9年で売上9倍!古着買取り・販売のネットサービス草創期より事業を展開し、確固たる事業ノウハウを築き上げた「株式会社ライトプレイスファクトリー」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

アパレル市場の低迷と古着市場の台頭、そしてネット型リユースの浸透。
追い風吹くライトプレイスファクトリーのリユース事業
展開している事業の内容・特徴

20160707-1消費の低迷が続く一方で、リユース市場は活況だ。2015年のリユース市場規模は約1.2兆円(自動車、バイク含まず)。品目別市場規模では、ブランド品、衣料・アクセサリー、パソコンが上位を占める(環境省「リユースの市場動向調査の実施方針(案)」より)。その中でも成長株として期待されているのが古着市場であり、アパレル市場が低迷する一方で、ここ5年間でその規模は2倍に拡大。現在では、年間約7.1億着発生する不要衣料のうち、約24.7%がリユースショップに流通しているという。

この古着市場の拡大を後押ししているのが、同じく成長市場であるネット型リユースだ。消費者は自宅にいながら不用品を売ることができ、かつ購入もできる。また、業者にしても店舗運営コストや人件費を削減しながら、全国の消費者にリーチすることができる。「ヤフオク!」や「楽天オークション」といったリユース×ECは、CtoBtoC、CtoCともに勢いがあり、フリマアプリ「メルカリ」はすでに幅広い浸透率を誇る。

これから見れば、今後も古着市場はECやインターネット展開が鍵となりそうだが、まだ古着に特化したリユース事業を大体的に行うプレーヤーは少ないという。

そこで、今回紹介するのがライトプレイスファクトリー社だ。EC普及前夜の2006年より、インターネットを活用した古着販売をスタートしたフロントランナーだ。

同社は、レディースブランド専門の「ブランドゥール」と、メンズブランド専門の「アディクト」という店舗およびサイトで古着買取りサービスを展開し、買取をした商品を「ヤフオク!」や「楽天」で販売している。2007年に現リユース事業へとビジネスモデルを変更して以降、増収・増益を維持しており、直近では「楽天市場 ショップ・オブ・ザ・イヤー2014 中古販売賞」、「楽天市場 ショップ・オブ・ザ・イヤー2015 中古販売大賞」なども受賞している。

現在は、宅配・店頭・出張の形態で買取りサービスを提供し、1日に約100人のユーザーが利用しており、これまでの総利用者は10万人強にも上る。一方の古着通販では、毎日500〜600点のアイテムが入荷し、ブランド数は約2000種、累計約4万8千点のアイテムをそろえる。ユーザーは20代〜40代が中心で、1日に約400人が利用している。

ITが担える面を的確に吟味。
コスト削減と効率化を進めながら、より良いサービスを追及していった。
ビジネスアイディア発想のきっかけ

20160707-2若山氏が同社を創業したのは、26歳のとき。
元々ファッション好きの若山氏が、高校生時代から購入した洋服を友人に売っていた経験が、現在のビジネスの素地になった。

運用資金が少ない中でビジネスを展開させるべく選んだ業態が、たまたまネットショップだった。しかし、走り出してみれば、既存の店舗モデルより運用コストを抑えることができ、かつその分を買取り価格に還元できるため、早々に消費者に受け入れられ、事業は好調な滑り出しを見せた。リーマンショックによるリサイクル品への注目の高まり、ECの普及拡大といった世の流れも、その勢いに拍車をかけていった。

その後同社は事業拡大と共に、磐石な事業基盤を確立すべく、運用システムの整備に取り掛かる。掲載商品のデータ管理、掲載方法や査定ノウハウの構築等々、PCで担える部分はすべてPCに任せ、オートメーション化を図り、徹底的な運用コスト削減と効率化に努めていったのである。

また、ブランドや洋服に愛着があるユーザーが納得・満足して売ることができるよう、リアルタイムなトレンド情報や買取価格を把握した査定チームづくりや、きめ細かな接客フローの作成にも注力。創業3年目にはフロントヤード、バックヤードシステム共に現体制を整えた。

現在、スタッフ数は50人余。2015年の売り上げは、第1期の1.1億円から9倍の9.8億円に上っており、同社は2020年までに売上20億円の達成を目標に掲げている。

ユーザーの趣向の把握から見据える多角的事業展開。
ファッションを通して、ライフスタイルまで提案できるサービス会社を目指す。
将来の展望

今後の主な事業戦略として、同社は「ネット型リユース非利用者の獲得」、「シナジーを生む企業との提携」、「ターゲットユーザーを明確に意識したサイトづくり」を挙げる。

非利用者の獲得については、衣料品の売却を望んでいるものの、個人情報などにまつわる懸念から、既存ECやフリマアプリなどを利用したくない潜在ユーザーを対象にしている。同社によれば、この傾向は富裕層に多いそうで、そういったユーザーが安心かつスムーズに利用できる仕組みを整えている。

企業提携では、オフラインでの展開に力を入れている。中古品を織り交ぜたブランド品のラインアップは集客が見込めることから、百貨店やファッションビルへの出店を考える会社より、同社の商品を扱いたいとの引き合いが多いという。また、同社としてもオフライン販売は、ネット上よりも高額または廉価な商品を売りやすいため、さまざまな企業と提携し、チャネル開拓を行っていく。

取材の最後に将来の展望を若山氏に伺った。

「まだ雑談的なフェーズですが、ファッションだけではなく、ライフスタイルの提案も行える会社を目指しています。当社のユーザーで、買取り・購入ともに利用しているのは全体の1割程度。残りの9割はどちらか一方です。しかし、ユーザーの趣向やお金の流れを把握できているわけですから、アプローチしだいでは、幅広い消費活動を促せると考えています。例えば美容など、どんな提案ができるのかは模索中ですが、きっかけはリユースでも、ユーザーが当社を介してさまざまなサービスを受けられるようにしていきたいですね。また、その実現は自社だけではできませんので、さまざまな企業と提携し、皆がwin-winになるような環境も整えていきたいと考えています。」

株式会社ライトプレイスファクトリー
代表者:若山 知宏氏 設立:2006年5月
URL:https://rightplace.jp/ スタッフ数:51名
事業内容:・国内外のブランド衣料、バッグ、時計、装飾品の買取および販売

当記事の内容は 2016/07/14 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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