申請受付:調整中
  • 応募締切:6月30日
  • 採択発表:8月下旬~9月上旬

申請から補助金交付まで8つのステップで進む

応募と申請の手続きから補助金交付までの流れを紹介します。

【ステップ1】申請の準備としてGビズIDプライムアカウントを取得する

事業再構築補助金の申請は、電子申請システムでしか受けつけていないため、その準備が必要になります。以下のサイトからGビズIDプライムアカウントを取得可能です。また、アカウントが発行されるまで1週間程度かかるため、注意してください。

【ステップ2】申請に必要な添付書類を用意する

申請するには、さまざまな書類の添付が必要となります。枠によって添付書類は異なりますが、たとえば次のような書類が必要です。

  • 事業計画書
  • 認定経営革新等支援機関による確認書
  • 金融機関による確認書
  • コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類
  • 決算書
  • 労働者名簿
  • 賃金引上げ計画の表明書
  • 賃金台帳の写し
  • 原油価格・物価高騰の経済環境の変化の影響を受けていることを示す書類

【ステップ3】申請する

準備が整ったら電子申請システムを使い申請します。同システムにログインし、事業計画書などを入力して送信します。

【ステップ4】採択・不採択の通知がくる

申請すると採択審査委員会が審査をおこない、採択するかどうかを決定します。その後、事務局から採択または不採択の通知が申請者に送付されます。ただし、採択と通知されても、この時点で補助金が交付されるわけではありません。

【ステップ5】補助金の交付申請手続きをおこなう

採択された場合、申請者は補助対象経費を精査したうえで、補助金の交付申請の手続きをおこないます。

【ステップ6】交付が決まってから補助事業を実施する

補助事業の実施は、補助金の交付が決定された後であることが必要です。補助事業が完了したら、申請者はその実績を事務局に報告します。

【ステップ7】確定検査→補助金の請求→補助金の交付

実績報告の後に、事務局が確定検査をおこないます。確定検査によって、補助金の交付額が確定し、。申請者の請求によって、補助金が交付されます。

【ステップ8】各種報告

申請者は、事業化状況報告と知的財産権等報告を事務局に対しておこないます。


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8つの枠はそれぞれ目的が異なる

事業再構築補助金には次の8つの枠があり、申請者は枠を選んで申請することが必要です。また、それぞれの枠は支援の目的が異なっています。

①成長枠
成長分野への大胆な事業再構築に取り組む中小企業等を支援する

②グリーン成長枠(エントリーとスタンダード)
研究開発、技術開発、人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題の解決に資する取組を行う中小企業等の事業再構築を支援する

③卒業促進枠
成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、中小企業から中堅企業に成長する事業者に上乗せして支援する

④大規模賃金引上促進枠
成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、大規模な賃上げに取り組む事業者に対して上乗せして支援する

⑤産業構造転換枠
国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の中小企業等が取り組む事業再構築を支援する

⑥最低賃金枠
最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等の事業再構築を支援する

⑦物価高騰対策・回復再生応援枠
業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む中小企業等、原油価格・物価高騰の影響を受ける中小企業等の事業再構築を支援する

⑧サプライチェーン強靭化枠
海外での部品製造の国内回帰を進め、国内サプライチェーンや地域産業の活性化に取り組む製造業事業者を支援する


8つの枠の補助金額と補助率

8つの枠の補助金の額と補助率を紹介します。

補助金の額 補助率
①成長枠 【従業員数 20 人以下】100 万円 ~ 2,000 万円
【従業員数 21~50 人】100 万円 ~ 4,000 万円
【従業員数 51~100 人】100 万円 ~ 5,000 万円
【従業員数 101 人以上】100 万円 ~ 7,000 万円
・中小企業者等 1/2(大規模な賃上げを行う場合は 2/3)
・中堅企業等 1/3(大規模な賃上げを行う場合は 1/2)
②グリーン成長枠(エントリーとスタンダード) エントリー
・中小企業者等
【従業員数 20 人以下】100 万円 ~ 4,000 万円
【従業員数 21~50 人】100 万円 ~ 6,000 万円
【従業員数 51 人以上】100 万円 ~ 8,000 万円
・中堅企業等
100 万円 ~ 1 億円
スタンダード
・中小企業者等
100 万円 ~ 1 億円
・中堅企業者等
100 万円 ~ 1.5 億円
・中小企業者等 1/2 (大規模な賃上げを行う場合は 2/3)
・中堅企業等 1/3 (大規模な賃上げを行う場合は 1/2)
③卒業促進枠 成長枠・グリーン成長枠の補助金額上限に準じる ・中小企業者等 1/2
・中堅企業等 1/3
④大規模賃金引上促進枠 100万~3,000万円 ・中小企業者等 1/2
・中堅企業等 1/3
⑤産業構造転換枠 【従業員数 20 人以下】 100 万円 ~ 2,000 万円
【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 4,000 万円
【従業員数 51~100 人】 100 万円 ~ 5,000 万円
【従業員数 101 人以上】 100 万円 ~ 7,000 万円※廃業を伴う場合には、廃業費を最大 2,000 万円上乗せ
・中小企業者等 2/3
・中堅企業等 1/2
⑥最低賃金枠 【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】 100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数 21 人以上】 100 万円 ~ 1,500 万円
・中小企業者等 3/4
・中堅企業等 2/3
⑦物価高騰対策・回復再生応援枠 【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数6~20 人】 100 万円 ~ 1,500 万円
【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 2,000 万円
【従業員 51 人~】 100 万円 ~ 3,000 万円
・中小企業者等 2/3(※1)
・中堅企業等 1/2(※2)(※1)従業員数 5 人以下の場合 400 万円、従業員数 6~20人の場合 600万円、従業員数 21~50 人の場合 800 万円、従業員数 51 人以上の場合は1,200 万円までは 3/4(※2)従業員数 5 人以下の場合 400 万円、従業員数 6~20 人の場合 600 万円、従業員数 21~50 人の場合 800 万円、業員数 51 人以上の場合は1,200万円までは 2/3
⑧サプライチェーン強靭化枠 1,000 万円 ~ 5億円以内

※建物費がない場合は3億円以内

・中小企業者等 1/2
・中堅企業等 1/3

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8つの枠の要件

事業再構築補助金に申請して採択されるには、最低でもそれぞれの枠に課された要件をクリアする必要があります。

その要件は次のとおり。

要件
①成長枠 ・事業再構築の定義に該当する事業であること
・事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること
・補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均4.0%以上増加、または従業員1人当たり付加価値額の年率平均4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること
・取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること
・事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
②グリーン成長枠(エントリーとスタンダード) エントリー
・事業再構築の定義に該当する事業であること
・事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること
・補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均4.0%以上増加、または従業員1人当たり付加価値額の年率平均4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること
・グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取組であって、その取組に関連する1年以上の研究開発・技術開発または従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと
・事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
スタンダード
・事業再構築の定義に該当する事業であること
・事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること
・補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均5.0%以上増加、または従業員1人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること
・グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組であって、その取組に関連する2年以上の研究開発・技術開発または従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと
・事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
③卒業促進枠 ・成長枠またはグリーン成長枠に申請する事業者であること
・成長枠またはグリーン成長枠の補助事業終了後3~5年で中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること
④大規模賃金引上促進枠 ・ 成長枠またはグリーン成長枠に申請する事業者であること
・成長枠またはグリーン成長枠の補助事業終了後3~5年の間、事業場内最低賃金を年額45 円以上の水準で引上げること
・ 成長枠またはグリーン成長枠の補助事業終了後3~5年の間、従業員数を年率平均1.5%以上増員させること
⑤産業構造転換枠 ・事業再構築の定義に該当する事業であること
・事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること
・補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、または従業員1人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること
・現在の主たる事業が過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が 10%以上縮小する業種・業態に属しており、当該業種・業態から別の業種・業態に転換すること
⑥最低賃金枠 ・事業再構築の定義に該当する事業であること
・事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること
・補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、または従業員1人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること
・2022年1月以降の連続する6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が対2019~2021年の同3カ月の合計売上高と比較して 10%減少していること(当該要件を満たさない場合は、2022 年1 月以降の連続する6カ月のうち、任意の3カ月の合計付加価値額が対 2019~2021 年の同3カ月の合計付加価値額と比較して 15%以上減少していることでも可)
・2021年10月から2022年8月までの間で、3カ月以上最低賃金+30 円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること
⑦物価高騰対策・回復再生応援枠 ・事業再構築の定義に該当する事業であること
・事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること
・補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、または従業員1人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること以下のA、Bのいずれかを満たすこと
・A:2022年1月以降の連続する6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が対2019~2021年の同3カ月の合計売上高と比較して 10%減少していること(当該要件を満たさない場合は、2022 年 1 月以降の連続する6カ月のうち、任意の3カ月の合計付加価値額が対 2019~2021 年の同3カ月の合計付加価値額と比較して 15%以上減少していることでも可)
・B:再生事業者であること
⑧サプライチェーン強靭化枠 ・事業再構築(国内回帰)の定義に該当する事業であること
・事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること
・補助金額が 3,000 万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融 機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)の確認を 受けていること
・補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均5.0%以上増加、または従業員1人当たり付加価値額の年率平均 5.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること
・取引先から国内での生産(増産)要請があること
・取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること(ただし製造業に限る)下記の要件をいずれも満たしていること
・経済産業省が公開するDX推進指標を活用し、自己診断を実施し、結果を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること
・ IPA が実施する「SECURITY ACTION」の「★★ 二つ星 」の宣言を行っていること
・交付決定時点で、設備投資する事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30 円以上高いこと
・事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
・「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトにて、宣言を公表していること

補助の対象となる経費

事業再構築補助金は、補助の対象となる経費に対してのみ交付されます。補助の対象となる経費は以下のとおりです。

■建物費

  • 専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費
  • 補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費
  • 補助事業実施のために必要となる賃貸物件等の原状回復に要する経費
  • 貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(貸工場・貸店舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等)
  • 新築は必要性が認められた場合に限る

■機械装置・システム構築費

  • 専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費
  • 専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用に要する経費
  • 上記2点と一体で行う、改良・修繕、据付けまたは運搬に要する経費

■技術導入費
本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費

■専門家経費
本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費

■運搬費
運搬料、宅配・郵送料等に要する経費

■クラウドサービス利用費
クラウドサービスの利用に関する経費

■外注費
本事業遂行のために必要な加工や設計(デザイン)・検査の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費

■知的財産権関連経費
新製品・サービスの開発成果の事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権等取得に関連する経費

■広告宣伝・販売促進費
本事業で開発または提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費

■研修費
本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費

■廃業費

  • 廃止手続費(既存事業の廃止に必要な行政手続を司法書士、行政書士等に依頼するための経費)
  • 解体費(既存の事業所や事業において所有していた建物・設備機器等を解体する際に支払われる経費)
  • 原状回復費(既存の事業所や事業において借りていた土地や建物、設備機器等を返却する際に原状回復するために支払われる経費)
  • リースの解約費(リースの途中解約に伴う解約・違約金)
  • 移転・移設費用(既存事業の廃止に伴い、継続する事業を効率的・効果的に運用するため、設備等を移転・移設するために支払われる経費)

事業再構築補助金の相談はドリームゲートへ

事業再構築補助金は、事業再構築を図る中小企業等を手厚くサポートする制度です。補助金の最高額が5億円であることからも手厚いサポートであることがわかります。

ドリームゲートには、採択率90%以上など、事業再構築補助金に精通した専門家が多数登録しています。初回のメ相談は無料ですので、お気軽に事業再構築補助金についてお問い合せください。


執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局

ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
運営:株式会社プロジェクトニッポン
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